試合情報

–まずは試合の総括をお願いいたします。

「悪天候にもかかわらず、多くのファン・サポーターの皆様がスタジアムまで集まって下さったことに感謝の気持ちを伝えさせて下さい。また皆様の応援のおかげでJ1で6連勝を達成できました。ありがとうございました。昨季と今季を通して3試合勝てなかった神戸さんが相手であり、また試合前は首位を走っていた上にディフェンディングチャンピオンである神戸さんは、我々の前に立ちはだかってきた強豪クラブです。スキルだけではなく、メンタル面や球際で相手を上回ることができなければ相手に勝負の肝を持っていかれてしまいますし、勝つことに対して執念を燃やしてくるチームだからこそ、必ず相手を上回っていこうと選手たちを送り出しました。ここ数試合、クリーンシートで終えることができているのはクロスの本数を減らし、シュートを打たせないことを実践しながら決定機を作らせないように狙っている結果です。その中でも相手はチャンスを作ってくる力があるため、先制点を奪いたい中でクリーンシュートを2本決めてくれたことで試合を優位に進め、後半を迎えることができました。選手たちは集中力高く戦ってくれました。後半は攻め急ぐことなく、後半の最初の20分は2-0で推移させていくことによって、最後の25分は交代選手を使いながらゲームをマネジメントしていけるということをハーフタイムに伝えていました。また実際に交代選手を起用しながらクロージングさせていくプランを選手たちが遂行してくれました。クリーンシートにふさわしい体を張った陣形を最後まで乱れることなく、神戸さんを相手に選手たちが実践してくれたことは、素晴らしい結果です。J2の頃は6連勝という結果はありましたが、J1としては初めての6連勝です。ただこの結果に一喜一憂することで隙が生まれないようにすることが最も重要なことです。しっかりと休息を取り、体のケアをした上で次のセレッソさんとのホームゲームに向けて、準備を進めていきます。」

–天皇杯の京都戦から2試合連続でボランチとして起用した中山雄太選手の評価を改めて聞かせて下さい。

「他のメンバーが決して悪いということではないです。我々の意図としては、相手との中盤の空中戦で後手に回ることがないように、中山をボランチで起用することによって、空中戦の勝率を上げていくことは狙いの1つでした。また今日の先制点のように、ミドルシュートを打てることも魅力ですし、中山は副キャプテンとしてチームをまとめることもできます。状況が変わった時にピッチの中で整理し、仲間にやるべきことを浸透させるだけのリーダーシップもあることがチームの中で機能していると思います。彼の場合はセンターバックもウイングバックもこなせます。彼の柔軟性やスキルが今やチームに欠かせないですし、とても効いていたと思います。」

–模範とすべきクラブの1つとして挙げていた神戸さんに勝てたことは、チームの成長という意味では、今後にどんな形で繋がっていきそうでしょうか。

「一番は選手たちが達成感を持ち、強くなっているという実感を得ることです。心のどこかで不安や、相手の方が上手だなと弱気になるものですが、練習から試合に繋がるものをできていることがこうして自信に繋がっていますし、「今はオレたちを止められるチームはない」と選手たちが口々に話すぐらいチームの強化が充実していると自覚できています。今日は思いきって自分たちの良さを出していこうと臨みましたし、実際に相手よりもシュート数で大きく上回る試合をできました。隙のない相手に対して、我々は隙を見せるわけにはいきません。選手たちが隙なく戦ってくれましたし、試合中の修正力を発揮した中で大きなチャンスを相手に与えることなく、クリーンシートで終えられたことは素晴らしい結果です。」

–シーズン前には時間を掛けてチーム作りをしたいという意向を持っていました。それが実を結んでいる印象です。

「長いシーズンは敗戦や失敗が付きものです。またやって良いことと悪いこと、できることやできないことを認識し、局面や時間帯に応じて、やるべきことの選択を整理するには時間の掛かることだと選手たちも認識していると思います。そういったことを選手たちに伝えながらここまで来ましたが、まさに前半戦の失点や敗戦のパターンを反省し、本来我々がやろうとしていることのベースに即して、選手たちがやるべきことを実践してくれていることが現在の連勝に繋がっています。公式戦では9連勝となりましたが、選手たちが自信をつけて堂々と戦えることが一番大きいです。遠回りはしましたが、できることが増えているという点でも、チームとしても手ごたえをつかんでいます。ただピッチ状態に適したプレー選択や、チャンスがあった中でのプレーの判断はまだまだ詰めるべきことがあります。今日の試合であれば3点目を取って圧倒して勝てるようなスキルや判断力をもっと磨いていければ、より一層優勝争いに繋がっていくと思っています。」

–王者に勝つにあたって、堅守が光った試合です。

「選手たちが集中してチャレンジ&カバーを実践した結果です。ゴールシーンも確かに素晴らしかったですが、クリーンシートで終えられたことは、守備陣としては評価できるポイントです。また個人という意味でも、自分のやるべきことをやれたと思います。」

–前半のヘディングシュートのシーンは入ったと思えるほどの決定機でした。

「（折り返しのヘディングでのパスを出した菊池）流帆に謝りました。決めないといけないシチュエーションでした。GKが見えていなかったのですが、もう少し強いボールでシュートをできれば良かったかもしれません。シュートのコースをどうするかも含めて、決めるための判断をしなくては。次のチャンスにとって（ゴールは）取っておきます。」

–素晴らしい先制点で機先を制することができました。ゴールシーンを振り返って下さい。

「シュート練習の成果でもありますし、マテウス トゥーレル選手のクリアボールがあそこにこぼれて来るかなという感覚もあった中で、ゴールに吸い込まれるまでずっと落ち着けていました。やっぱり練習がモノを言ったと思います。シュートのコースに関しては、すかさず右側に打つイメージでした。あとはリラックスすることプラス、きれいにフカさないように面に当てることができました。」

–神戸さんに勝つ上で先制できたことも大きかったのでは。

「練習がモノを言ったというか、前日練習からどう戦っていくかをチームですり合わせながら、立ち上がりは若干どちらに転ぶか分からないような展開となりましたが、後ろもしっかりと対処をして、僕たちのほうが少し押し込む展開を作れました。その中で先制点を取れたことが大きかったと思います。」

–ホームのサポーターの皆様が作り出す雰囲気も勝利に貢献したのでは。

「この試合の重要性を理解していた中で、スタジアム全体でサポーターの皆様の熱量も感じました。町田全体で勝ち取った勝利だと思います。」