○試合後の記者会見:黒田剛監督

–まずは試合の総括をお願いいたします。
「首位争いをしている柏さんは攻守両面で成果を出しているチームですから、我々としてはチャレンジャー精神を持って試合に入りました。今までよりも強度を発揮し、プレスも強気でインテンシティーや攻守の切り替えも100%で取り組むことを練習から要求しながら今日の試合に臨ませました。その中で選手たちは昨季まで実践できていた町田の良さを全面に押し出してくれました。雨が降っていたピッチ状況が功を奏した部分があったかもしれませんが、終始柏さんに対してプレスを掛け続け、セカンドボールも回収し、大胆にゴール前へボールを入れていくことをやり通せた試合内容になりました。2-0で後半へ折り返す展開だとどうかな…という中で、PKで決めた3点目が我々にとっての大きなアドバンテージになりました。ホームはもちろん、アウェイでもすっきりと勝ち点3を取る状況をお見せできなかったことにふがいなさと申し訳なさを感じていた時期を迎えていました。今日の結果でのファン・サポーターの皆様の笑顔や応援歌を聴いて心を打たれました。ホームの試合で何度でも勝利の喜びの歌を聴きたいですし、皆様に歌ってほしいです。今日のサッカーが町田のサッカーであることを自覚しながら、日々の練習を積み重ねて、次の試合に向けての準備をしていきたいと思います。我々が目指すクリーンシートを貫き通せたこと、そこにたどり着くまでにすごく時間も掛かりましたが、選手一丸となって戦ってくれました」
–エンドを入れ替えて試合をスタートしました。その意図は?
「我々のベンチから見て右側に水溜りができていたことで相手は最終ラインからのビルドアップをしづらい状況であるだろうと思っていました。またオ セフンの周りでセカンドボールを回収する上で優位な状況に立つためにも、それほど水が溜まっていないサイドでオ セフンがプレーできる状況を作り出したいという意図がありました。その中で畳み掛けていこうというプランもありましたし、あとはコイントスでエンドを選ぶ権利を得られるか。(昌子)源がその権利を得られるかは賭けではありました」
–リーグ戦では9試合ぶりの無失点試合です。最後まで守りきった守備陣の評価は?
「終盤に足が止まる時間帯はありましたが、皆で声を掛け合いながらやれていました。これまでは相手にボールを奪われて攻め込まれる形や不用意なプレーで相手にボールを渡して失点をすることがありましたが、その時間帯でやるべきプレーや判断を何度も共有しながら試合に入っていたため、後半の20分までに無失点で行ければ、クリーンシートで終えられるなと思っていました。あとは選手交代をしながら、もう一段階パワーを掛けていこうという中で無失点に抑えることができたと思います」
–本来の町田の良さが発揮されていた印象です。
「前節の清水戦もそうでしたが、仙頭啓矢がオ セフンの後ろでセカンドボールを積極的に回収し、前に出て行く仕事ができていました。また仙頭にとって柏は古巣ですから「絶対に負けたくない」という気持ちが魂となってプレーに乗り移ると思っていました。そういった計算をしていた中で本人の目つきも違いました。またセカンドボールの回収率が高い前(寛之)と組ませることでセカンドボールをかなり回収できるのではないかと思っていました。今まで以上にシャドーやボランチの距離感、またオ セフンの周辺を充実させながらウイングバックがかなり高い位置を取ることでどんどん勝負ができる状況を作り出せています。今日の林幸多郎のゴールのように、ウイングバックのポジションでかなりチャンスができているので、それが我々の1つの形として結果が出るようになってきたのは昨季にはなかった進歩です。そこに精度を加えながら、相手にとって脅威を植えつけることが目指すことでもあります。そういう意味では良かったです」
–特に前半は相手が水溜まりのある側のエンドでプレーしていました。その中で相手へのプレスの掛け方で意識させたことは?
「ボールが止まることやスリップすることも想定し、何が起こるか分からないため、何かが起きてからでは遅いと、信じて繰り返しプレスを掛け続けることを徹底しました。また自分の背後にボールが入ったら、100%の力で戻ることで守備の陣形を整えて、もう一度プレスを掛けて行くことも徹底しました。以前の試合であれば、終盤の時間帯は前に残ってしまう選手もいましたが、そういう選手もおらず、90分間やり続けようと、チーム全体でプレスを掛ける状況を作ってくれました。セカンドボールもかなり回収できましたし、狙った形をかなり表現できたと思います」
以上
○柏レイソル:リカルド ロドリゲス監督 会見要旨
「まずはこの場を借りて町田を称えたいと思います。彼らはキックオフから良いプレーをしていました。そして決定力の高さを試合の立ち上がりで証明したと思います。2−0の状況になったところで、我々も交代カードを切り、どうにか得点を目指していきましたが、前半終了間際に3失点目を喫したことによって、試合をさらに難しくしてしまいました。交代カードを切りつつ、後半は我々もより良いプレーを目指し、決定的なチャンスをいくつか作れていたと思います。しかしゴールネットを揺らすことができず、残念な敗戦にはなりましたが、選手たちはしっかりとやるべきことをやろうと最善の努力をしてくれました」
以上
▽選手コメント
○林幸多郎選手

–先制点だけではなく、2点目に繋がるオウンゴールを誘発した場面も素晴らしかったです。
「(ナ)サンホさんとうまくローテーションしながら仕掛けた結果、抜け出せたことが大きかったです。クロスに関しては、相手DFとGKの間に事故が起きるようなボールを入れた結果です」
–ゴールを決めた後はすごい勢いでゴール裏の方向へ行きました。
「ホームでファン・サポーターの皆様と喜びたいなとゴール裏の方向に行きました。自然と体が動きました」
–これだけ攻守が噛み合った試合ができたことで浮上のきっかけにはなりそうですか?
「ハードワークをして、皆でひたむきに戦えば勝てる試合が増えると思います。そういう試合をできるようにしていきたいです」
○沼田駿也選手

–69分からの途中出場は、J1では1試合の中の最長のプレータイムでした。
「出場できた試合では自分の価値を示していかないとプレータイムは伸びていかないです。今はチームとしてやるべき基準を出せていることでプレータイムも伸びていると思います。その点は自信を持っても良いですが、もう少し結果に繋がるプレーをしなければなりません」
–コーチングスタッフからの指示は?
「まずは3-0で勝っている状況で押し込まれる展開が続いていたので、守備の部分を徹底してほしいということ。また自分の持ち味を活かしながら、相手を引っ張り出すような状況を作るように、という指示を受けました」
–見せ場は終盤に左サイドをドリブルで打開した場面でしょうか。
「そうですね。守備に回る時間帯が多かった中で僕のように途中から出た選手が、もっとボールを奪いに行く守備ができれば良かったです。ただあの時間帯に自分の特長を少し発揮できたことは、1つのポジティブな要素だと思います」
以上