○試合後の記者会見:ランコ ポポヴィッチ監督
–まずは試合の総括をお願いいたします。
「メディアの皆さんがどういう印象を受けられたか分かりませんが、私は満足できる試合だったと思います。選手たちは持てる力を発揮してくれましたし、攻守両面で試合を支配するという観点でも良かったと思います。どの相手も水戸さんに対して、試合を支配して進めることは難しいチームだと思っています。彼らの戦い形も影響していますが、水戸さんは同じような質を持った選手や、タイプの似た選手が20人も揃っていますので、素晴らしいチームを作っていると思います。誰が出ても変わらない、さほど穴を感じさせないチームであることも水戸さんの特長です。やはり水戸さんに対して、90分間試合を支配することは難しいです。水戸さんのホームスタジアムではなおさらです。その中でも我々が攻守で大部分を支配することができたと感じています。ただ前半にシュートを決められるシーンがあった中で、決められなかったので、そういった場面で点を決める力を身に付けることが必要です。また5連戦の最後で疲労がなかったとは言えません。ゴールを決められなかったのは、ゴール前での集中力が欠けたのかもしれません。ゴールを決めるには少しの運も必要ですから、そういった意味では運に見放された部分があったかもしれません。攻守においてチームとして戦えたこと、やるべきことを遂行すること。そういったことに関しては良くやってくれたと思っています。選手たちには非常に良く戦ってくれたと言いたいですし、非常に素晴らしいゲームを見せてくれました」
–宇野禅斗選手や岡野洵選手、ポープ ウィリアム選手らフレッシュな選手を先発起用しました。彼らの働きはチームにポジティブなエネルギーをもたらしたのでしょうか。
「フレッシュなエネルギーを与えてくれた部分はありましたが、単純にエネルギーだけではなく、チームに安定感をもたらす意味でも大きな役割を果たしてくれました。攻守において、良い距離感で良いバランスでできましたし、それは彼らが入ったことで十分な効果が生まれたと思います。フレッシュな選手が良い働きをすることで選手層の厚さに繋がっていくでしょうし、誰が出ても変わらないチーム力の質の部分を上げていきたいと思います」
–7試合連続で失点が続いていた中で無失点に抑えました。今日の守備面については、いかがでしょうか。
「なぜゴールを決められていたのか。その原因をハッキリさせないといけないと選手たちと共有してきました。逆になぜ我々は今日無失点で終わることができたのでしょうか。やはり前掛かりになって攻撃に比重を掛け過ぎて守備のことが疎かになってしまうことがありました。またワンウェイになってしまうことで、守備の約束事を少し疎かになっていたため、それは準備期間から確認してきました。その中で我々の方がボールを保持できていましたし、実際に攻撃を仕掛ける回数やゴール前に向かうチャンスは相手よりも多かったと思います。攻撃している中でもボールを失えばすぐに切り替えてボールを奪うこともできていました。我々のストロングポイントはまさにそういったことです。それを再認識、再確認して、この試合に臨みました。ここまで準備してきたことを選手たちは良くやってくれました」
以上
○水戸ホーリーホック:秋葉忠宏監督 会見要旨
「今季初完封ということで、15試合は掛かりましたが、無失点で終われたことはポジティブな結果です。選手たちがサッカーの本質である球際で戦う部分やセカンドボールワーク、1対1も含めて、水戸のDNAと呼べるものを一番苦しい5連戦の5試合目で発揮してくれたことを強く感じられました。ただその一方で攻撃面では全く面白さがなかったです。サッカーの本質の部分は良かったですが、次はサッカーの基礎の部分、止める、蹴るの技術がなければ、慌ててしまいますし、良い判断もできません。選手たちはファイトして戦ってくれましたが、そういった部分を上げていかないと。もっと前へ向かう、ゴールへと向かう、アイディアや技術、特に判断の部分を上げていかないと、必死に守っているだけのチームになってしまいます。いつも言っていることですが、そういったことは一長一短ではうまくならないですし、トレーニングから意識付けてやらないといけません。ボールを持つことを恐れて誰かにパスを付けるような状況が続いていましたから、そうならないように、トレーニングから意識高く、厳しくやっていきたいと思います」
以上
▽選手コメント
○宇野禅斗選手
–待望のプロ初先発となりました。どんな想いで試合に臨みましたか。
「今週の練習から先発で行くようなことは監督からも言われていました。ここ数試合メンバーにも定着していましたし、開幕先発に入るぐらいの気持ちでプロに入ってきたので、そういう意味ではプロの厳しさを感じていました。その中でも「いつかは先発で出るぞ!」という闘志は燃やしていました。やっとチャンスを掴んだという、うれしい気持ちもありましたが、ここで結果を出そうという強い気持ちで臨んでいました」
–今日のプロ初先発を今後にどういった形で繋げていきたいですか。
「チームメートにはすごく良かったと声を掛けてもらいましたが、チームとしては悔しい引き分けという結果に終わってしまったので、まだまだ勝ちに繋がる活躍をしていかないといけません。ただ個人としての自信には繋がるような試合になりました」
○ドゥドゥ選手
–ゴールを決めることをイメージされて試合に入ったと思いますが、コーチングスタッフからはどんな指示があったのでしょうか。
「監督からはできるだけ少ないタッチ数でプレーするようにと言われていました。またチャンスに絡むことも意識していましたが、個人的には決定的なチャンスに絡めなかったことが反省点です。これからプレー時間を増やすことでコンディションも上がるでしょうし、そうなればチャンスに絡むシーンも自然と増えていくと思います」
–点を取ることが一番必要とされる中で、守備に戻る仕事も果たされていました。
「チームの結果が出ていない中で、個人的には守備の部分を改善しないといけないと思っていました。攻撃にもっとエネルギーを割きたかったですが、守備的なタスクをこなすことも重要だろうと、守備の部分も頑張ろうとした結果です」
–連戦が終わりましたが、シーズンはまだ続きます。今後に向けてはいかがでしょうか。
「まずは連戦がタフだったので、チームとしても個人としてもしっかりと休むことです。またしっかりと休んだ後に、チーム状態が良かった時のことを思い出せるようにしていきたいです」
以上