【酒井コーチのセルビア便り】Dobar dan!(こんにちは)

メディア

ゼルビアの皆さん、元気ですか?
セルビアの酒井です。
ややこしくてすいません。

早いもので、セルビアのノヴィサドで生活を始めて1か月になります。少し落ち着いてきて、J2も開幕したので、近況報告も兼ねてコラムを書こうかとパソコンを開けました。

16歳のアタッカー、橋村龍ジョセフがトップ登録され、開幕戦のベンチ入ったという情報はこちらにも届いています。小学生の時からゼルビアに所属し、スクールのスペシャルクラスにも在籍していたので、僕としては喜びもひとしおです。

なんと、ふれあいサッカーにも参加していたという話も聞きました。FC町田ゼルビアの創設者、故・重田貞夫先生も天国で微笑んでいるでしょう。

さて、僕がこのFKヴォイヴォディナ・ノヴィサドというクラブに来て最初に感じたこと。それは『子ども達のサッカーへ取り組む目が違う』ことです。

僕なりに導き出した結論が、今回のジョセフのトップ登録と重なりました。

「何なんだ、この子ども達のサッカーへ取り組む目は」

ヴォイヴォディナの14歳の練習を見た時に、そう思いました。残念だけれど、これは日本とは大きな差がある。コーチの質なのか、練習内容なのか。彼らの身体から立ち昇る熱気はどこから来るのか。このクラブで俺はプロになるんだという強い意志の源泉は何なのか。

熾烈を極めた内戦が終結してまだ15年程度。国自体も決して潤っているわけではありません。素晴らしい施設はあるが、子ども達が着ているもの生活環境は日本の方が遥かに恵まれている。日本とは違い、子ども達も1年で選手の入替えがあります。

俺はサッカーで身を立てるという強い意志。それが子ども達の背中を押していることは間違いないのでしょう。

そして何より、このクラブ100年の歴史が彼らの瞳を輝かせています。

トップからアカデミーまで一つ施設で練習し、トップの選手が若い選手に声を掛ける。クラブハウスの廊下には、歴代の名選手の写真が飾られ、その写真を見ながら選手たちはグラウンドへ向かう。

「俺もこの選手のようになりたい。ここで活躍すれば彼らのようになれるんだ」

今回のジョセフのような選手が次々と生まれ、世界へと羽ばたいていく姿を子ども達が見ている。そして、街中の人達、何世代もの人達がそれを見守っている。その歴史の結晶が、子ども達の目に現れる。僕はそう感じました。

FC町田ゼルビアの歴史はまだ始まったばかり。アカデミーから育った選手たちがトップチームで活躍し、世界へ羽ばたいていく。その繰り返しが後を追い掛ける子ども達の目に現れる。

「FC町田ゼルビアをそんなクラブにしたい」

ヴォイヴォディナに来て1か月、そんなことを感じています。

ではまた。

 

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