○試合後の記者会見:ランコ ポポヴィッチ監督
–まずは試合の総括をお願い致します。
「チームに勢いがあるだけに中断期間に入ることが少し残念な気持ちでいます。今季の試合の中でも、我々の良さやどれだけ成長できたかを見せられた試合となりました。見た目としては美しい試合ではなかったですが、相手がタイトで、オーガナイズもしっかりとしており、コンパクトにリトリートしてくる相手との対戦は難しい試合になることが分かっている中で、そうしたタフな相手に対して、ボールを動かしつつ、駆け引きをしながら、相手の守備をいかに崩していくか。前半からそのアイディアは3つ、4つ見せられたことがチームの成長の証です。またこうした試合を1-0での勝利に繋げられたこともチームが成熟してきた証です。私は選手たちを誇りに思いますし、選手たちとは毎日トレーニングの時間を共有していますが、日に日に成長していることを実感できています。戦い方も成熟していると感じられます。今日は多くのファン・サポーターの方々に足を運んでいただいたことが我々の力になりました。これからも多くの方々に足を運んでいただき、我々に力を貸してください」
–焦れずに戦って1-0で勝利したように、最近はゲーム運びに進歩が見られます。いかがでしょうか?
「私もそう感じています。今日の試合運びやゲームマネジメントに関しては、非常に満足しています。ゲームコントロールをしっかりするということ、主導権を握るということを強調してきました。この1週間の準備期間の中で選手たちとコミュニケーションを取る際には、『もし想定外なことが起きたとしても、うまくいかない時間帯があったとしても、慌てずに焦れずに自分たちがやってきたことをブラさずに戦っていこう、我慢して戦おう』ということを話してきました。まさに今日、見せてくれた選手たちの姿が答えだと感じています。全員でブレることなく、慌てることもなく、ナーバスにならずに戦ってくれました。相模原には経験のある選手がいる上に、守備固めを徹底してくる相手に対して、チャンスを作ることは簡単ではないですし、能力が必要でもあります。相手を意図的に動かしながら穴を作ることやチャンスを作る形はできていました。またチャンスには繋がらなかったですが、攻撃のアイディアは見て取れました。どういう意図を持って、相手を崩そうとしているのか。その形を見せてくれましたし、トレーニングでやってきたことを出そうという意思を示してくれました。チーム自体が成長していますし、成熟もしていると思います」
–試合後、選手たちと一緒にスタジアムを回られた想いを聞かせて下さい。
「今季初めてこれだけ多くの方々にスタジアムへお越しいただきました。感謝の気持ちを私なりに表しました。次回、私がスタジアムを一周回る際は、もっと多くのファン・サポーターの方々に入っていただきたいと思います」
–後半途中から安井拓也選手を起用しました。相手ボールの際のポジショニングや守備が素晴らしかったです。彼に期待していたことや評価を聞かせて下さい。
「シーズン途中から新しいチームに入ってきて、攻守において、全ての面でフィットするのはすごく難しいことだと思っています。特にこういったタフな試合で、スコアも紙一重の試合で自分の力を出すことは簡単ではありません。ただ拓也はこういった短い期間でも、やるべきことを理解して、それを出せる選手です。それぐらい能力がある選手です。彼のプレーを見て、楽しめる日が来るのはそう遠くはないと思います。拓也に関しては素晴らしかったと思いますが、彼だけではなく、ピッチに立った選手、ベンチに入った選手も含めて素晴らしかったと思います。このチームの良さは新加入選手がすぐに馴染めるように、順応できるように周りの選手たちが声掛けをできることです。選手同士で序列を決めずに、ピッチでのプレーが全てであるということも理解してくれています。彼もそれほど時間が掛からずにチームにフィットしてくれると思います。彼の良い部分を上げればキリがないです。ポリバレントな選手であること、技術もしっかりとしていること、アグレッシブさもありますし、良いシュートも持っています。そういった能力の高い選手でもあるので、あとは彼の能力をいかに発揮できるか、いかにチームに順応するか、だと思います」
–中断期間中に付け加えたいことは何ですか?
「まずはしっかりとリフレッシュをして、エネルギーを満タンにすることです。また全ての面を少しずつ成長させていくことが重要です。もっともっとゲームコントロールも上手にできるようにならないといけないですし、1つ1つのプレーの精度にこだわって上げていくこと、チーム全体でやるべきことのレベルを上げていく作業をしていきたいです」
以上
○SC相模原:高木琢也監督 会見要旨
–まずは試合の総括をお願い致します。
「チーム状態に関しては、非常に上がってきていると思います。今日のゲームに関しては勝ちゲームに持ち込めなかったですが、チームの調子を維持しながら、今日のゲームでは新しいことにもトライしていく中で、トライしたことを出せる場面もありました。こういったゲームを勝ち点1や勝ち点3にする。それは今後も取り組んでいかなければならないことです。選手たちは良く戦ってくれましたが、勝ち点を取る試合、点を取る試合をお見せできませんでした。今後の試合でファン・サポーターの皆様の応援に応えていけるように、準備をしていきたいと思っています」
–町田さんは鄭大世選手と吉尾海夏選手の関係性が良かったですが、そこのケアについては、どんなお考えでしたか?
「彼ら2人だけを止めることは考えていなかったですが、鄭大世選手に関しては、クロスに対する入り方とセカンドボールを拾う形から、もしくはトランジションで攻撃に切り替わった際のアクセントになって、両サイドの選手がゴールを決める形があるため、警戒していました。失点してしまったシーンについては、簡単に言うと、我々の方が付いていけない形でした」
以上
▽選手コメント
○吉尾海夏選手
–チームを勝利に導く貴重な決勝点を奪いました。ゴールシーンを振り返って下さい。
「足を振ったら何かが起きるなと思えたゴールでした。今季に関しては、運のいい、ラッキーなゴールがいくつかありますし、そういう面では良い勢いというか、昨季とはまた違ったシーズンになっていると思います」
–鄭大世選手の安定したポストプレーが攻撃面で良い効果を生んでいたように見えました。いかがですか?
「大世さんにボールが収まるシーンが多かったことで、(平戸)太貴さんやアーリアさん(長谷川アーリアジャスール)、僕など周りの選手が前向きで、良い状態でボールを受けるシーンを前半から多く作れていました。シュートまで行けるシーンもいくつかありましたし、そういったことがゴールに繋がったと思います」
○鄭大世選手
–試合前からミドルシュートがポイントと話していた中で、見事にミドルシュートからゴールが決まりました。5バック気味だった相手との試合を振り返っていかがでしたか?
「思ったよりも相手にボールを持たれました。相手の3枚回しに対してのプレスのスイッチがうまくいかずに後ろの選手たちはしんどかったと思いますが、後半から割り切って前からプレッシャーを掛けるようになって、全体的に押し上がる場面ができました。ハーフタイムに『もっとシュートを打っていこう!』という話をしている中でのゴールでしたし、(吉尾)海夏のゴールも素晴らしかったです。チーム全体の自信に繋がる勝利になりました」
–先発3試合目となり、「体はもっともっと動くようになる」と戦前は話されていました。その通りの体のキレの良さを発揮し、ポストワークも安定していました。
「いや、まだまだですよ。この暑さだと、これぐらいのコンディションが限界なのかなという面があります。もう少し動けるようにしたいですし、自分がどれぐらいできるか分かっているので、もっと活力のある動きをしたいです。今はそう思いながらプレーしています」
以上