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【酒井コーチのセルビア便り】美しく青きドナウ

コラム&企画

Dobar dan.
Kako ste?

ランドマークと言えば109ではなく教会、街を流れるのは鶴見川ではなくドナウ川、徐々に血がワイン色に染まってきている酒井です。

早いものでセルビアのFKヴォイヴォディナに来て3か月が過ぎました。

今日は休日なので、家の庭に机と椅子を出して、こんな景色を眺めながらコラムを書いています。

今回は、僕が今置かれている状況とアカデミーについて書きたいと思います。

まずは僕について。

練習は毎日8:00と15:30の2回ある。なぜならこの国の学校システムは少し変わっていて、午前組と午後組に分かれていて、週ごとに入れ替わる。

だから全員が揃って練習できる日がほとんどない。午前中に3人しか選手がいない、という週もある。

これは集団スポーツにおいては大きなデメリットだと思うが、コーチ達は工夫をしながら素晴らしいトレーニングを準備している。

選手は午前か午後のどちらかの練習だが、もちろんコーチ達は両方。毎日合宿のような生活を送っている。

練習はセルビア語で行われる。ピッチレベルで飛び交うセルビア語の単語は何となく拾えるようになってきたが、セルビア語でコミュニケーションが取れるレベルではない。

コーチとのやり取り、子ども達とのやり取りは英語。僕の英語もまだまだだし、バルカンの指導者特有の鬼軍曹は、指導中は、英語に訳してくることもほとんどない。

片付けてはいけないコーンを片付けてしまったり、ボールを渡すチームの色を間違えたり、選手にパスを出すタイミングが違ったりと、簡単にはいかない。

バルカンの指導者に建前はない。僕にも本気で怒鳴りつける。でも、この語尾を濁さない彼ら本気の姿勢がすごく心地良い。僕には合っている。

失敗は覚悟の上で一歩前に出て、お客様からチームの一員として認めてもらえるようになることが一番大事なことだと思い日々チャレンジしている。

最近では、ウォーミングアップを担当したり、サブ組の練習を指導したり、ミーティングの最後に英語で話をしたりと、一歩ずつ前進している。(と信じている)

次にアカデミーについて。

ヴォイヴォディナのアカデミーには9歳から19歳まで、10のカテゴリーに分かれて活動しています。トップチームを合わせると11のカテゴリーで総勢300人になる。

ボールを丁寧につなぎながら、素早いパス回しで攻撃的に戦うスタイルで統一されて、9歳から一段ずつ着実に階段を上っていく。

昨日開催されて、現在3位につけているトップチームのリーグ戦ではスタメンの内5人がアカデミー出身だった。

4年前にカップ戦で優勝した時には、11人中9人がアカデミー出身だったというから圧巻。そして、国内のクラブはもちろんのこと、スペイン・イタリア・ドイツのトップクラスのチームにもヴォイヴォディナアカデミー出身の選手達が数多く在籍している。

この国の平均月収は5万円に満たないと言われ、誰もが欧州の西側に出てプレーすることを夢見ている。こうやって選手を育て、他クラブに移籍していくことでクラブにも大きなお金が入ってくる。経済的に安定していないこの国では、それは何よりも安定したな資本になっているのであろう。

そして、長い時間を掛けて磨かれたダイヤモンドは、“おらが街が育てた選手”という付加価値を付けて世界へ飛び出し、歴史に刻まれていく。

彼らはこれを100年続けている。

国家体制が社会主義から資本主義に変わろうとも、内戦によって人々が血を流そうとも、常にそこにはフットボールがあり、アカデミーがある。

この長い歴史の上に成り立っているフットボールに勝つためには…。途方もない作業だと打ちひしがれてはいるが、きっと道はあるはずだ。

期限のある派遣であり、限られた時間の中ではあるがその答えを探したいと思っている。そして、いつの日か派遣ではなく、自分の力でヨーロッパに戻って来たいと想いが湧いてきている今日この頃である。

では。

 

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