○試合後の記者会見:ランコ ポポヴィッチ監督
–まずは試合の総括をお願い致します。
「パーフェクトに近い試合だったと思います。選手たちには良くやってくれたと伝えたいです。試合開始から最後まで主導権を握れた試合でした。こういった試合を目指してきました。甲府さんも強い相手ですし、そして上に行くためにも、お互いに負けられない試合だったと思いますが、こういった試合をきっちりと勝てたことも素晴らしかったです。中断明けで勝ち星から遠ざかっていた中で、どうしても勝ち点3が欲しかったですし、結果として、相手を上回って、勝ち点3を取れたことも良かったです。ただ前半は非常に良い形で試合を進めることができましたが、ある時間帯では前からプレッシャーを掛けられずに、相手のビルドアップを自由にやらせてしまったことは反省点です。後半にしっかりと修正できました。また今日の(中島)裕希は運動量豊富に攻守でプレーをしてくれましたし、私が指導するようになってから、初めてと言っていいぐらいの運動量と強度を出してくれたと思っています。ここ3試合は交代選手を起用した後に流れを変えられなかったのですが、今日に関しては、途中出場の選手たちがしっかりと勢いとエネルギーを出して、後半から入った選手たちも自分たちの仕事を最後までやりきってくれました。そういった部分も前の3試合とは違った点だったと思います」
–縦への推進力がこれまでの3試合とは違った印象です。その点はいかがでしょうか?
「確かにそうだったと思います。迫力や相手にとって危険な攻撃、そしてボールを奪った後に相手の喉元を刺しに行くような、ハングリーな姿勢を見せることができました。ただ内容的には京都戦の前半、岡山戦の前半、そして北九州戦の75分までは、決して悪くはなかったですし、我々が積み重ねてきたものをしっかりと出せる時間帯はあったのですが、そのゴールに向かっていく危険性のある動きや貪欲さが欠けていました。そういったことは選手にも話してきましたし、今週のトレーニングでも意識をしてやってきたことです。ここまで結果が出ていなかったことについて、コロナの影響がなかったとは言えません。チームにも感染者や濃厚接触者が出たことで、トレーニングを十分に積めなかったことは、言い訳ではなく、現実に起こったことです。そういった外的な要因があったことも、ここでお伝えしたいと思います。今日の姿が我々本来のFC町田ゼルビアの姿だと思います。シーズン当初から求め続けてきた姿を見せることができました。こういった試合を見せ続けていくことは簡単ではないですが、我々がやっていくべきことは今日のような試合を見せ続けることです。我々の選手たちには良くやってくれたと伝えたいと思います」
–右サイドバックに奥山政幸選手を、左サイドバックに三鬼海選手を起用しました。その意図と期待していた効果は?
「今日の試合で見ていただいた通りですが、試合中に泉澤仁選手の存在感をピッチ内でそれほど感じることはなかったと思います。マサ(奥山)がしっかりとケアをしてくれました。甲府さんの一番のストロングポイントは、サイドで泉澤選手が相手を剥がして、前で数的優位を作る攻撃です。その一番のストロングを抑えることを考えていましたし、非常にマサが良い仕事をしてくれたと思っています。マサはただ単に守備で相手に張り付いて彼の攻撃を防いだだけではなく、マサが前に行くことで泉澤選手を守らせる形になりました。攻守において主導権を握れたことが非常に評価できることです。海に関しても非常に機能したと思います。マサと同じようなタスクを与えていましたし、相手のサイドをしっかりと止めること、そして攻撃時は前に入っていくことを求めていました。特に海はインサイドに入って、ゲームメークをすることにも関わったという期待にも積極的に応えてくれました」
–「青城祭」というイベントが実施された中で、スタジアムに来て下さったファン・サポーターの皆様へメッセージをお願い致します。
「ピッチ上にはサッカーの醍醐味が詰まっていたと感じています。皆様の大きなエネルギーが力になりました。そのエネルギーを受け止めた選手たちが、ピッチ上で力を発揮するという相乗効果がありました。我々が発するエネルギーを見ていただくことで、より気持ちを込めて我々を応援していただいたと思っています。集まって下さった皆様にもう一度見たいと思えるサッカーをお見せできたと思います。毎試合こういった試合を見せ続けていくことを重要視していますが、今日の試合に関しては、非常にレベルの高いものを見せることができました。また皆様と一緒に戦うからこそ、我々は強くなれることを実現できた試合だったのかなと思います。欲を言えば、自分の声が自分で聞こえないぐらい、多くの方々に集まっていただきたいです。今日の試合はいつもより多くの方々にご来城いただきましたが、まだ私の声が聞こえるぐらいですから、ぜひ今の上限である5,000人の方々に来ていただき、私の声をかき消して下さい。私の声にはもう、うんざりしているので(笑)、ぜひともよろしくお願い致します」
以上
○ヴァンフォーレ甲府:伊藤彰監督 会見要旨
「0-3という結果は内容も含めて、全ては私の責任です。画面越しに応援してくださったファン・サポーターの皆様に申し訳ない気持ちで一杯です。また次のゲームに向けて、選手たちと良い準備をしていきたいです。試合の入りの部分で非常に押し込まれる場面が多く、局面でもあと一歩が出ませんでした。シュートまで持ち込むこともそうですし、セカンドボールへの反応、戻るスピードなど、戦う姿や100%を出しきって、90分間をぶっ倒れるぐらいまでやるという気持ちの部分も含めて、今後は取り組んでいかないといけません。先に点を取られたことで我々のプランを遂行できませんでした。途中から4バックに変えて少し圧力を掛けましたが、逆に4バックに変えたことで、カウンターの形から3点目を仕留められたことが痛かったです。後半に入っても、点を取りに行くために攻めました。0-2というスコアは点を取れば、逆転するチャンスに繋がることは分かっていましたが、決めきれませんでしたし、町田さんのゴール前の強さは、我々を上回っていましたので、我々としては完敗の試合です」
以上
▽選手コメント
○奥山政幸選手
–まずは勝利の喜びの声を聞かせて下さい。
「今日はクラブとしても『青城祭』というイベントがある中で、自分たちが望んでいた結果を得られたことが素直にうれしいです」
–試合を振り返って、勝因を聞かせて下さい。
「90分間、前からプレッシャーを掛けに行くことなど、チームとしてやりたいことを前面に出せた結果です。結果と内容ともに、望んでいたものを出せたので、非常に充実感があります」
–右サイドバックでの出場でした。どんな役割を託されていたのですか?
「相手のストロングポイントである泉澤(仁)選手をケアすることが一番の役割でした。前の選手やボランチの選手などと連係を取りながら、うまく抑えることができたと思います」
○長谷川アーリアジャスール選手
–3-0での勝利という非常にうれしい結果になりました。試合を終えての心境は?
「前節の北九州戦で逆転負けをしたことで非常に悔しい思いをしましたし、順位が近い相手に対して、どれだけできるかという意味でも今日は大事な試合でした。そういったゲームを3-0で勝てたことが非常に良かったです」
–チーム3点目となったゴールシーンを振り返って下さい。
「(吉尾)海夏から良いボールが来ましたし、(平戸)太貴が左サイドにいたのは見えていたのですが、そこは気持ちで決めました。個人としてもなかなか点を取れていなかったですし、結果にこだわっている中で点を取れておらず、チームとしては3点目でしたが、個人として久しぶりのゴールだったので、素直にうれしいです」
以上