○試合後の記者会見:ランコ ポポヴィッチ監督
–まずは試合の総括をお願い致します。
「今日はタフなゲームになると予測していました。大宮さんは実際の順位表よりも、組織がしっかりとしているチームです。また3連戦の3戦目で疲労のことも聞こえてきましたが、3連戦の3戦目でもしっかりと戦えることを見せてくれたと思います。内容に関しては全てが良かったとは言えないですが、勝ち点3のために全員で戦えたことが評価できる試合でした。後半に関しては我々がボールを持つ時間を増やしたかったのですが、相手との関係もありますし、我々自身もうまくいかなかった部分もありました。決してボールを動かせる時間は多くなかったですが、非常に賢く、そして試合が終わるまでしっかりと足を止めずに戦ってくれた選手たちに良くやったと言いたいです。またアウェイの観戦チケットを買っていた町田のファン・サポーターの皆様が、スタジアムに来られなかったことは非常に残念ですが、皆様と勝利を分かち合いたいと思います」
–今日の試合はどちらかと言うと、ここまでのボールを握る形よりも、特に前半はボールを奪ってからのカウンターでチャンスになる場面を多く作れました。そういった意味で今日の試合は昨季まで積み上げてきたベースの部分が力を発揮した印象です。その点はいかがでしょうか?
「昨季のベースや昨季見せてきたことが活きた部分はあると思います。ただそれ以上に質が上がっていることは状況判断です。局面ごとのプレーの選択やプレーの質は確実に上がっていると思います。選手たちが試合の流れの中で、どういう戦いをするのかといった部分も成長を感じます」
–その状況判断が素晴らしかったと思える場面をもう少し具体的に聞かせて下さい。
「どういう戦い方をチョイスするのか。そういったことです。我々のサッカーはまだ完成していないという話をしていますが、ボールを握る試合や、ボールを繋ぎながら崩していって得点を決めたり、サイド攻撃やカウンターでゴールを奪ったり、試合を戦っている中で、選手がどういう攻撃を選択するのか。どういう戦い方を時間帯によって選択するのか。そういったことの精度は上がってきています。前半の飲水タイムが終わった後には、ボールを繋ぎながら相手を崩す形をいくつか作れていましたし、そういった戦いを見せることもできました。ただ大宮さんのように個の力の強い相手に対して、90分を通して、そこまで決定機を作らせなかったことは大きいです。またタフに厳しくコンパクトに戦い続けるということを、90分間やり続けていることにも手ごたえを感じています」
–後ろから繋いで攻略を組み立てるチームに対して、どんな戦い方をしようと考えていたのか。また評価も聞かせて下さい。
「結果的には大宮に対しての戦い方がうまくいったからこそ、1-0という結果で終えられたと思います。大宮さんの狙いは低い位置で自陣からボールを動かしながら、相手の背後を狙ってくる意図があったと思います。立ち上がりこそ、いくつか狙われましたが、危険な場面を作らせていなかったので、しっかりと対応できたと思います。その中で前半にアーリア(長谷川アーリアジャスール)がGKと1対1の場面を作ることができましたし、(吉尾)海夏にも数回のチャンスがありましたから、我々も効果的な攻撃の形を繰り出せたと思います。そういった意味でもうまくいったと思います。我々は大宮さんを攻略できていたのかどうかは、メディアの皆様の判断にお任せします」
–高い位置でボールを奪ってからのショートカウンターは狙っていた形でしょうか?
「前から連動してプレッシャーを掛けて、奪ったボールをショートカウンターに繋げる形は、昨季からベースとして作ってきたことなので、自信はあります。大宮さん相手に特別な準備をしてきたわけではないです。ただ昨季とはメンバーも代わって、特徴が変わってきていますので、選手の特徴を活かせるような戦い方を考えています」
–リーグ戦も4分の1が終わって、白星が先行する戦績です。現時点での総評を聞かせて下さい。
「私は42節が終わった時点での結果しか興味がありません。そうとしか答えようがありません。いくら白星が先行しても、シーズンが終わった時点で良い結果を残せていないと意味がないです。大事なことは、目先の試合に全力を出して戦うこと。目先の勝ち点3を全力で取りに行くこと。そういったことが重要です。またクラブ自体のメンタリティーも成長させていかないといけないです。クラブとして、メンタリティーを強く持って、高い志で今季に挑んでいかないといけないと思っています。私はメンタリティーを変える、メンタリティーを強くすることは非常に意識しているので、引き続きそういったことにも取り組んでいきたいです。シーズンが終わった後に、笑顔でメディアの皆様と会話できるような結果をしっかりと残していきたいと思います」
以上
○大宮アルディージャ:岩瀬健監督 会見要旨
「試合の開始から相手の連動した守備に対して、どう入っていくか。それがうまくいかない時間が続いた中で、センターバックとボランチで、ズラして入っていこうとしていました。ただなかなかうまくいかずに、2トップのアクションを見失ってしまったりもしていました。失点シーンはセカンドボールの展開から、0-1になってしまいました。ハーフタイムには選手を代えて、もう少し外側からの攻撃の仕方と、自分たちが負けている状況だったので、そこから1つ1つ点を取っていくために、やるべきことを整理して、あとはひっくり返そうという気持ちの部分を話して後半に臨みました。終盤は相手が選手を代えていく中で、そこをこじ開けることができず、決定機を逃しましたが、選手たちが後半のスタートから0-1の状況をひっくり返そうと戦っていたことは、結果的に良かったとは思います。ただホームで勝てないという事実が残りました。最初の攻撃の入り口や守備の部分、そして点を取ることに関しては、もっと突き詰めていかないといけない試合でした」
以上
▽選手コメント
○奥山政幸選手
–無失点で終えられたことが1つの勝因だと思います。守備の面はいかがでしたか?
「この3連戦を通じて無失点で終われたことは、チームにとって大きなことだと思います。ピンチはあった中でも、最後に体を張って守ることもできました。前線からの守備も呼応して、チームが1つになって守備をできているので、この流れを継続していきたいなと思います」
–大宮の攻撃で怖さを感じたのはどんな形でしたか?
「2トップを組んでいる矢島輝一選手と中野誠也選手の関係性がある中で、矢島選手の強さに対して、中野選手は最終ラインと駆け引きをしている選手なので、シンプルなロングボールを矢島選手がそらしてくる形を警戒していました。またハスキッチ選手が入ってきても、最終ラインのチャレンジ&カバーの意識を強く持てたからこそ、無失点で終わることができたのかなと思います」
○中島裕希選手
–まずは決勝点となったゴールシーンを振り返って下さい。
「アーリア(長谷川アーリアジャスール)から(平戸)太貴にボールが出て、太貴のシュートのこぼれ球を狙っていました。その中でちょうどボールが転がってきて、押し込むだけでした。その前にも相手のミスからボールを奪ってチャンスに繋げる良い流れを作れていたので、その流れの中で点を取れたことが非常に良かったと思います」
–今日の勝因は何でしょうか?
「前半は町田の良さである、ハイプレスの形を作れていました。ただ後半は結構押し込まれる時間が長くて、ピンチはありましたが、粘り強く戦えたことが勝因だと思います」
–ファン・サポーターの皆様はスタジアムに来られなかったですが、DAZNで応援していただいたファン・サポーターの皆様へメッセージをお願い致します。
「3連戦最後の試合になりましたが、その試合を勝利で飾れて良かったです。次のホームゲームもリモートマッチになりますし、皆様にとっても悔しさはあると思いますが、DAZNで応援していただけることは僕たちの力に繋がります。ホームでまた勝ち点3を取れるように、ぜひ応援してください」
以上