○試合後の記者会見:相馬直樹監督
–まずは試合の総括をお願い致します。
「まず、こういう雨が続いている天候の中、我々にとってはアウェイゲームではありましたが、たくさんの方々に我々をサポート、応援しに来ていただきました。本当にありがとうございますとお伝えしたいと思います。最後に追いついたこと、そしてもう少しでひっくり返せそうだったこと、皆様の声援が選手たちを最後まで走らせてくれたと思います。本当にありがとうございます。
今日は横浜FCさんが普通の状況とは違うと思っていましたので、それを選手たちに伝えてピッチに送り出しました。立ち上がりに良い形で先制をしましたが、その後の横浜FCさんが両サイドを起点に後ろからどんどん人が追い越してくるような形で相手に押し込められるような展開になる中、高さを生かされる形で点を取られてしまいました。 さらに前半はそれだけではなく、押し込まれる時間帯が長く続いてしまい、苦しい展開になったと思っています。 ただそういった試合展開の中でも前半を1-1で折り返せたことは、本当に良かったと思います。
ハーフタイムにもう一度、自分たちでマイボールをしっかりと動かして攻めないと相手に押し込まれてしまうよという話をして、後半のピッチへ選手たちを送り出しました。後半は前半よりもきちんと自分たちが攻め込む時間を作りながら戦っていましたが、やはり中盤の位置で良い形で相手にボールを持たれてしまった中、守備を崩されるような形で失点してしまいました。
失点をする前の時間帯は、中盤の選手である森村が少し足をつった状況でしたし、彼はまだできるということだったので、ピッチに立たせていましたが、もしかしたら僕のほうで彼を交代させることにより、状況を変えられたかなと思っています。ただその後は積極的にベンチも動いた中で選手たちがそれに応えてくれたなと思っています。
もちろん、同点に追いつけたのはリードをした横浜FCさんが下がるというか、守る意識になったことも大きかったと思いますが、相手が引いている中でも前へ出ていく、そういう姿勢を選手たちが見せてくれたことで終盤に追いつくことができたかなと思います。
ひっくり返すチャンスもあった一方で、前がかかりになった分、カウンターでやられるかもしれないというオープンな展開になりましたし、そうした展開は観ている方からすると、スリリングなものになったかと思いますが、選手たちが最後まで戦い抜いてくれたことに満足しています。
ただ我々は今、勝利に見放されている状況ですので、結果には満足していません。とはいえ、同じドローゲームでも今日のような試合は選手たちが戦う姿勢を見せてくれた結果、掴めたものだと思っています。もちろん弱さを見せた部分もありますので、そういったことを克服することを含めて、残り4試合で勝ちを持ってこられるように、まずは次のホームの讃岐戦で勝てるようにまた良い準備をしていきたいと思います」
–後半途中で中村祐也選手と戸島章選手を交代で投入した後、選手の配置でいろいろな選択肢がある中、戸高弘貴選手をボランチに置き、そのまま平戸太貴選手をサイドハーフに配置した意図を教えてください。
「ボランチの配置に関して、戸高の場合は前へ侵入していくボランチとして捉えています。平戸に関してはサイドハーフの位置では前にランニングをしながらボールを受ける仕事をやってもらっていますが、ボランチに入ると下でさばくプレーをする選手として捉えている中で井上との関係性で少しボランチのポジションが後ろに重たくなってしまうイメージを抱いています。前節の金沢戦でも戸高を途中から投入した際に、最初は平戸をボランチのポジションに配置を変えたのですが、5分もしないうちに前線に入っていた戸高をボランチに置き換えていました。そのときの印象が良かったことも含めて、今日は途中から戸高にボランチのポジションでプレーしてもらいました」
–前がかりになれば逆にカウンターでやられてしまうというリスクある中で、横浜FCにはレアンドロ・ドミンゲスがいて、最後はイバが入ってきて押し込まれましたが、そういう前がかりになったときに、中盤のバランスやポジショニングのバランスを取るような役割を担う選手が誰になるのでしょうか?
「基本的には(井上)裕大です。もちろん2センターバックが後ろから声をかけていると思いますし、今日のピッチだと髙原の声は聞こえないと思いますが、後ろの選手が声を掛けながら、後ろからポジションを押し出すことで両サイドが起点となる形を作れました。同点に追いつくゴールが生まれたシーンもサイドバックの大谷が前に押し出された形から生まれていると思っています。
やはり、リスクを冒さないと点は取れませんし、相手は守ると決めたわけですから、そういった相手に対して自分たちは出るという選択をしました。当然やられてしまう可能性もありましたが、何もやらずにやられてしまうのを、我々を応援に来てくれた方々は観たいとは思いませんし、少なくともその姿勢を示して、今日は追いつくところまで持ち込めたと思っています」
以上
○横浜FC:奥寺康彦監督 会見要旨
–まずは試合の総括をお願い致します。
「すぐに点を取られてしまったのは、我々が気をつけないといけない点だと思います。立ち上がりにフワっと試合に入ってしまい、点を取られてしまったと思います。
それ以降はハードワークをする中でチャンスも作れましたし、一進一退の攻防になったと思います。また同点ゴールを決めることができて、我々としては思ったように形を作れたと思っています。
後半に関しては、立ち上がりはすごく良い流れで試合を進めることができましたし、ジャンボ(大久保哲哉)が勝ち越しゴールを決めるなど、本当に良いリズムで戦えた後半だったと思います。ただやはり、最後の最後で打ち合いになった時に、ゴール前でマークを徹底できずに同点ゴールを決められてしまったことはすごく残念です。
こちらもイバのチャンスがありましたし、3点目が先に入っていれば、こちらが勝ったのではないのかなという気がしますが、トータルで見れば今日は選手たちがハードワークをしてくれました。所々でミスなどもありましたが、総括すると良く走って最後まで戦ってくれたと思います」
–暫定で指揮を執られましたが、少ない準備期間の中で、メンタル以外の部分でテコ入れをしたことはありますか?
「テコ入れというわけではなく、相手がすごくハードワークをしてくるので、そこをかわして、サイドチェンジを入れてチャンスを作っていこうという話は伝えました。あとは本当にハードワークの部分で負けるなと、そしてこちらもセカンドボールを拾ってチャンスを作っていこうということは話をしました。町田さんは激しいプレーをしてくるチームで、コンパクトに戦ってくるチームです。いかにしてサイドへ展開して相手のプレッシャーを剥がしていくこと。そしてボールを奪った後にサイドチェンジを入れていく展開は、とても有効な攻め方だったと思います」
以上
▽選手コメント
○MF戸高弘貴選手
–久しぶりの先発出場でしたが、どんな気持ちでピッチに入りましたか?
「結果を残せればとピッチに入りましたが、チャンスもありましたし、それを決め切れずに残念です」
–相手のシュートブロックもありましたが、フィニッシュの場面に顔を出せていたことはポジティブな要素では?
「フィニッシュの場面も増やせれば点を取れる可能性が高まります。それが自分の持ち味でもありますし、もっとフィニッシュの精度と回数を上げていくことでゴールの可能性を高めていきたいです」
–途中からはボランチのポジションに入りましたが、自分自身はどんな役割だと認識してプレーしていましたか?
「(井上)裕大さんがいたので、後ろは彼に任せて、自分はゴール前に顔を出すことを意識していました。
–最後にファン・サポーターへのメッセージをお願いします。
「今日は応援ありがとうございました。勝てない試合が続いていたので、『今日こそは』という気持ちで臨んでいました。今日の結果で成長しないといけないことを認識したので、また勝利を目指して戦っていきます。次はホームでの試合になります。引き続き熱い応援お願いします」
○FW吉田眞紀人選手
–うれしいバースデーゴールになったかと思います。まずはゴールシーンを振り返ってください。
「(中島)裕希さんから良いクロスボールが入ってきましたし、相手DFと駆け引きをしてフリーになれました。クロスに対して相手に付かれていると競り勝てるタイプの選手ではないので、相手よりも先に触れるポジションを取ることを意識していました。決められて良かったです」
–誕生日にちょうど公式戦があることで気持ちも入っていたのでは?
「誕生日の日に試合があるのはプロになって初めてのことなので、楽しみにしていました。ただ勝ち切れなかったことが残念です。ほかにもチャンスがありましたし、2点目、3点目を決め切れるようになりたいです」
–相手は監督が交代した中での試合でした。試合中に相手の気迫を感じるようなことはありましたか?
「前半は特に流れの悪い時間帯が多く、相手に押し込まれたなと思います。ただ後半に盛り返せたことは良かったです」
–平日にもかかわらず多くのサポーターが駆けつけてくれました。ファン・サポーターへのメッセージをお願いします。
「多くのサポーターが駆けつけてくれてありがとうございます。90分間応援し続けてくれたことが最後の同点ゴールにつながったと思います。次はサポーターの声援に勝利で応えられるようにチーム一丸で頑張っていきます。引き続き応援をよろしくお願いします」
○FW戸島章選手
–貴重な同点ゴールとなったゴールシーンを振り返ってください。
「(中島)裕希さんが良い形でそらしてくれました。決められて良かったです。ワンバウンドさせてうまくミートできました」
–今日は途中出場でFWのポジションに入りました。全体的なプレーを振り返っていかがですか?
「FWで入ったのでゴールキックやハイボールの競り合いを任されていましたが、試合の入りがあまり良くなくて、競り合いに勝てていませんでした。申し訳ない気持ちになっていたのですが、ゴールを決められて良かったです」
–追いついての引き分けはポジティブな要素だと思います。
「どっちつかずの試合展開の中で、途中から出場して点を取れたことは個人としてもチームとしても大きいことだと思います。ただ勝ち切れていない試合が続いているので、勝てる試合をしたいですね」