○試合後の記者会見:黒田剛監督

–まずは試合の総括をお願いいたします。
「今日は多少気温が上がり、体力の消耗もある中で選手たちが良く前・後半ともに頑張ってくれました。前半はエリキやミッチェル デュークが奮闘した中で、良い形からゴールを奪えたことが町田のサッカーや勝利の方程式を築いていくためにも有効になりました。そういう意味で前半はパーフェクトな45分だったなと思っています。後半に入ってからは1-0を維持しながら同点にされないサッカーをしようという中で頻繁に長いボールが飛び交う展開になりました。終盤は藤原優大を入れて、5バックに変更し、後ろを1枚余らせるようなシフトを組みました。中盤のボールロストからPKを与えてしまった場面に関しては、まだまだ甘いなと思う部分もあります。ただポープ ウィリアムがPKを止めてくれたことで幸運な部分もありましたし、彼の活躍を褒めてあげたいと思います。最後は途中出場の5選手全てがボールに寄せて、相手のフィードに体を張り、時間を使いながら1-0で勝ちきろうというような町田のサッカーを志向してくれました。その結果、勝ち点3をアウェイの地から持ち帰られることが何よりもうれしいですし、3連戦のうち、まず2連勝を飾れたことも喜ばしいです。またここ5試合は失点が続いていたので、何としても無失点で終えようということをやり遂げてくれました。選手たちの頑張りに、称賛を送りたいと思います」
–ポープ ウィリアム選手の活躍が勝利を手繰り寄せるような結果になりました。シーズンここまでの評価はいかがでしょうか。
「ポープ自身の話を聞く限り、昨季は50失点ある中で、自分が反応すらできない、全く守る余地なしというゴールがあった中で、今季は相手に規制を加えながら、シューターに対する圧力の掛け方やポジショニングを整理できたことによって、ポープ自身がボールが飛んでくるところを予測した良いポジションを取れていることに今日のファインセーブも含めて、良い現象として出ているのかなと思います。甲府戦の失点はGKにとって何もできないような失点でしたが、それ以外はしっかりと彼が意図しているところにボールが飛んでくることを見ると、守備陣が体を張ったり、シュートブロックをできていることが昨年に比べて大幅に変わっているのかなと。それによって、ポープ自身の力を引き出している部分もありますし、ノリに乗っている状態を維持できているのかなと思っています」
–リードしている展開でデューク選手とエリキ選手の交代が割と早い時間帯でした。それは勇気のある決断だったのでは。
「出場時間というよりもパフォーマンスを見て判断しました。2人のところから進入される状況を作られると、ボランチ以下、後ろが引きずり出されたり、数的不利の状況が出てきます。そういう状況が次第に増えると、献身的に守備ができる藤尾(翔太)を入れていくほうが有効です。またこの暑い気候の中での3連戦にもなるので、様々な状況を想定して交代を決断しました」
–戦前、甲府戦の反省点を活かすことを1つのポイントに上げていましたが、そのあたりの教訓は活かせたのでしょうか。
「甲府さんに負けた試合では相手が長いボールを多用してきました。その試合を分析してきた中で、大宮さんも甲府さんと似たようなシステムで臨んできたので、相手も入れ替わることや背後を取ってくることをシンプルに狙ってきました。それは予想していた通りですし、そのように選手たちにも話してきたので、チャレンジ&カバーや、しっかりとはね返すこと、オフ・ザ・ボールでのマークの確認など、個人の責任問題の部分もコミュニケーションを取りながら、きちっと対応していこうとも話していました。サイドバックが背後をカバーし、その後ろにもGKがカバーできる状況を作れていました。危ないシーンはそれほどなかったですが、後ろ向きにアンジェロッティにスペースを取られた場面ぐらいでしょうか。その場面は反省点ですが、大宮さんも90分を通じてそこを徹底してくることはさすがだなと思いましたし、我々もディフェンスをやり続けたことで最終的に1点を守り切ることができました。我々にとってはありがたいゲームになりました」
以上
○大宮アルディージャ:相馬直樹監督 会見要旨
「まずは大宮アルディージャのサポーターの方々も、町田から来ていたただいたサポーターの方々も、こうした素晴らしい舞台を作って下さったことに感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。最後まで手に汗握るゲームができたことは、皆様の応援があったからこそです。連戦であり、暑さもある中で、短い準備期間ではあったので、狙いどころにメリハリをつけて戦おうと選手たちを送り出しました。たくさんの準備ができなかったので、多少チグハグな面はありましたが、選手たちはやるべきことに軸足を置いて戦ってくれました。そういった中でちょっとした場面で先に点を取られる形になり、後半は押し込む展開になりましたが追いつけずに、5連敗という形になりました。ただ選手たちは良く戦ってくれましたし、ある程度イメージを共有しながら、ボールを奪いに行くこと、点を取りに行くことを実践してくれました。これを勝利に変えるには足りないことがあるということです。そこから逃げずに次の試合に向けて準備をしていきたいです」
以上
▽選手コメント
○ポープ ウィリアム選手

–PKストップが勝敗を決める大きなポイントになりました。
「自分がPKを与える形になったので自作自演です。自分で招いたことなので、自分で止めたいと思っていましたし、止めることでチームも活気づきます。そうしたギリギリの局面で結果を出せたことはとてもポジティブなことです」
–外から見ているとキッカーとの間合いが合っていたように見えました。
「あの場面は冷静でしたし、最後まで見ようかなと思っている中で一度右を踏んで左に飛ぶことは意図していました。相手がどのコースに蹴りたかったか、それは分からないですが、止めることができたという事実は大きいです。それによってチームも勝つことができたので、言うことはないのかなと思います」
–PKストップもあっただけに最後は何が何でも無失点で勝ち切る意識でしたか?
「相手もシンプルに放り込んできましたし、こういう暑い気象条件の中でも最後はCBの3人がはね返してくれました。またセカンドボールも拾ってくれましたし、チーム全員が1点を守りきるために体を張ってくれました。僕が最後の場面で準備ができているのは、チームのみんなが頑張ってくれている成果であることは間違いないです。チーム全員でつかみ取った勝利なのかなと」
○翁長聖選手

–貴重な決勝点の場面を振り返ってください。
「左サイドから中にボールをつけて出ていく中で、平河(悠)に良いクロスボールを入れられば良かったのですが、クロスをはね返されて、その後はマサさん(奥山政幸)がしっかりとボールを取り返してくれた中でパスが出てきました。あとは落ち着いて流し込むことができました。(反対サイドから右サイドに入っていったことは)あまり深く考えていませんでした。パッと見た時にファーサイドが見えたので、外から巻けば良いなと思っている中で決めることができました」
–終盤は守りきる展開を色濃くしました。
「ベンチから3センターバックにしてはね返そうという意図が伝わってきました。相手もセンターFWとセンターバックを上げてきて、高さを注入してきた中で、もう少し改善すべき点はありましたが、今日は無失点で終えられて良かったです」
以上