なぜ、今、
FC町田ゼルビアなのか?

「挑む者たち」ークラブが企業へ提供する“ストーリーの価値”とは

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CHAPTER 04

MACHIDA ― 街そのものが若者・市民の舞台

 「町田って、東京なんですか?それとも神奈川なんですか?」

 町田出身者・町田在住者・町田で働いている人々が、人生で何度も何度も聞かれてきた質問だろう。

 23区を「東京」と捉える人にとって、町田は「神奈川じゃないの?」と感じる位置にある。実際、地図上、町田市は神奈川県相模原市・横浜市の両氏と接している。電車も、小田急線・田園都市線で都心まで30〜40分はかかる。

 しかし、町田は、まぎれもなく東京都である。

 そして、町田市民は、この曖昧さを「誇り」に変えている。

 なぜなら、町田は―

 東京の中心ではないからこそ、独自のカルチャーを育てられた街。

 神奈川には属さないからこそ、東京をまったく別の視点から見ることができる街。

 両義的だからこそ、唯一無二になれる。

 これが、町田というステージの本質ではないのだろうか?

 2025年1月25日、テレビ東京『出没!アド街ック天国』が、町田を特集した。

 タイトルは―

 「多摩の渋谷! 子どもにやさしい良い"まちだ"」

 そして、番組内ランキングが以下となっていた。

1位 「多摩の渋谷」というアイデンティティ。

4位 FC町田ゼルビア。

 街そのもののランキングに、サッカークラブが4位で入る。これは、ゼルビアが町田の文化に深く埋め込まれている証拠ではないだろうか。

 もちろん町田はひと言で語れる街ではない。

 なぜなら町田には、少なくとも三つの顔があるからだ。

ディープな町田。

 町田駅前を中心とする、雑多で熱気あるエリア。ラーメン激戦区として80軒を超えると言われる店舗があり、他にも商店街、古本屋、ライブハウス―多摩エリア最大の繁華街である。

お洒落な町田。

 戦後復興や日本独立の舞台裏で活躍した白洲次郎と妻の正子の終の住処「武相荘」。玉川学園、桜美林学園など、教育機関が集積するアカデミックなエリア。

南町田。

 2019年に開業した東急グループが主導して完成した「グランベリーパーク」。2025年度の売上は、414億7,600万円。年間来館者1,269万人。東京都心からも、神奈川県からも家族連れが毎週のように押し寄せる。

 ディープと、おしゃれと、未来価値―3つの要素が、この町田という街に共存している。

 これほど多面的な街は、東京近郊にも、全国的にも少ない。

 そして、町田にはもうひとつ、最も重要な数字がある。

0歳から4歳までの転入超過数―全国1位。

 これは何を意味するのか?

 若い家族が、子どもを連れて、東京や神奈川の他の街ではなく、この町田を選んでいるという事実だ。

 さらに、町田市は日本ユニセフ協会が選定する「子どもにやさしいまちづくり事業実践自治体」、わずか5つの自治体の一つに選ばれている。

 未来の人口動態を、データは静かに語る。

これからの町田は、若い家族のステージ。

これからの町田は、子育てのステージ。

その「これから」のステージで、いま、最も熱狂的なファンを獲得しつつあるのが、プロサッカーチームのFC町田ゼルビアである。

子どもが、ゼルビアを応援する。

家族全員で、スタジアムに足を運ぶ。

町田の街が、「青き熱気」に染まっていく―。

これらは未来への投資という意味で、決して見過ごせない流れである。

 さらに、2026年2月。ある重要な数字が公式に発表された。

FC町田ゼルビアが町田にもたらす経済波及効果―年間 約191.7億円。

 これは、町田商工会議所、FC町田ゼルビア、EYストラテジー&コンサルティングが共同で実施した調査研究の結果である。米国イリノイ大学・井上雄平教授による学術サポートも入っている、極めて精度の高い数字であり、その内訳は―

 直接効果 104.1億円

 第1次波及効果 57.4億円

 第2次波及効果 30.2億円

スタジアムでの観戦者は、年間約34.8万人。

地域活動への参加者は、約9.0万人。

一つのスポーツクラブが、一つの街に、年間 約191.7億円のお金を循環している。

町田という未来価値の高いステージで起きている経済現象として、極めて大きい。

 これは、ゼルビアの試合数だけ―ゼルビアが勝つたびに―さらに加速する循環でもある。

 経済だけではない。

 同じ調査で町田市民の意識データも明らかとなった。

 町田市民全体の地域愛着度――84%。

 ゼルビアを応援する町田市民の地域愛着度―98%。

 町田市民全体の「子育てしやすさ」評価―55%。

 ゼルビアを応援する町田市民の同評価―79%。

 市外居住者の「町田市への魅力認識」―61%。

 ゼルビアを応援する市外居住者の同認識―86%。

 すべての項目で、ゼルビアを応援する人々が、町田への愛着が、明らかに深い。

 川崎フロンターレなどもそういった歴史を歩んできたが、明らかに町田という街はサッカークラブを核として、次のステージへ上がろうとしている。

クラブが、街への愛着を生み出している。

スポーツが、地域社会の絆を強化している。

 そして、もし貴社が、町田に縁のある企業であるならば―ゼルビアと一緒に歩むことことは、自社の社員、顧客、地域のコミュニティの「町田への愛着」を、さらにもう一段、深める投資となり得る。今、新しい一歩を踏み出す機会です。

※出典:『FC町田ゼルビア、クラブ価値の「可視化」に挑む―経済効果と社会的価値を数値化、地域と共に描く未来図』

いま、ここに、ある。

 完成された都市・東京の中心ではない。

 完成された地方都市・神奈川でもない。

完成されていない、両義的な、未完成の街。未来価値のある街。

 その街と、貴社とのストーリーは、ここから始まっていく。

執筆者情報

上野直彦
上野直彦
兵庫県生まれ/スポーツジャーナリスト/トヨタブロックチェーンラボ所属/ロンドン在歴/小学生の時、故水島新司先生の影響を受けホークスファン️/野村克也/セ・リーグはベイスターズ/マンチェスターシティ️/漫画原作/早稲田大学スポーツビジネス研究所招聘研究員/セキュリティトークン/DeFi/ステーブルコイン/TD/日銀CBDC/漫画『アオアシ』取材原案協力/『スポーツビジネスの未来 2021ー2030』(日経BP)/NewsPicks「ビジネスはJリーグを救えるか?」連載/趣味フルマラソン、ゴルフ、NYのBAR巡り /Twitter @Nao_Ueno
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