○試合後の記者会見:相馬直樹監督
–まずは試合の総括をお願い致します。
「まずはお隣の東京ヴェルディさんとの東京クラシックということで天候もあまり良くない中、たくさんの方々にお越しいただき、ダービーで良い雰囲気を作っていただきありがとうございます。それに応えられなかったことは自分自身に責任を感じています。
特に前半は防戦一方と言ってもいいぐらいのゲームになってしまいました。決してそういうつもりはなかったのですが、相手に勢いで上回られたまま、そのまま前半は終わってしまいました。後半のほうが五分の流れでしたが、先にセットプレーから追加点を取られて苦しくなりました。後半は本来ならば前半は眠っていたぶん、我々が上回らないといけない試合を進めないといけなかったのですが、それができずにリードを広げられてしまいました。そのあと、選手たちの頑張りで粘りましたが、2-4という結果になってしまいました。
いろいろな意味で現状の我々の力でもあります。自分たちの時間帯、勢いを持ってプレーできる、そういう時間帯を増やさないといけないですし、そうでない時間帯は我慢しないといけません。今日の試合はそういうゲームになりませんでした。試合前は相手が6位ですし、ゼルビアとヴェルディの歴史を考慮すれば、昨季2連勝したことは関係なく、チャレンジしなければならなかったのですが、特に立ち上がりはどちらがチャレンジャーの戦いをしたかと言えば、相手のほうだったと思います。決して受けに回るつもりはなかったのですが、相手との相関関係から自分たちが上回らなければ、相手に上回られることになってしまいます。その中で立ち上がりから受けに回ってしまいました。
メンタル面もそうですし、いま持っているチームのパワーを含めて、もう一度チャレンジャーとして戦うことを確認しないといけない90分でした。また次のゲームまでにチャレンジャーとして戦えるような準備をできるようにしたいです」
–前半リードされた中、ハーフタイムにどのような指示を送りましたか?-
「相手が前から来ることをケアして、もう少しひっくり返さなければいけない部分のことや、自分たちのスタイルでもある自分たちが前がかっていくということがもう一回必要だということを話しました。また、相手が前から来ているといっても、相手の前線3人は何回もアプローチをしてくる選手ではないので、怖がらずにボールを持つときは持って、後ろで時間を作らないと難しいゲームになること、そして自分たちのゲームの時間を作らなければならないといったことを選手たちに伝えました。
後半は少しボールを動かそうという意識は出たのですが、もう一回前から行くということは後半の立ち上がりは足りなかったと思います。立ち位置を逆転させるためには立ち上がりをもっと強く入らせる必要があったと思っています」
–右サイドに入った安在和樹選手が一つのポイントになったと思いますが、その立ち位置についてはある程度想定していたのか、彼への対応も含めて聞かせてください。
「ゲームの途中で左右のウイングバックのポジションを変えることがあるのは映像で確認していたので、それもあるかなとは思っていました。 ただ逆足でサイドチェンジなどのボールを入れてくることに対して、どこまで抑えられるかということに関しては、もう少し抑えられたのかなと思っております。
でもそれは相手ボールのときの話であって、今回の場合は自分たちのボールをどうするか。それをもう少し詰めていかないといけないと相手ボールの時間が長くなりますし、前半に関してはほとんど自分たちの時間帯を作れなかったと言ってもいいと思います。
結果的に4失点を喫していることで守備が課題だとは思いますが、それよりも自分たちがボールを持つ、自分たちがボールを動かす、自分たちが攻撃をすることにもう少しフォーカスをしないといけないなと思います。そのためには勇気も必要ですし、チームとしてのある意味の割り切りも必要です。相手と我々でどちらが背後にボールを送り込めたかと言えば、 間違いなくヴェルディさんだと思いますが、我々のやり方であるまず背後を突くことをしようとすることが少なく、ウチのやり方ができていなかったですし、相手にやりたいことをやらせてしまいました。
ワイドの選手が生きるのも、まず背後があるから生きるのであって、ワイドに選手がいたことが決定的な話ではなく、相手がシンプルに裏を使った攻撃をしてきたことに尽きます。一番大事なことはそこに選手が居たかではなく、駒をどう動かしたか、ボールをどう動かしたか 、その中で我々は後手に回ってしまった前半だと思います。もう一回、自分たちがやりたいことを整理して、相手もそういうことをしてくるという中で、陣地取りな側面もありますので、特に今日の前半は我々らしくなかったなと思います」
–中村祐也選手が怪我から復帰して今季初出場しましたが彼に期待した部分は?
「ウチの選手の中でもフィニッシャーとしての力を非常に持った選手ですし、独特なものを持っている選手です。今日は点が欲しい場面でプレーしてもらいましたが、いくつかチャンスがありましたし、その中で彼らしいプレーを見せてくれたと思います。久しぶりの試合でしたし、プレッシャーやストレスもあったと思いますが、今後はチーム一丸となって戦う中で彼に期待したいと思います」
以上
○東京ヴェルディ:ロティーナ監督 会見要旨
–本日の試合の総括をお願いします。
「攻撃面ではシーズンを通して一番の攻撃ができましたし、短いパスも長短のパスを組み合わせて選手がプレーできていました。バランス良く長短のパスをつなぎ、相手のエリアまで崩すことができました。そして勝つことが難しいスタジアムで難しい試合に勝利できたことにとても満足しています」
–今日の試合で活躍していた安在和樹選手の持つ可能性についてどう思いますか?-
「まず誰か一人が良いプレーをしたというよりも、全選手が良いプレーをしてくれた中、特に安在和樹、安西幸輝の両ウィングバックはとても良いプレーをしてくれたと思います。 安在和樹はフィジカルコンディションが整っていて、とても良い準備ができている選手であり、シーズンを通して3点も得点しており、ゴールの取れる選手はチームにとって 重要な選手だと思います」
以上
▽選手コメント
〇MF戸高弘貴選手
–途中出場でボランチに入りましたが、プレーのイメージや指示はどのようなものだったのでしょうか?
「ボランチでセカンドボールを拾えと言われていました。あとは前に出て行くことは自由にしていいという感じでした。前に出て行くことは意識できましたが、セカンドボールを拾えたかと言えばそうでもないのかなと思います。そこは反省することだと思います」
–反撃の1点は冷静にゴールを決めた印象です。どういったことをイメージしながらシュートを打ったのでしょうか?
「これは周りに言われて気づいたことですが、最初は左足でも打てたと思うんです。でも正直ゴールがあまり見えていなくて、右足に持ち替えて、その瞬間にゴールが見えたので、それで打ったという感じです。コースがうまく良いところに行ったので、入って良かったです。左でも打てたというのは、終わった後に皆に言われて気づきました。自分では気づかなかったです。最初は左足で、祐也さんにパスを出そうとしていました。でも、あまりチャンスになりそうにないなと思って持ち替えて打ったという形でした」
–天皇杯に続いてゴールを決めたことで、これからまた乗っていける要素になるのではないかと思います。
「1点は1点ですけど、チームを勝ちにできる場面で点を取れれば良いなということを強く思います」
–天皇杯では90分間フル出場をしてゴールも決めて、今回も途中出場をしてゴールを決めてと、これからに向けて戸高選手への期待値はすごく高まっていると思います。今後に向けてはいかがでしょうか?
「極端な話、チームが勝てれば点も取れなくて良いです。どうすれば、勝利に近付けるかということがまだ明確になっていないので、みんなで話したり、考えたりしながら、勝ちに近付けるようなことを何か行動に移さなければいけないと思います」
–オフ期間に一度リフレッシュして、オフ明けからまた新たなリーグ戦の試合に向けての準備が始まります。今後についてはいかがでしょうか?
「リーグ戦はまだ半分以上残っているので、先のことはあまり考えずに一戦一戦勝つことだけを考えてプレーしたいと思います」
○FW吉田眞紀人選手
–結果は悔しい敗戦となりましたが、ゴールシーンを振り返ってください。
「ゴールシーンは相手GKの股を抜くことを考えていて、GKが出て来ている中でも冷静に決めることができたなと思います」
–冷静に決めたゴールシーンだったなと思うのですが、いかがですか?
「無我夢中にプレーしていた中でGKも迫っていることが分かっていて、どこかコースを狙っても足に当てて止められてしまうなと思ったので、股を抜く決断をしました」
–前半は相手に押し込まれる時間が続き、前線の選手としてはチャンスを待つような状況でした。どんなことを考えてプレーしていましたか?
「相手に流れを取られていて、なかなかチャンスがなかったので、我慢の時間帯だと思いながらプレーしていました。ただあれだけ失点が増えると展開上難しいですね」
–次節の山形戦は第1クール最後の試合となります。
「連敗をしてはいけないと思うので、チーム一丸となって戦いたいと思います」
○FW中村祐也選手
–今季リーグ戦初出場。けがからの復帰戦となりました。振り返っていかがですか?
「多くのサポーターの方々が良い雰囲気を作ってくれて、サポーターの方々の大きな拍手も聞こえてきました。こういう復帰戦を迎えられてうれしいです」
–ピッチに入る前はどんなことをイメージしながら入りましたか?
「中盤でボールを受けることや背後でボールを受けることを考えながら試合には入りました。ただ良い状態でボールを受けることがなかなかできなかったので、そういう場面を多く作れればもっとチャンスを作れたと思います。なかなか押し込むことができなかったので、厚みのある攻撃ができませんでした」
–この復帰戦を一つのきっかけにしたいところだと思います。今後に向けて、いかがですか?
「少ない出場時間でもチームの力になれるようにやっていきたいです。点を取ってチームに貢献したいと思うので、応援をよろしくお願いします」
以上