“古豪”のJ1復活
課題を克服したい一戦だ。21日(土)の第3節・東京V戦では、終盤まで2-0でリードしていながら、89分からまさかの2失点で追い付かれてPK戦負け。88分までは「われわれのやりたいことが整理されて表現できていた」(黒田剛監督)と言う充実の内容を見せていただけに悔やまれる一戦となり、「勝点3に届きそうな試合だっただけにもったいなかったし、今節を勝点2を落とした試合と捉えて、次の試合から奮起しなければならない」と指揮官は前を向いた。東京V戦もそうだが、これでリーグ戦は開幕から3試合連続で2失点。“堅守”が武器の町田らしくない失点が続いており、チーム全員で隙のない戦いの復活を目指すことになる。
今節は“古豪”との戦いだ。ホームに迎えるのは、Jリーグ発足時から在籍する“オリジナル10”であり、J1に17年ぶりに帰ってきた千葉。J2時代には何度もJ1昇格まで迫りながら、昨季のプレーオフでは6度目の正直でようやくJ1復帰を勝ち取ったチームである。今季はここまで2PK戦負けが二つで、90分以内の敗戦が一つ。まだ今季初勝利はお預け中だが、内容を見ればJ1相手にも堂々とした戦いを見せている。
求められる90分のマネジメント
千葉の印象としては、“組織力”で戦うチームだ。指揮を執るのは就任4年目を迎えた小林慶行監督。攻撃ではチームとしてボールを大事にする志向を持っており、ビルドアップ時にはGKを使いながら後方からじっくりと攻撃を組み立てている。一方の守備は、前線からのプレスに加え、攻守の切り替えが速く、球際ではハードに戦ってくる。前線には清水で5年間活躍したブラジル人らしいテクニックのあるアタッカーのカルリーニョス・ジュニオといったタレントがいるが、全体的には献身的な日本人が主体のチーム。G大阪を筆頭に複数のクラブを渡り歩いたストライカーの呉屋大翔やJ2で2年連続二桁得点の石川大地、鹿島・松村優太の実弟であるルーキーの松村拓実、昨季途中に加入したサイドMFのイサカ・ゼイン、前節・水戸戦でJ1初得点を奪った津久井匠海といった勢いのあるアタッカーらがチームのために攻守で汗をかいている。一方の守備陣にも日本代表歴のある36歳のベテランDF鈴木大輔や前寛之の実兄でありボランチやSBなど複数のポジションをこなせるユーティリティープレーヤー・前貴之らを擁してコンパクトかつ組織的な守りを見せており、攻略は簡単ではないだろう。
町田のポイントとしては、その千葉のビルドアップ封じとなる。前線からのプレスで遮断できれば相手を押し込み続けることができる一方、高い位置でボールを奪えればショートカウンターでチャンスを創出できるだろう。ここまで守備の課題は出ているが、攻撃ではリーグ戦3試合で7得点とセットプレーを筆頭に得点は取れている。千葉のビルドアップを許さず主導権を握り、多くのパターンから相手ゴールへ襲い掛かってゴールを奪えるか。そして「89分や後半アディショナルタイムの失点がクセになっているのか、そういう時間帯でやって良いことと悪いこと、やるべきプレーとそうではないプレーをチーム全体で共有していかないといけない」(黒田監督)と言うチーム全員の統一された90分のマネジメントで勝ち切りたいところ。そうしたゲーム内容に加えて、「チームとしても兄弟対決としても、試合に勝ちに行きたい」(前寛之)と意気込む前兄弟の“J1初対決”も一つの見どころとして注目だ。
Pickup Player Voice
MF 16 前 寛之
兄貴は尊敬することばかり
「(兄・貴之選手とは)昨年からお互いに関東圏のチームに来たので、子供同士遊ばせたり、ご飯に行ったりしています。連絡は頻繁に取っていますね。サッカーのことも話しますし、家族や子供のこともよく話しています。兄貴は僕からすると尊敬することばかり。プロに上がったのもずっと先を行き続けてくれた兄貴の存在が大きかったと思います。兄貴は二つ上(32歳)なので、こういう年齢でまたJ1の舞台でできる力を持っていることも全部含めて、Jリーグでやれているのは兄貴のおかげが本当に大きいと思います。
(J2の時の)初めての兄弟対決の時はうれしかった気持ちがほとんどでした。試合になると兄弟対決ということは忘れますが、試合が終わった後にJリーグのピッチでやれている幸せを毎回感じています。あとは親が一番喜んでくれていると思います。僕は対戦成績で言うと負けていることが多いので、今年は勝ちたいと思っています。
昨年の千葉の試合はJ1昇格プレーオフは観に行けなくて、最終戦前の試合に行きました。千葉はボールも大事にできるし、良い攻撃をするチーム。守備も組織的にやるチームという印象を受けました。
兄貴とはJ1で初めての対決となりますが、チームとしても兄弟対決としても、試合に勝ちに行きたいと思っています。そのためにできる限りの準備をして、臨みたい。ただ、兄弟の時間もしっかり噛みしめながら楽しみたいと思っています。ホームの試合なので応援をよろしくお願いします」
Stats
■リーグ戦過去対戦成績
4勝6分8敗(21得点30失点)
■明治安田J1百年構想リーグ成績
- FC町田ゼルビア
- 【EAST順位:5位】
1勝1PK勝1PK負0負
勝ち点:6
総得点:7
総失点:6
得失点差:1 - ジェフユナイテッド千葉
- 【EAST順位:8位】
0勝0PK勝2PK負1負
勝ち点:2
総得点:1
総失点:3
得失点差:-2