○試合後の記者会見:黒田剛監督
 
 –まずは試合の総括をお願いいたします。
 「昨季の新潟さんに対しては、(ルヴァンカッププライムステージ準々決勝第1戦の0-5という)屈辱的な試合もありましたから、不得手としている新潟戦に懸ける気持ちを出していこうというのは、選手の中での共通の合言葉でもありました。その中で選手たちは強い気持ちを持って試合に臨むことができました。新潟さんが立ち上がりから3バックで来ることも想定しながら練習もしてきましたし、4バックに切り替えてきた中でも対応できるように練習してきたことで慌てずに戦うことができました。それによってまた、自分たちのリズムで戦えました。ミラーゲームになった前半は対峙した選手に対して、絶対に負けないこと、新潟さんが意図するサッカーをさせてしまうと我々の良さも出ないですし、相手の意図するサッカーをさせなかったことが1-0で後半に折り返せることに繋がりました。あと2・3点目を取るチャンスがあったので、今後はチャンスでもっと点が取れるようにすることを1つの課題として練習の中で落とし込んでいければと思います。後半は新潟さんが慣れ親しんだ4バックに戻してきた中で、我々が練習してきた相手をハメ込む状況を作りました。それほど相手にビッグチャンスを作られることなく、昌子源を中心に体を張って守備をしてくれた成果が、最も理想とする1-0というスコアで勝ちきることに繋がりました。クリーンシートで終えられたことは、我々の勝利の方程式の観点から言うと最高の結果です。この状況を次節の福岡戦でも反映させていければと思っています。ホームで多くの観衆の方々に集まっていただいた中でこうしてホーム初勝利を届けられたことをうれしく思っています。雨の中、声を出し続けてくれたファン・サポーターの皆様に感謝したいです。ありがとうございました」
 
–クロスからの得点の手ごたえに関してはいかがでしょうか。
 「中央は固められることはあったとしても、ポケットをしっかりと攻略した中で、相馬(勇紀)がしっかりと縦勝負をしてくれた成果です。中にも行けるし、外にも行けるという強みが得点のような形を生み出します。またゴールシーンは西村(拓真)がゴール前に入り込むことが得点パターンとして確立されている証です。良いタイミングでの得点でしたが、欲を言えば、その前にGKとの1対1のチャンスがあったわけですから、それも決めて、完全なるストライカーになってほしいですね」
 
–先月のバレンタインデーでは選手たちにマスコットのゼルビーを模したクッキーをプレゼントされたと聞きました。その中で1日遅れのホワイトデーとなりましたが、勝利をプレゼントされたことに対する心境はいかがでしょうか?
 「私が作ったわけではないですが、選手たちには背番号と名前が入ったクッキーをプレゼントしました。もちろん藤田晋社長にもプレゼントしましたし、なにはともあれ、勝ち点3をプレゼントしてくれたことがうれしいです。また我々が掲げている1ターム(6試合)で勝点11を取っていくことを今日の勝利によって、貯金1で達成できたのがチームにとって大きいことです。次の福岡戦に向けて良い状況を呼び込めたと思いますし、良いホワイトデーのプレゼントになりました」
 
–3連勝の内、2試合は無失点です。守備の評価はいかがでしょうか?
 「開幕節からやれたりやれなかったり、やったりやらなかったり、まだまだ最終ラインとしては我々のコンセプトがあちらこちらに浸透していない状況が見受けられました。映像でのミーティングや練習を通じて、選手たちにコンセプトを浸透させてきた中で、敗戦を喫した東京V戦は最終ラインが引いてしまったことで全体が間延びし、背後を狙われるあまり、ラインを上げきれなかったことに対する選手たちの反省が今回の3連勝に表れています。自分たちの強みを自覚できていることが選手たちの自信に繋がっています。全体の守備やクロスの守備は少しずつ良くなっていますし、それが結果という形に繋がれば、やっていることが正解なんだと、選手たちも自覚できると思います。クリーンシート勝利はやはり格別です」
 
–決勝点を奪った西村拓真選手のここまでの変化は?
 「常にゴールを狙っている嗅覚や感覚は目を見張るものがあります。オ セフンが厳しいマークにあうと、西村が必然的にフリーになっています。そういう意味ではセフンを利用しながら彼が活きる形は、相手にとっても嫌でしょうから、シャドーストライカーの形で配置していることは、今の町田にとっては効果的な起用法だと思います」
 
以上
 
○アルビレックス新潟:樹森大介監督 会見要旨
 「システムを変えて戦っていた中で前半は無失点で試合を進めなければならないゲームプランでしたが、前半のうちに失点をしてしまったために、後半からは最終ラインの中央の枚数を減らし、いつもの形に戻して戦いました。前半も決して悪かったわけではないですが、攻撃面でちょっとリズムを作れませんでした。後半はいつもの形で攻撃のテンポもリズムも悪くはなかったですが、粘り強い町田さんの守備のストングポイントを崩せずに悔しい結果となりました」
 
以上
▽選手コメント
 ○西村拓真選手
 
 –素晴らしい決勝点でした。ゴールシーンを振り返って下さい。
 「(相馬)勇紀が良い形でクロスを上げてくれたので、当てて入れるだけでした」
 
–チャンスがあった中でも1点を取るまで時間が掛かった印象です。
 「チャンスを決められなかったとしても、仮にミスがあったとしても、やり続けられないような選手ではなく、これからも前向きに取り組める選手でいたいです」
 
–オ セフン選手との関わり方も試合をこなすたびに良くなっているのでは。
 「試合をやるたびにコンビネーションが良くなっているという手ごたえはあります。ただもっとできることはあると思っていますし、もっと相手にとって、脅威となる状況を作れると思っています」
 
○オ セフン選手
 
 –相手とのエアバトルを制することができていたのでは。
 「相手選手も僕を上回ってやろうという気持ちで向かってきましたし、お互いのストロングポイントがぶつかるような試合になりました。自分の特長を出そうと努力している中で、相手とのエアバトルを制する展開に持ち込むことができました」
 
–相手ゴールに迫るクロスバー直撃のヘディングシュートもありました。
 「ゴールを決めることができれば、今日の試合は完璧だったと言えたかもしれません」
 
–先制点に繋がるポストプレーもありました。地上のボールに対してのポストワークの手ごたえは?
 「全てを収めることができたわけではないので、もっと突き詰めて精度を上げていきたいです。先制点に繋がった場面はシュートを狙ったのですが、角度が難しかったので、打つのをやめて、事前に確認はできていなかった中でも、相馬だったらここにいるだろうなという感覚でパスを出しました。最終的にチームのゴールという結果に繋がってうれしいです」
 
–韓国代表に合流する上で良い弾みになったのでは。
 「今日の試合で得た感覚を韓国代表に持って行き、自分のプレーを表現することで韓国代表の結果にも貢献できると思っています」
 
以上