○試合後の記者会見:ランコ ポポヴィッチ監督
–まずは試合の総括をお願い致します。
「戦前の予想通りの展開になったと思っています。こういったタフな試合になるだろうと思っていましたが、予想と違ったのは選手たちが少なからず攻撃の部分でナーバスになり、焦りがあったことです。どんな場面で焦りが見えたかと言うと、ボールを持った時にボールを持っていない選手の動きの質の面で、足元でボールを欲しがる形が多かったことです。スペースに出ていく選手が少なかったですし、ボールが出た後の連動性でうまくいかない部分がありました。足元で繋ぐことはある程度できていましたが、ゴール前で足元だけのプレーになってしまうのは良くないことです。我々がプレーしているのはフットサルではありません。ゴール前で足元で繋ぐ形が多かったことが相手ゴールに迫れなかった1つの原因だと思っています。ただほぼ90分を通してチャンスを作ったのは我々の方でした。細かい修正点は今後の反省点です。試合前やハーフタイムでも選手たちに話をしていたのですが、こういった苦しい試合は必ずやってくるものですし、全員でこの苦しい山を乗り越えていこうと。こういった苦しい試合になることを覚悟して臨んでいましたし、全員でまとまって勝ちきる結果を残そうと話している中で、選手たちは最後まで足を止めずに本当に良く戦ってくれました。そういった姿勢が勝ち点3を勝ち取る要因になりましたし、全員で勝ち取った貴重な勝利と言えると思います」
–こうした難しい試合を勝ちきった価値については、どう捉えていますか?
「試合前にメディアの皆さんとも話していたことですが、全てがうまくいかなくても、勝ちきるチームになることがさらに上へ行くためには必要です。まさにそういった結果が出ました。大きいものを得たと思っています。勝負強さを発揮すること、また最後まで崩れずに全員で戦うことなどを、選手たち全員が身をもって表現してくれた試合でした。相手が問題だったと言うよりも、自分たち自身で試合を難しくしてしまったのかなと思います。ボールを持った時に焦り過ぎてしまうことでラストパスやトラップの質が伴わず、ミスに繋がる形が多かったです。選手たちも修正点や課題をピッチの中で感じてくれていると思います。本来我々はボールを持った時にスピーディーに攻撃を仕掛けていくチームです。ボールを持った時の選択肢も、後ろではなく、背後を突くことに狙いを持ったチームでもあります。それができている時はチャンスを作れていましたし、逆に後ろ向きな判断になった時には少しバタついた場面がありました。そういった反省点は選手たちもピッチで感じ取っていると思います。そんなタフなゲームを選手全員で戦い抜いてくれました」
–相手にいなされて、守備面が嵌まらないことが攻撃面にも影響を及ぼした部分はありましたか?
「我々のプレッシングが機能するかどうかは、相手のうまさやプレースタイルも関係してくるものです。毎回全てがうまくいくとは思っていません。山口さんは立ち位置をうまく取ってくるチームですし、そこを全て抑えることは不可能だと思っていました。トレーニングの中で、前から行く時とセットする時を使い分けていくことは準備してきました。全て前から行く、全てセットして守るではなく、その時の距離感や状況に応じて、選手たちの中で使い分けられるようになることが理想です。例えばベンチからは前から行けと言っても、後ろが連動していなければ、遅れてしまった分、ハーフスペースなどを簡単に使われてしまいます。山口さんはハーフスペースを使うのがとてもうまいチームですから、そういった部分は警戒していました。終盤に選手交代をして、3バックの形にしましたが、ズルズルと下がってしまうのではなく、前からプレッシャーを掛けることで相手のパワープレーを無力化することができていたと思います。そういった守備は効果的だったと思います。今日のプレッシングがまだまだ不十分だと言われるのであれば、次の試合までに修正しておきたいと思います。ただ試合運びに関しては、これまでの経験を活かしながら成長できています」
以上
○レノファ山口FC:渡邉晋監督 会見要旨
–まずは試合の総括をお願い致します。
「まずはコロナ禍にも関わらず、維新に集まってくださったファン・サポーターの皆様、また来られない中でもいろいろな形で声援を送ってくださった皆様に感謝の気持ちを申し上げたいと思います。ホームでこういう結果になったことが非常に残念ですし、申し訳ない気持ちで一杯です」
–PKストップをした吉満大介選手の評価を聞かせて下さい。
「PKストップは彼のストロングポイントであって、真骨頂でもあります。苦しい局面でそれを発揮してくれました。ただミツにおんぶに抱っこでは仕方がないことで、彼のファインセーブは勝利によって報われるとハーフタイムに選手たちへ話した中で、勝利という結果が叶わずに残念です。安定したパフォーマンスは見せてくれました」
以上
▽選手コメント
○長谷川アーリアジャスール選手
–1-0での粘り勝ちでした。まずは試合を振り返って下さい。
「山口さんも結構前からプレッシャーを掛けてくる中で、この試合にかける想いを感じてはいました。その中でも自分たちは落ち着いて試合を進めることができましたし、相手が前から来るのであれば、裏を狙おうと話している中で、PKを取ることができました。そこで点を取れていればまた違った試合展開になりましたが、サッカーは何が起こるか分からないと話している中で、無失点で粘った結果、勝ち点3を取ることができました」
–前からプレッシャーを掛けたい意図がある中で、なかなかうまくいかない時間帯がありました。その点はいかがですか?
「前から行くのであれば、全体が連動しないと取れないですし、相手のボールの繋ぎ方もうまかったです。最初からやりたい守備ができたかと言うと、決してそうではなかったです。ただ難しい試合を焦れずに戦い、1-0という結果ではありましたが、勝って町田に帰れることはプラスだと思います」
○ドゥドゥ選手
–決勝点となったゴールシーンを振り返って下さい。
「非常に良い形でのカウンターアタックでした。アシストをしてくれたオカ(岡田優希)にもパスを出してほしいと声を出していました。また鄭大世さんもボールには触っていないですが、相手を良い形でブロックしてくれました。チームとして良い形でのゴールだったと思います」
–ゴールを決めた後、ピッチに突っ伏して感極まった様子でした。どんな感情だったのでしょうか?
「前節の金沢戦は個人的に非常に残念な形で試合を終えてしまったので、その借りを返すような気持ちでしたし、自分の価値を証明するためにも、どうしてもゴールが必要でした。そういった想いがあったので、思わず感極まってしまいました」
以上