○試合後の記者会見:ランコ ポポヴィッチ監督
–まずは試合の総括をお願い致します。
「選手たちは試合を通して、良いものを見せてくれたと思いますが、この試合に入っていくまでのトレーニングで雰囲気や気の緩みが気になっていたため、コーチングスタッフの間でも話をしていましたし、選手たちに対しても指摘しました。そういった部分が試合の結果に繋がったのかなと思っています。試合の進め方は狙った通りにできましたし、決定機も多かったと思います。ただ失点の場面に関してはあの位置で隙を見せてしまいました。20メートルの位置から相手に決められたように、相手との距離を含めて、隙を見せてしまいました。また決定的なシュートを決められないことがこの結果に響いたと思っています。北九州さんには『おめでとう』とお伝えしたいですし、彼らは力のあるチームで、順位表がイコールの実力だと思っていたら大きな間違いだと思っていました。選手たちもそういったことを頭に置いて試合に臨んでくれましたが、失点シーンは一瞬の隙を見せてしまいました。先ほども話したように、ゲームの進め方や狙った形は良いものを見せてくれましたし、素晴らしかったと思いますが、勝ちきれなかった理由は、失点シーンで隙を見せてしまったこと、そしてチャンスで決めきることが足りませんでした。また吉尾海夏が90分間見せてくれたプレーは素晴らしかったですし、海夏がもう1人いれば、複数得点は取れていたと思います。彼が見せてくれたプレーには、賢さや闘争心が備わっていましたが、チームとしては、そこの部分が足りなかったのかなと思っています」
–いろいろな選択肢がある中で、トップのポジションに中島裕希選手を先発で起用した意図を聞かせて下さい。
「ドゥドゥはまだトップコンディションではないですし、彼を守りながら使っていくことが重要です。まずはそれが理由の1つです。先週の試合に関しては、当初のプランよりもドゥドゥを長い時間起用したことで、その疲れが出ている様子もありました。ゴールを決めた後ならば、逆に先発では出ないという判断も理解してくれると思っていました。実際には裕希の特徴を活かして、チャンスを作る形もありましたし、嵌っていたとは思います。またビッグチャンスのシーンに彼自身が顔を出すこともありました。裕希がチャンスでしっかりと決めきれそうな場面もありましたし、ドゥドゥも彼本来の出来であるならば、ビッグチャンスを決められたと思います。多くのチャンスを決めきれていれば、結果は違ったものになっていたでしょう」
–中島選手の先発起用は、北九州がビルドアップ型のチームであるため、前からよりプレッシャーを掛けられる状況を作りたかったという意図もあったのかなと見えたのですが、その点はいかがですか?
「それが決め手となって裕希を先発に使ったという意図はなかったです。相手がどうこうよりも自分たちの良さを出すためのメンバー構成だと考えて下さい。ドゥドゥの疲労のこともありますし、逆に裕希のコンディションも良く見えたため、そういった事情も踏まえて選択をしました。ドゥドゥの疲れが残っている状況で前半から使って、怪我をしてしまえば、自分の決断を後悔することになったと思います。調子の良い選手を使っていく。練習で良いものを見せてくれている選手を使っていく。そういった見極めをしていくことも重要です。いずれにせよ、我々がチャンスを決めるべき試合でした。相手は1本のチャンスを決めきる形でしたが、メディアの皆さんにもそういった試合の内容を見てほしいと思います。誰が出た、出ないといった話は、二の次です。例えば海夏に関しても左サイドバックで出ましたが、良いプレーをしましたし、そういったことについて話したほうが、より建設的かなと思います。逆に試合に勝っていれば、全てが当たったと言われていたと思います。結果が出なかったことでこういった話になっているのかなと思います」
以上
○ギラヴァンツ北九州:小林伸二監督 会見要旨
–まずは試合の総括をお願い致します。
「前半の入りが良かったことで点を取れました。後半は引き気味になってしまいがちでしたが、後半も守備の入りが良かったため、良い形で後半に入れました。ああいったゲームになったのはボールを丁寧に回して、相手をひっくり返せなかったことが原因ですが、その中でもこういった形で競り勝てたことが大きいです。今季初めての連勝もできましたし、また次のゲームに向けての準備をしっかりしていきたいと思います」
–後半の戦い方を見る限り、現実路線にも見えました。今後はそういった現実的な戦い方に舵を切る方向性なのでしょうか?
「前半は相手がある中でうまくプレスが掛かりませんでした。それは、早い時間帯に点が入ったことと、そしてプレスを掛けてもあまり嵌らなかったことが原因です。ただ後半はプレスを掛けた中でそこから奪ってチャンスも作れました。選手たちが後半の中で変化に合わせてプレーできたのは大事なことだと思います。プレッシャーがある状況で戦っている中で、もう少しいろいろな形でボールを回せると良いのかなと思います。ただ大事にしていたことは、相手が2センターバックで回して、そこにボランチが下がって組み立てる中で、こちらが下がるのではなく、押し込める形を作るということです。それができたということは、今までやっている前からのプレスだけではなく、中間層でプレスが掛かるようになった証だと思います。最近はそういった部分が見えるようになってきました」
以上
▽選手コメント
○水本裕貴選手
–試合全体を振り返って、どんな印象をお持ちですか?
「試合開始が全てだったと思っています。先制されてからはボールを動かして、自分たちがナーバスにならずに、まずは追いついて、勝ち越し点を狙っていくことを考えていました」
–相手のトップの選手が途中から代わる中で、どんな対応を意識していましたか?
「先制されてからは、うちが押し込む場面が多くなったので、リスクマネジメントを工夫して、セカンドボールを拾うことができれば、二次攻撃、三次攻撃に繋げられるなと考えながら対応していました」
○吉尾海夏選手
–非常に悔しい結果となりましたが、試合を振り返って下さい。
「早い時間帯に失点をしたこと以外は、自分たちのイメージ通りに試合を進められたと思うのですが、これだけ相手陣地に押し込んでボールを持てている中で、チャンスを決めきれないとこういう結果になると、チーム全員が感じていることです。こうした課題を改善していかないと、昇格争いには食い込んでいけないと思います」
–怪我人も出ていて、総力戦の様相を呈している部分もありますが、今後に向けての意気込みを聞かせて下さい。
「チーム全員で上に食らいついていこうという気持ちは持っています。まだシーズンは続くので、しっかりと切り替えて、シーズン終了後にJ1へ行けるようにまた週の頭からやっていきたいです」
以上