攻撃のバリエーションが生む圧倒的な勢い
町田の勢いが止まらない。前節・浦和戦は3-1で勝利してリーグ開幕3連勝。この3試合で奪った得点は12で失点は2。勝点では柏、鹿島と並んでいるものの、得失点差では2位・柏を5上回り、堂々の首位に立っている。
「一人の選手に頼ることなく複数の選手が得点を取ることができている」と手応えを語る黒田剛監督。
チームのトップスコアラーは西村拓真、中村帆高、テテイェンギの2点ずつで、その他は6人が1点ずつ奪っている。町田自慢の堅守もそうだが、今はセットプレーを含めたバリエーションのある得点パターンこそが大きな武器。今週には北中米ワールドカップにも出場した日本代表ストライカー・小川航基も加入した町田は、この勢いのままに邁進する。
J1初勝利を挙げた水戸。百年構想リーグでも苦戦を強いられた難敵
今節は敵地での水戸戦。クラブ史上初のJ1参戦となっている水戸だが、侮れない相手なのは百年構想リーグで体験済みだ。ホーム、アウェイどちらの対戦も90分では2-2のドロー。結果的にPK戦で町田が2試合とも勝利したが、水戸の粘り強い戦いには苦労した。日本人選手を主体としたまとまりのあるチームで、後方からの巧みなビルドアップに加えて、組織的な守りもある。8月開幕の新シーズンでは、そこからよりパワーアップしている印象だ。
シーズン前にDF木本恭生、MF舩橋佑、FW谷口海斗、内野航太郎と力のある日本人をピンポイント補強。これらの選手たちがさっそく水戸にフィットしており、「入りからウチの良さがすべて出た戦いとなった」(樹森大介監督)と言う前節・京都戦は相手を上回る内容を見せて3-1でJ1リーグ初勝利。舩橋と仙波大志のダブルボランチを中心としたパスワークは精度を高め、CB木本と板倉健太を中心とした守備陣も堅い。百年構想リーグ同様、難しい戦いが予想される。
水戸のパスワークを封じ、前半から自分たちの時間を作れるか
町田のポイントは、その水戸のパスワークをいかに封じて自分たちのペースに持ち込むかだ。前節・浦和戦も勝利したとは言え、前半は相手に翻弄される苦しい戦いとなった。その中で「距離感や関係性を改善し、背後から崩していく形や、背後をどんどん突いていきながら相手を徐々に分散させ、背後からの効果的な攻撃ができるような形をいくつか生み出すことによって、我々の時間を作ることができた」(黒田監督)と話した後半の形を前半からいかに出していくか。浦和戦からの進歩は、この試合でも欠かせない。
「2点差になってからは、いくつか危ないシーンもあったが、常勝チームとして首位をずっと堅持していくためには、そういったシーンすら与えないようにしていかないといけない。首位というものは一戦一戦、奪い取っていくものだということを選手たちも意識しているので、一戦必勝でこれからも積み上げていきたい」と指揮官。
現状に満足することなく、さらなる高みを目指す黒田ゼルビア。今節も首位を“奪う”ために水戸を倒しに行く。
Pickup Player Voice
DF 50 岡村 大八
自分たちのサッカーをできるか
——リーグ戦は開幕3連勝です。チームとしての手応えをどう感じていますか?
「でき過ぎているぐらいです。点も取れていますし、守備では2失点してしまっていますが、かなりみんなが体を張って守れている結果がこの3試合に繋がっています。天皇杯も含めると4試合、良い形でできているのではないかと思っています」
——自身のパフォーマンスは?
「個人的にはまだまだだと思っています。キャンプで離脱してから体を作る期間が短く、試合でコンディションを上げていく感じになっていますが、徐々に徐々に上がってきて、余裕も出てきて、まだまだいけるんじゃないかなと思っています」
——3バックとして守備を形成していた中山雄太選手がチームを離れることになりました。
「今年は彼に助けられた部分がかなり大きかったですし、攻撃や守備、声掛けを含めて彼に頼っていた部分は大きいです。ただ、彼の挑戦を僕たちは応援したい。『彼がいなかったから負けたよね』とか『彼がいなくなってから勝てなくなったよね』とは個人的にも言われたくないです。やはり彼を快く送り出したからには、自分たちも結果で見せていかないといけないですし、『やっぱ出ていかなければ良かったな』と思わせるぐらいの活躍をチームとしてしなければいけない。個人的にも彼とはもっと上の舞台、日本代表とか、そういうところでまた一緒にやりたいと思っています」
——水戸の印象は?
「かなりアグレッシブなチームです。百年構想リーグで自分たちは勝ち切れなかったですし、新シーズンではその分、勝たないといけない。なかなか簡単にはいかないゲームだと思いますけど、油断することなく、自分たちがやるべきことをやれば勝てると思う。しっかり走って戦って、タフにやれればと思っています」
——勝利のポイントは?
「先制点ですね。ただ、自分たちのサッカーをちゃんとできるか。前節・浦和戦の前半みたいに、相手のプレスが早くてビビったりすると難しいゲームになってしまうと思うので、しっかり自分たちでボールを保持して、攻める時間を増やせば勝てると思っています」
——ファン・サポーターに意気込みをお願いします。
「やはり皆さんの応援がリーグ3連勝に繋がっていると思いますし、天皇杯でも多くの方々に来ていただいて大きな力となっています。アウェイ続きで移動も大変だと思いますが、一人でも多くの方々に足を運んでいただいて、応援していただき、一緒に勝利の喜びを分かち合いたいと思っています」
Stats
■リーグ戦過去対戦成績
5勝8分5敗(21得点24失点)※百年構想リーグは含まない
■2026/27明治安田J1リーグ成績
- FC町田ゼルビア
- 【順位:1位】
3勝0分0負
勝ち点:9
総得点:12
総失点:2
得失点差:10 - 水戸ホーリーホック
- 【順位:7位】
1勝1分1負
勝ち点:4
総得点:5
総失点:4
得失点差:1


