9連戦を終え、リーグ最終戦へ
半シーズンのみの『明治安田J1百年構想リーグ』はいよいよ最終節を迎える。
準優勝に終わったサウジアラビアでのACLEの激闘を終え、町田は日本に帰ってからもハードな連戦を戦い続けてきた。間違いなく、どのクラブよりも厳しい日程だったが、その連戦では90分間で一度も負けなかった選手たちの頑張りを黒田剛監督も称えた。
「サウジアラビアから帰国して時差に悩まされる時期もありながら、ここまで中2日や中3日での9連戦を戦ってきた。選手たちは体力的にキツかったと思うが、最後までやり切ってくれたことに関しては、選手たちのことを称えたいと思うし、誇りにも思う。かなり疲弊している様子が見て取れたが、最後まで体を張って戦ってくれた」
リーグ最後となる今節は、中4日の準備期間を経て臨める一戦。サッカー界の聖地であるMUFGスタジアム(国立競技場)で勝利を奪い、翌週に待つプレーオフラウンド(EASTとWESTの同順位同士によるホーム&アウェイ)へ弾みをつけたい。

相手は息を吹き返した浦和
最終節は、強さを取り戻した浦和との激突だ。一時はPK戦負けを含む7連敗と苦しい時期を過ごしていた浦和は、4月28日にマチェイ・スコルジャ監督との契約を双方合意の上で解除。その後を田中達也監督が引き継いでから、まさにチームの成績は激変した。初陣となった4月29日の第13節・川崎F戦から5月9日の第16節・水戸戦まで怒涛の4連勝。前節・FC東京戦はPK戦で敗れたとはいえ、田中監督就任後の5試合は90分間で負け知らずである。
内容を見ても今の浦和は攻守において安定している。元々、スコルジャ監督は守備組織の構築に定評があったが、田中監督になってからも堅い守備を引き継ぎつつ、攻撃も研ぎ澄まされている。直近5試合の失点数はわずか1。ゴール数は9と1試合約2得点ペースだ。マテウス・サヴィオや金子拓郎、渡邊凌磨といった個を生かすとともに、流動的なパスワークやカウンターで襲い掛かる攻撃は町田にとっても脅威となる。

課題克服を目指す90分
町田としては、最終節で勝ち切る強さを示したい。今回のリーグ戦で90分の敗戦はわずか2だったが、引き分けは8試合を数えた。『明治安田J1百年構想リーグ』では特別ルールによってPK戦で決着を付けたが、通常のレギュレーションではドローのままだ。この引き分けを勝利に持っていくことが、上の順位を目指す上で欠かせない。
「引き分けの試合を勝点3に変えていくことを課題と捉えて、今後のチームの強化を進めていきたい」(黒田監督)。
町田が誇る“堅守”が日本だけでなくアジアでも通用する大きな武器であることは、ACLEの舞台でも証明済みだ。現在も直近4試合で喫した失点はわずか1。“負けない”チーム作りは着々と進んでいる。
あとは、そこからどうゴールを奪い、勝利をモノにするか。今節の相手・浦和も守備に特長があり、勝ち切るための1点をめぐる白熱した攻防となるだろう。最終節も勝点3に変えていく課題を克服し、成長を続けるための重要な一戦だ。
聖地・国立での一戦は、町田の“勝負強さ”を証明する舞台となる。
Manager Voice
黒田 剛監督
感謝の気持ちを伝えられるゲームにしたい

——ようやく9連戦が終わりました。
「かなりハードなスケジュールでしたが、9連戦で90分の敗戦が一回もありませんでした。体力的に相手とは差があったとは思いますが、選手の逞しくなった姿を見ることができました。これが今後、生きるのではないかと思います」
——最終節は田中達也監督になってから調子を上げている浦和との対戦です。
「前節の我々は相当、疲労も見られ、後半からかなり押し返せない時間帯が続きました。逆に言うと、そういったところがしっかり改善されないと、どこが相手でも一緒です。まず自分たちがやり切れなかったところや日頃の懸念されているところ、そこをできたり、できなかったり、またはやったり、やらなかったりというバラつきをしっかりと修正させていくことのほうが重要だと思います。自分たちがどうしていくかにフォーカスして戦いたい。国立で多くのお客さんが入ると思いますし、ここに楽しみにしてくる人たち、逆に国立でないと来られない人たちも多く来ると思います。今までやってきたことをしっかり出して、ACLEも含めて応援してくれた、支えてくれた感謝の気持ちをしっかりと伝えられるゲームにしたいと思います」
——3試合連続クリーンシートが続いていた中で、前節は1失点。アグレッシブなサッカーをもう一度やりたいところですか?
「やりたいとは思っていますが、心身ともにフレッシュな状態で挑んでいかないと、なかなか難しいところでもあります。試合2日前の練習では誰が一番フレッシュに取り組んでくれるか、闘争心を持ってやってくれているかを見極める時間にもなりました。それだけにメンバー構成も難しくなってきます。前節は失点したと言ってもPKです。今のしっかりとした守から攻の精度を上げれば、もっと良くなると思います」
——ACLEと並行して明治安田J1百年構想リーグを戦ってきた中で成長を感じた部分はありますか?
「このハーフシーズンはかなり多くの試合があり、心技体すべてにおいて、すごく難しい状況を強いられていました。ACLEで言うと、(国内リーグの)EASTでは町田だけが参加していたので、同じ条件のチームはありませんでした。中2日や3日の9連戦など、今まで経験したことのないようなハードなスケジュールの中、最終的には疲労がすごく出てきたのが手に取るように分かりました。ただ、昇降格のないリーグだからこそ、チャレンジできたこともあります。これだけのタイトなスケジュールもそうですし、だからこそ、いろいろ挑戦できた采配もあったと思います。また、連戦ならではの声掛けやチームのモチベーション管理など、自分自身でチャレンジしたこともあります。明治安田J1百年構想リーグ、ACLEと二つ同時に戦ってきたからこそ、学べたことも多くありました。この経験値をしっかり生かせるようにチーム作りをしていきたいと思います」
Stats
■リーグ戦過去対戦成績
1勝2分1敗(4得点5失点)※カップ戦、百年構想リーグは含まない
■明治安田J1百年構想リーグ成績
- FC町田ゼルビア
- 【EAST順位:3位】
7勝5PK勝3PK負2負
勝ち点:34
総得点:22
総失点:19
得失点差:3 - 浦和レッズ
- 【EAST順位:5位】
7勝0PK勝4PK負6負
勝ち点:25
総得点:25
総失点:17
得失点差:8