○試合後の記者会見:黒田剛監督

–まずは試合の総括をお願いいたします。
「クラブにとっても、私にとっても、ルヴァンカップは初めてでした。私もこういったカップ戦は経験していたのですが、今日は出場機会の少ない選手がメインで出場しました。ギラギラした目つきをしていましたし、この試合に懸ける意気込みがお互いに感じられたスタートになったかなという印象を受けています。前半はセットプレーを中心にチャンスはありましたが、シュートがなかなか枠を捉えることができなかったため、シュートのクオリティーに関しては、後半にしっかりと修正するように選手たちには伝えて後半に入りました。前半を0-0で折り返しはしましたが、まずはブレないこと。焦れないこと。そしてやるべきことをしっかりと徹底すること。それによって、少しずつ相手の足も止まってくるだろうと、必ず隙はできるので、そこは狙い続けようと選手たちを送り出しました。(ミッチェル)デュークが起点となり、(バスケス)バイロンのゴールが生まれ、その後一瞬の隙を突かれたというか、失点シーンに関してはシュートブロックが一歩遅れ、コースを空けてしまったというふうに私のサイドからは映りました。ただ1-1にはなりましたが、その展開からもう一回ギアを入れ直しました。クオリティーの高い安井(拓也)を投入し、バイタルエリア付近でのボール支配とそこでのイマジネーションをしっかりと発揮しながら、常にゴールと仲間との関係性の繋がりを意識して、バイタルエリアを攻略してほしいと本人に伝えました。その結果、あのようなミドルシュートで2点目を決めてくれました。そういう意味では良い時間帯に安井を投入することができたなという印象です。ルヴァンカップは3回戦に進出することができました。今後もリーグ戦とカップ戦共にしっかりと一戦、一戦に集中して、まずは今日の勝利を次のFC東京とのアウェイゲームに向けて、良い形でマネジメントできるように、より一層の強化を図っていきたいと思います」
–国立での神戸戦から北九州での試合、そしてまた週末にはFC東京とのリーグ戦が控えています。この日程でどんなことを意識されてチームマネジメントをしていくのでしょうか。
「疲労度としてはどのチームも同じだと思いますが、選手層が厚く、経験値の高い選手がサブにいるかどうか。このルヴァンカップは総力戦のような構図が含まれていると思います。我々もJ1クラブとして、J1にいることに意義があるのではないということを選手たちに伝えていましたし、運動量や球際、クオリティーと全てで相手を上回ることにより、J1としての意義を果たすことになります。それができることで初めてJ1としての価値があるんだということを選手たちにも伝えて送り出しました。選手たちはそこを意気に感じてプレーしてくれました。また週末のアウェイでのFC東京戦に向けて誰が先発で出場し、サブに入るのか。メンバー編成に関しては今日の試合の評価の中で精査し、次のFC東京戦で起用する選手を決めていくということも、選手たちには伝えていました。そういった意味では90分間途切れることなく、タイトに戦ってくれたと思っています」
–今日の試合の中で出た現象が週末のFC東京戦に繋がっていきそうなものはありましたか。
「FC東京さんもどちらか言うとカウンター志向のチームだと思いますし、今日の北九州さんは比較的セットプレー崩れの展開やボールを奪ってから前線に素早くボールを運ぶ形は相手もかなり意図してやっていたと思いますが、そうした相手の出方は我々も十分に認識した中で対応はできていたかなと思います。FC東京戦は多少メンバーも代わってくると思いますが、今日の試合を教訓にしながら、また改めてそのあたりのことを強化しながら、次の試合に繋げていきたいと思います。試合の中で学習し、反省材料を洗い出して次の試合に繋げるというスタンスは変わりません。今日の試合を見ていた他の選手たちもいるので、全員で考察し、次のゲームに繋げていければと思います」
–試合前に「J1クラブとして、相手を圧倒できる圧力を出していきたい」というお話をされていました。そういう尺度で見た場合、黒田監督の求める水準はどの程度できたのでしょうか。
「今季のチームとしては、J2やJ3のチームと対戦するのも初めてですし、いろいろな部分で自分自身もどれほどの差があるのかということを見たいと思いながらベンチに入っていました。これからは今日のゲームが自分自身の物差しの1つになり、これを基準にしながら出来、不出来を精査していきたいと思っています。今日に関しては、自分たちの納得感、あるいは達成感がどれほどあるのかを選手たちへ聞きながら、また我々が見た視点を付け加えて、次なる強化を図っていければと思います。また改めて映像を見ながら局面を分析し、次に繋げていければと思っています」
以上
○ギラヴァンツ北九州:増本浩平監督 会見要旨
「連戦の中での試合だったため、なるべくフレッシュな選手を起用し、町田さんに挑みました。町田さんがどういうメンバーで来るのかは分からなかったのですが、おおむねやってくることは変わらないだろうと、中2日という短い準備期間を経て、良い状態でゲームに臨むことができましたし、実際に良いゲームをしたと思っています。ただ勝っていないため、本当に悔しいですし、サポーターの皆様があれだけ僕たちを後押ししてくれたのに、最後に悔しい想いで帰っていただくことになったのは、本当に申し訳なく思っています」
以上
▽選手コメント
○望月ヘンリー海輝選手

–プロ初先発の試合となりました。緊張感はいかがでしたか。
「良い意味での緊張感はありました。リーグ戦ではG大阪戦や神戸戦で途中出場していて、その時は緊張していたのですが、周りの先輩やコーチングスタッフの方にアドバイスを聞いたかいもあり、競り合いやロングスローなど自分のやるべきことに集中することで緊張感を忘れてプレーに集中することができました」
–90分フル出場でした。100点満点中、自分のプレーの自己採点はいかがでしょうか。
「体力的に厳しい中でもやり続けないといけませんし、弱さを見せてしまうことがありました。弱さを見せてしまったことは改善していきたいです。前半は何回か良い面を見せることもできましたし、65点ぐらいでしょうか」
○髙橋大悟選手

–今季公式戦初先発で90分フル出場でした。自分のプレーを振り返っていかがでしょうか。
「チームとしてのやり方がある中で、一クセ、二クセ違った味を出していかないといけません。今日のようにボールを持つ時間が増えるような展開の時には、特に僕みたいなタイプの選手が変化を加えていかないと、チームの結果には繋がらないと思うので、そういった意味での反省点が残っています」
–ウォーミングアップの際、サポーターの皆様は髙橋大悟選手のチャントから選手の応援をスタートしていました。
「もちろん気づいていました。古巣の北九州が相手でしたが、町田を勝たせようという一心で準備している中でとてもうれしかったです。練習場やスタジアムでお会いした町田のサポーターの皆様には「待っているよ」と言われていました。ありがたいなという気持ちが強いですし、まだまだ頑張らないといけないという気持ちにもなりました。ただ見ている方々をアッと言わせるようなプレーをもっとしないと。まだまだできる。そう思っています」
以上