○試合後の記者会見:ランコ・ポポヴィッチ監督
–試合の感想をお願いします。
 「本当にクオリティの高い試合でした。前節の長崎戦も内容・結果ともに良かったのですが、それを継続できたことに価値があります。この試合、決してHonda FCも内容が悪かったわけではありません。試合開始早々から積極的にプレッシャーをかけ、一進一退の攻防となりました。特に前半の中盤から終盤にかけて、Hondaの方が主導権を握る時間帯もありましたが、それでも相手にビッグチャンスを作らせることはありませんでした。相手の流れの時に、しっかりと我慢することができたことにも価値があると思います。ボールをキープできなかったり、パスコースを作ることができなかったことが相手に主導権を渡してしまった要因だったのですが、その部分については、ハーフタイムにしっかりと指示を与えました。前半は、カツ(FW勝又慶典)が、上手く試合の流れに入ることが出来なかったのですが、後半はしっかりと修正してプレーしてくれましたし、彼のクオリティの高さを発揮してくれたと思います。ハイレベルな戦いでしたが、試合中にナーバスになることもなく、ボールを動かしながら、自分たちのスタイルを貫くことができたことは大きな自信となりますし、トレーニングでやっていることを試合でもできればどんな相手でも問題ないということを証明できたと思います。選手たちは、自分たちの最大限の力をチームのために発揮することがもっとも重要ですし、チームの質を高めるために、どれだけ貢献できたかということが選手の評価になると思っています。
 私は、日頃、選手には厳しく接しています。常に満足することなく、選手のポテンシャルをさらに発揮させるため、厳しい言葉も投げかけています。でも、この試合は本当に素晴らしい頑張りを見せてくれたので、選手には試合後に「素晴らしい試合だった」と伝えました。戦っている選手たちが楽しかったのですから、きっと観客の皆さんにも楽しんでいただけと思います。特に、私たちゼルビアのファン・サポーターは、町田から遠い距離を移動していただき、アウェイをホームのような雰囲気に変えてくださいました。この勝利は、私たちからファン・サポーターの方々へのプレゼントです。選手たちは皆さんの声援に背中を押されたと思いますし、それが結果にも繋がったと思います。現在はクラブにとっても重要な時期にさしかかっています。クラブ、チーム、サポーターが一つになって、行動をしていかなければなりません。選手たちも、そのことを感じていたからこそ、皆さんの声援に発奮して、素晴らしい力を発揮してくれたのだと思います。私たちのサポーターはJFLでもイチバンのサポーターだと思っています。そのイチバンのサポーターに、JFLでもイチバン魅力的なサッカーをこれからもプレゼントして行きたいと思っています。選手たちにはハードワークを課してきましたが、これからも、まだまだやるべきことは残っています。今後も攻撃的で魅力的なサッカーを貫いていくためには、毎日の積み重ねが必要です。選手たちには、サッカーを楽しんで、トレーニングに励んで欲しいと思います。私は、特定の選手を評価するのは好みませんが、この試合では小川巧と北井佑季はチームに大きく貢献してくれました。ただ、これを継続できなければなんの意味もありません。彼らはもっとレベルの高い一流選手になりたければ、現状に満足せずに努力しなければなりません」
–試合終盤まで体力が落ちずに相手を圧倒できたことは、体力で勝っているからなのか、それとも効率的だからなのか?
 「Hondaは、前半は激しいボディコンタクトも厭わない本当に激しいプレーをして来ました。これまで、私たちはそうした激しいプレーをしてくるチームを苦手として来ました。でも、シーズンが進むに連れて、そうした相手にも慣れ、しっかりと自分たちのプレーできるよう成長してきました。そこは、まさに成長した部分だと思います。そして、Hondaは、このハイペースを最後まで維持できるわけがないということはわかっていました。後半は必ず体力が落ちると確信していました。私たちは、フィジカルの部分でも、しっかりと準備して来ているので、自信がありました。フィジカルコンディションが落ちると、考えるスピードも失われます。言うまでもなく、フィジカルコンディションは、本当に大切なものですし、相手を圧倒できるのはフィジカルの面で相手よりも勝っているということも理由の一つに上げられると思います。ただ、私たちが、これまで取り組んで来たもっとも大切なテーマは「連動すること」です。ボールホルダーに対して、常に2つ3つ選択肢があるように周りがサポートするということは、トレーニングからいつもやっていますし、そうすることによって一人ひとりの体力の消耗を減らす「省エネ」にもつながっているのだと思います。選手には、トレーニングから、常に頭を使うことを求めています。常に頭を使って連動しながらボールを動かすことで、相手のフィジカルだけではなく、メンタルの部分を疲労させることを心がけています。忘れてはいけないことは、サッカーは「頭」でするスポーツだということです」
以上
▽選手コメント
○MF小川巧選手
 「試合の入り方が良く、前半から良い流れの中でプレーできていた。北井がドリブルで高い位置でタメを作ることで、たくさんの人数が攻撃参加できるようになった。前半は得点こそ奪えなかったけれど、このサッカーを続けていけば、いずれ先制点が奪えると思っていた。Hondaも、やはり素晴らしく、徐々にゼルビアのやり方に慣れ始め、逆にチャンスを作られる時間帯もあったが、DF陣が中心となりながら、チーム全体が集中して守ることで、失点を防ぐことができた。序盤から攻めながらも得点が奪えず、逆に相手に押し込まれる時間帯は本当に辛かったが、それを守りきったことで、後半の先制点に繋がったのだと思う。ここ最近の試合では、自分のポジションが低すぎることが多くあった。それでは、厚みのある攻撃できないので、ポポヴィッチ監督や一緒に中盤を組むヤナギさん(柳崎)とも相談しながら、自分のポジションがさらに前に行けるように修正を加えていた。その結果、今日を含めた最近の試合では、前線の高い位置でボールを受けて、攻撃の起点となる場面が増えて来ている。得点の場面では、最初に考えていた選択肢があったのだが、自分でコントロールミスしてしまい、パスコースが消えてしまっていた。すかさず、ディミッチがパスコースを新たに作り出してくれたので、パス交換で相手DF陣の背後に飛び出すことにした。ディミッチのパスが素晴らしく、最後は自分はゴールに押し込むだけだった」
以上
*公式携帯サイト「ゼルビアモバイル」では、藤田泰成選手のコメント、太田康介選手、斎藤広野選手のムービーも配信予定です