○試合後の記者会見:ランコ ポポヴィッチ監督
–まずは試合の総括をお願い致します。
「試合前から難しい、タフな試合になることは予想していました。開幕からすべてがうまくいくとは思っていませんでした。選手たちに対しても、自分たちの思うようにいかなかったとしても、焦れずに粘り強く戦おうという話はしてきました。相手もしっかりと戦ってきましたが、我々の選手の距離感が良くない時間帯も多かったと思います。またセカンドボールの部分も相手に拾われることが多く、セカンドボールを回収して、二次攻撃に繋げることが我々の良さでもありますが、すべてが思った通りにはいかなかった試合でした。最後の10分間は、高い位置からプレッシャーを掛けて、ボールを素早く動かすことはできていましたが、昨季を通しても、これほどバックパスを選択してしまった試合はなかったと思います。それぐらい前への選択肢があるのにバックパスを選んだことが前への推進力を出せなかったことや、スピード感を出せない原因となりました。もちろん、我々の選手たちは非常に良く戦ってくれました。ただ我々の力を考えると、今日の内容で満足するわけにはいきません。もっと力を持っている選手たちですし、もっと良いものを見せて、良い結果を得なければいけないというのが私の率直な想いです。ただ周りの声は気にせずに、我々のやるべきことに集中して全力を出すことが今後も重要になってくると思います。地に足を着けてこれからも前進していくべきですし、最後の10分で見せたものが我々の真の姿です。それを90分間やり続けるのは難しいことですが、昨季はそれができることを我々は証明し続けてきたわけですから、次の試合に向けてまた良い準備をして、我々の本来の良さを出せるようにしていきたいです」
–悔しい引き分けでしたが、この試合で見えたポジティブな部分はどんなことでしょうか。
「オーガナイズの部分やゲームの流れを読んでプレーの選択をすることなど、ポジティブな部分はありましたが、私が言いたいことは、我々のチームはもっとできるということです。良かった部分は相手の攻撃の芽を早く摘んで相手にゴールに近付かせない守備はできていました。相手にそれほど多くの決定的なチャンスを作らせなかったことは評価できます。ただ我々はもっとできると思っているので、今日の内容で満足できるかと言えば、決してそうではありません。全体が連動して、集団で戦うプレーも、我々であればもっと高いレベルでこなせると思っています。途中から入った選手たちも勝つために最後まで攻撃的な、点を取りに行く姿勢を見せてくれました。ここで1本、質の高いパスを出せれば、という場面や、少しのパスのズレがあったり、バックパスを判断してしまうことで、なかなか攻撃が噛み合わない部分もありました。もっと相手のゴールに向かっていくことを優先していく整理をして、次の試合に臨むことで我々の攻撃の怖さは増すと思います。決して全てが満足しているとは言えない試合ですが、少しの勇気が必要だったこと。そして勇気が足りなかったことが得点に繋がらなかった原因だと思っています。我々はもっと成長をして、目標を達成するために、決して満足せずに上を向いてやっていこうと思えば、今日の内容では満足してはいけません。次の試合でしっかりと成長した姿を見せたいと思います。良い部分があったとはいえ、この試合で満足していると言ってしまえば、我々のスタンダードが低くなってしまいますから」
–今日のメンバーの中で新戦力は左サイドバックを務めた翁長聖選手だけでした。起用の狙いや評価はいかがでしょうか?
「選手としての能力も、人間性も素晴らしい選手だと思います。ただ今まで習慣付いたプレーややり方と、私が求めているものは違いますから、そのやり方に順応し、慣れていく必要はあります。彼がチームのやり方に順応することでチームのプラスになっていくでしょう。キャンプの時も安定して彼の力を出し続けたわけではありません。良い試合もありましたし、良くない試合もありました。全てのプレーが、まるで水が流れるようにできているわけではないですし、特に攻撃面は全てを出せているわけではないですが、攻撃の部分には期待しています。チームのやり方に早くフィットして、よりスムーズにプレーできるようになってほしいと思っています」
以上
○FC琉球:喜名哲裕監督 会見要旨
「アウェイにもかかわらず多くのファン、サポーターの方々が来てくれたことに感謝しています。最後の苦しい時間帯も皆様の声援のおかげで乗り切ることができました。試合に関しては開幕戦ということでアップ中は硬さも見られました。ただ試合が始まると、1人ひとりが役割を果たしてくれました。攻守においてアグレッシブにプレーできたことは大きな成果ですし、また若いセンターバックの2人が試合に出た中で無失点に抑えたことは今後の自信に繋がると思います。またプロ初先発だった武沢一翔も攻守にアグレッシブに戦えたことは収穫です。攻撃においては、無得点だったことが残念ですが、ポケットに入る回数やゴール前に掛ける人数は次のホームゲームに向けて修正し、ゴールを取れるように準備をしていきたいと思います」
以上
▽選手コメント
○福井光輝選手
–シーズン最初の試合で無失点に抑えることができました。最後尾から最終ラインはどのように見えていましたか?
「そもそも最終ラインはヒジさん(翁長)以外、昨季とメンバーが大きく代わっていないので、やるべきことはハッキリしていましたし、ヒジさんはチームのやり方も理解できているので、距離感やラインコントロールも特に問題はなかったと思います。その中で失点をゼロに抑えられたことは収穫です」
–特に後半は身長の高い選手とクロスボールを競り合う場面も増えたが?
「以前はクロスボールに対して、強く前へ出て行けるタイプではなかったのですが、ポポヴィッチ監督のチームになってからは、自分の力が引き出されている部分もあります。強気に前へ出て行くことはトライできています。その中でエラーもありますが、練習で自信を持ってやれていることを試合で出せて良かったです」
○平戸太貴選手
–まずは0-0という結果だった開幕戦を振り返って下さい。
「試合開始からちょっと硬さがある中で、なかなかシュートまで持ち込めず、チームとして勝ちきれなかったことは悔しい結果になりました」
–後半のボックス内まで進入し、シュートまで持ち込んだプレーを振り返って下さい。
「良い形からクロスボールまで持っていけた中で、ヒジさん(翁長)が僕のことを見てくれていたので、決めなければいけないシーンでした。そういった場面でも決めきらないと勝ち点は取れないので、ワンチャンスを決めきれる選手になれるように頑張っていきたいです」
–シーズンはまだまだ続きます。今後に向けてどんな改善をしていきたいですか?
「最後の精度を欠いて、なかなか点を取れないことは昨季からの課題です。練習からできるようにやっていくしかないので、もっと選手間でコミュニケーションを取って、精度の高いプレーをできるようにしていきたいです」
以上