○試合後の記者会見:黒田剛監督
–まずは試合の総括をお願いいたします。
「ガンバさんが大幅に陣容を代えてきましたが、我々もここまで悪い試合をしていなかったので、そういった変化にあまり我々の気が向くことなく、しっかりと自分たちをマネジメントしていこうという話をしていました。たとえ相手にボールを持たれたとしても、しっかりと身を挺して守り、チャンスに繋げていくという町田らしいサッカーを選手たちが終始実践してくれたと思っています。前半のFKはとても難しいシュートでしたが、相馬(勇紀)が良く決めてくれました。またラスト10分はしっかりとセンターバックを中心に身を挺してしのいでくれたことは、我々が掲げる勝利の方程式にハメ込んだメンタリティーを選手たちが発揮してくれた成果です。後半は幾度となくカウンターからチャンスはあった中で、2点目や3点目を取れれば、もっと早い段階で勝利を確立できたと思います。ただそれは今後の課題となりました。前節は勝ち点1でしたが、今節は勝ち点3を取って帰れることは大きいです。次節は中3日で迎えるタフな試合となりますが、しっかりとコンディションを整えて、ホームゲームでファン・サポーターの皆さんに勝利をプレゼントできるように、しっかりとチームをマネジメントしていきたいと思います。最後に今日は平日にもかかわらず、約300人のファン・サポーターの方々がアウェイの地まで足を運び、終始われわれに力強い声援を送ってくれたことに感謝すると共に、次はホーム天空の城野津田で、大勢のファン・サポーターの前でしっかりと勝ち点3をプレゼントできるように準備していきます」
–前半は相手の陣容が代わっていた影響もあったのか、危ない位置に入られるシーンもありましたが、後半は修正されていたような印象です。ハーフタイムにはどういった指示をされたのでしょうか。
「バイタルエリアに有効なボールを配球されると、そこから反転されて、コンビネーションプレーを発揮されてしまうため、中央をしっかりと絞めることと、あまりボールを入れさせないことや、入ってきたボールに対して、局面で自由を奪うことを徹底するのはゴール前ではやらなければならないこととして強調しました。後半に向けては、その点の修正を図りました。あとは相手が終始カウンターを狙っていましたし、3バックの脇や背後は、何度も何度も狙ってきていた中で、そこに対するチャレンジャー&カバーもできていました。また岡村(大八)が中心となって、(イッサム・)ジェバリ選手のところでボールを収めさせないことも、しっかりとやってくれました」
–後半の終盤は相手に攻め込まれた中で3バックのチャレンジ&カバーが光りました。
「相手が2トップで来る中で3バックならば1枚は余る形ですし、チャレンジ&カバーを明確にしました。ウイングバックを含めたスライドも、どんなに疲弊をしてもやりきることを徹底し、勝っているゲームだからこそ、明確にサボらずにやっていくことを強調しました。最後の場面でも必ず止めるというそういった意思をずっと持ち続けること。あとは交代メンバーを含めて、できるだけ陣形をコンパクトにすること、またゴール前に配球される回数を減らすことも含めて、後半も選手たちは良くやってくれました」
–攻撃力のあるガンバさんに対してクリーンシートで終えることができました。3バックの連係面などが向上している印象です。
「1本同じボールに対して、2人で行ってしまい、ちょっと入れ替われそうなシーンも前半は見受けられました。そのあたりのコミュニケーションはもっと明確にする必要があります。ただ背後のケアも終始できていましたし、安定した守備をしてくれたとは思っています。相手で怖かった点は配球力の高さと、ゴール前でのコンビネーションでした。できるだけその本数を減らすことは、3バックが中心になってやってくれました」
–3バックの人選に関して、菊池流帆選手ではなく、ドレシェヴィッチ選手を起用しました。その意図と成果を聞かせて下さい。
「ドレシェヴィッチが出ていた過去2試合はクリーンシートで終わっていましたし、最終ラインでしっかりとタメを作りながら、配球力の高いドレシェヴィッチを使うことで我々がビルドアップをする上で、彼が重要な存在になるかなという判断です。確かに菊池流帆という選択もありましたし、流帆がいることによって、前節の福岡戦のように、他の選手がフリーになる状況も作れるため、難しい選択でしたが、今は誰を使っててもやることをやってくれるという確信を元に、前節は先発ではなかったドレシェヴィッチを起用し、それまでのクリーンシートというイメージをもう一度取り戻すという意味で彼を使いました。やはりドレシェヴィッチは後ろで時間を作れますし、配球する力がある中で、最近はだいぶ人に対しても強く行けるようになってきています。そして今日はマッチアップしたジェバリ選手は、7年ほど前にスウェーデンで一緒にプレーしていたという背景もあり、お互いに闘志むき出しでのバトルがある中で、パフォーマンスとしても良かったと思います」
–相馬選手の直接FKの場面で、ガンバさんの壁の前に3選手が立って、相馬選手が蹴る瞬間に割れるような形になったことは、1つのポイントだったと思います。事前に準備されていたのでしょうか。
「相手にとって守りにくい壁、または配置、あとはゴール前のGKに入ってくる目線や視野にどの角度で選手たちが入って行くかも含めて、あらゆるプレッシャーを掛けて行くという練習までしっかりやった成果です。キッカーに関しては、相馬が蹴るか。下田が蹴るか。それは彼らが決めたことですが、相馬が良く決めてくれました」
以上
○ガンバ大阪:ダニエル ポヤトス監督 会見要旨
「この敗戦はとても悔しく、残念に思っていますが、選手たちは良い試合を自分自身はしてくれたと思っています。前半の15分ぐらいまでは、相手にセカンドボールを拾われる状況を作られましたが、15分以降は自分たちの流れに持っていき、チャンスも作れました。ただ失点シーンに関しては、とても悔しく思っています。相手が町田さんだったために、快適なプレーをできない時もありましたが、選手たちはしっかりと戦ってくれました」
以上
▽選手コメント
○ドレシェヴィッチ選手

–2試合ぶりの先発出場でした。ご自身のプレーを振り返って。
「全員が守備でしっかりと頑張りました。みんなで勝ち取った勝利だと思います。個人どうこうよりも、1点を取った上でクリーンシートで終えられたことは、チームとしてすごく機能していた証です」
–決勝点は相馬勇紀選手の直接FKでしたが、そのFKを獲得するまでの展開の起点は、ドレシェヴィッチ選手からのロングボールでした。
「練習でやっている形ですし、それが発揮された格好です。ああいったパスを出せば有効だろうと判断したため、(オ・)セフンにボールを出しました」
–今日の試合は地上戦とロングボールの使い分けが絶妙だったのでは。
「どちらか一辺倒だと読まれますから。2つの選択肢を持っているのは良いことだと思いますし、2つのやり方を使って攻めることができます。今日はそれを実践することができました」
○下田北斗選手

–相馬勇紀選手が直接FKを決めて、勝ちきりました。試合を通しての手ごたえは?
「前半の前半はチャンスを作れましたが、前半の途中から自分たちにとって、相手が嫌なポジションを取ってきました。その後は後半も含めて押し込まれるシーンも増えた中で、連戦でもあることを考えると、ずっと守るような展開はしんどくなってきますから、自分たちが主体的に試合を動かせるようにするなど、試合を通して改善の余地はあると思います」
–下田選手個人として、攻撃面で意識していたことは?
「背後への展開がなくなってくると、良い流れが出ないことは前節の福岡戦を映像で見て感じたことです。僕たちは背後を使うことで良さが出るチームなので、ボールを失うことはあるかもしれませんが、背後を使うことでロングスローも取れますし、意識的に背後を使うようにはしていました」
以上