復活のプレッシング
差を詰めるための90分が始まる。首位との対戦となった前々節・鹿島戦は0-3の完敗。そのゲームで失われていた町田らしい本来のアグレッシブな姿を取り戻すべく「『前から強く行くこと』を合言葉として」(黒田剛監督)臨んだ前節・浦和戦は、今季リーグ戦初先発となったセンターFW藤尾翔太を先頭にプレスを機能させて2-1で勝ち切った。「敗戦のあとに勝ち切る試合ができるのは大きな結果」とは試合後の指揮官。ここで敗れていれば鹿島の背中がより遠くなるだけでなく、チームとしても重苦しい空気が漂いかねなかっただけに連敗をせずに断ち切ったのは大きい。1試合消化の少ない3位・町田と首位・鹿島の勝ち点差は『7』のままだが、町田は諦めることなく上を目指して行く。
リーグ戦では約1か月ぶりとなる『町田GIONスタジアム』での一戦。迎え撃つのは、強敵・川崎Fだ。前節は横浜FM相手に0-5というまさかの大敗を喫した川崎Fだが、その結果は度外視したほうがいいだろう。前々節は東京Vを2-0で倒し、その前は0-1で敗れたとはいえ鹿島相手に終盤まで互角の勝負を演じるなど、やはり地力は高い。就任2年目、組織的なチーム作りに定評のある長谷部茂利監督は、川崎Fの武器である攻撃力はそのままに、堅い守備を植え付けている印象だ。
総合力で勝利を目指す
攻撃陣のタレントは相変わらず多彩である。前節の1トップ3シャドーは、エリソンを先頭に脇坂泰斗、マルシーニョ、紺野和也が並んだが、サブに控えていたのは家長昭博、小林悠、伊藤達哉、ラザル・ロマニッチと2チーム分の厚い選手層を持つ。前節・横浜FM戦も攻められっぱなしだったわけではない。「取れそうなときに、流れがあるときに取れないと、こういう流れになる」と長谷部監督が振り返ったように、川崎Fの代名詞とも言えるパスワークからチャンスを作っていた他、マルシーニョのスピード、エリソンのパワーで脅威を与えていた。昨季の川崎F戦でゴールを奪っている藤尾も「相手の好きなようにやらせないこと」をポイントに挙げた。自由を与えてしまえば、いつ爆発してもおかしくない川崎F攻撃陣なだけに、前節・浦和戦で見せた町田のアグレッシブな守備は今節も欠かせないポイントだ。
その上で町田は高いチーム力を継続して見せられるか。鹿島戦の敗退を受け、黒田監督は浦和戦で7人の先発メンバーを変更しての勝利。「全選手が日頃からしっかりと抜くことなく積み上げてくれた結果」と指揮官は出番に飢えていた選手たちの躍動した姿を称えた。約1週間の準備期間がある今節は、黒田監督がどんな顔ぶれをスタメンとして送り込むかは注目だ。そして、選ばれた選手たちは試合開始から川崎Fのパスワークを鋭いプレスで封じ、勝利へ繋げたいところ。ここから再び中3日の3連戦となる町田は、チームの総合力で川崎F撃破を目指す。
Pickup Player Voice
FW 9 藤尾 翔太
いかに僕たちが相手を上回れるか

——前節は今季リーグ戦初先発となりました。
「浦和戦は『絶対に勝たないといけない』という気持ちで臨みましたし、FWなので得点に絡めたらと思っていました。ただ、ゴールを決められていないので(自分のパフォーマンスは)何とも言えないですが、チームは勝てた。前から(強く)行って、うまくボールを回収できた部分も多くあったと思うので、そこは良かったと思っています」
——今シーズンここまでの自身の出来は?
「悪くはないと思います。あとはゴール前でもう一つの落ち着きや足をしっかり振っていくことを増やしていければ得点もおのずと取れていくのかなと思っています」
——川崎Fの印象は?
「ボールポゼッションでゴールに迫ってくるのが得意なチームだと思うので、そのポゼッションをいかにさせないか。あとは僕たちの強みを出せればと思っています。(前節の川崎Fは0-5で敗れているが)そこの修正はしてくると思うので、いかに僕たちが相手を上回れるかだと思います」
——勝利のポイントは?
「相手の好きなようにやらせないことが僕たちの勝利のカギだと思います」
——川崎F戦は、交通事故にあい、昨年末に昌子源選手と藤尾選手が病院訪問に行った朔空(さく)くんが来場予定です。
「リハビリも頑張っていると聞いていますし、それで回復していることも知っています。朔空くんに向けても勝利を届けたいと思います」
Stats
■リーグ戦過去対戦成績
1勝1分2敗(7得点11失点)
■明治安田J1百年構想リーグ成績
- FC町田ゼルビア
- 【EAST順位:3位】
4勝1PK勝1PK負1負
勝ち点:15
総得点:12
総失点:11
得失点差:1 - 川崎フロンターレ
- 【EAST順位:6位】
2勝2PK勝0PK負3負
勝ち点:10
総得点:10
総失点:13
得失点差:-3