○試合後の記者会見:ランコ ポポヴィッチ監督
–まずは試合の総括をお願い致します。
「非常に満足しています。選手たちもタフに戦ってくれましたし、攻守両面でチーム全体で連動して戦うことができました。ここまで無敗の琉球さんが相手でしたし、琉球さんは確固たるチームスタイルを持っていますから、そういった相手に自分たちのサッカーをして上回ることができたのは評価できることだと思います。またボールの動かし方だけではなく、しっかりとゴールに向かうためのボールの動かし方の質や判断も良かったと思います。そして私が何よりうれしいのは、選手たちはこれぐらいの力を持っていると思ってきた中で、今日は選手たちが持っている力をピッチ上でしっかりと発揮できたことです。ヨーロッパの試合も含めて、最近のテレビで見た試合の中では一番レベルの高いゲームだったと思います。試合後で少し興奮しているので、そう言っているのかもしれませんが、少なくとも私にはそう見えました」
–連戦下でもメンバーを代えませんでした。それは同じメンバーでも自信を持って戦える確信があったという認識で良いでしょうか?
「ローテーション起用は最近の流行りなのでしょうか。意図があって代えるのであれば良いのですが、何でも代えれば良い、という潮流は良くないことです。好きな靴であれば、好きな時に履きますし、続けて同じ靴を履くこともあります。何か代えなければならない理由があるならば代えた方が良いですし、それが効果的ならば代えるべきだとは思います。今の流行の中で、どのチームもローテーションを使う方が良い。連戦であれば、メンバーを代えて臨む方が良い。そういった固定観念で考えてほしくないです。メディアの皆さんとはサッカーの見方が違うのかもしれませんが、ただ単純に連戦だからローテーションした方が良いという固定観念があると、そこがリミットになってしまいますから、私は選手たちにもそういった意味での限界を作ってほしくないです。自分の可能性を狭めてほしくはないです」
–ボールを握って戦うという今季積み上げてきたことが出せましたし、いざ守備になっても強度の高い守備ができました。攻守両面でゲームを支配するサッカーを目指している中で、今日の試合における完成度はどう評価されていますか?
「攻守で見せてくれたことに関して非常に満足していますが、我々のサッカーはまだ完成しているわけではないですし、どんな試合をしたとしても満足する気はありません。試合を重ねるごとに攻守において、質が上がっていることを見せられているのは、正しい道を歩んでいることの証だと感じています。昨年、我々がベースを作ってきて、そこに大きな柱を建てている最中です。まだ屋根を作って家を仕上げる段階にはいっていないですし、肉付けをしていく中でのプロセスにいると思っています。日々成長していくこと。日々昨日の自分に勝っていくことが大事だと思っています。成長への貪欲さや伸び代のある選手たちだと思っていますので、誰1人として満足していないです。そういった姿勢を継続して見せることが重要です。私も含めて、毎日勉強をして、毎日成長していくことを続けるのが大事だと思っています」
–長谷川アーリアジャスール選手もコンディションが上がって、コンビネーションも深まってきて、そのチームにドゥドゥ選手も合流しました。強力なオプションも入ってきて、今後への期待値が上がっている状況ですが、今後の上積みはどう見ていますか?
「自分の中で何分試合に出たかといったことは重要ではなくて、自分が出た時にどんなクオリティーを見せられるか、自分の力を見せられるかといったことを重要視しています。もちろん、ドゥドゥが入ることでチームにはプラスになりますが、適切な判断を下して、起用していきたいと思っています。選手たちとはオープンでストレートなコミュニケーションを取れる関係性を築けていますが、試合に出た中でどれだけ自分の力を発揮できるのか。チームの力になるためにどれだけできるか。そういったことを常々話しています。アーリアに関しては、J1とJ2の違いがあることを認識して、球際の激しさやインテンシティーはJ1よりもJ2の方が強いですから、それに慣れる必要がありました。ただそれは彼の意識を少しだけ変えることで対応できると思っていましたし、その中でプレーの強度を出すことができれば、違いを見せられる選手ですから、心配はしていませんでしたし、見せてくれています。ドゥドゥに関しては、入国できてチームに合流できたことを喜んでいます。ただ4カ月遅れたので、その分、罰金を払ってもらうつもりではいます(笑)。彼がどう活躍してくれるのか。それを見せてもらいましょう。また忘れてはいけないのは、鄭大世もいるということです。彼が戻ってくれば、力強いオプションが加わることになります。ただ今名前を出した選手だけではなく、全員が私にとって重要な選手ですし、(ンダウ)ターラもそうです。今日も彼がどれぐらいチームに貢献してくれたのか。それを見ていただいて、分かっていただけるように、自分の力をチームのために活かそうと、皆が1つになれています。それをこれからも継続していきたいと思います」
以上
○FC琉球:樋口靖洋監督 会見要旨
「まずは3-0というスコアを受け止めて、率直な感想は完敗です。我々のパスワークに対して、町田さんの守備がリズムを作らせない形をしてきましたし、それに嵌ってしまいました。特に前半はリズムを作れずに攻めあぐねる中で、ほぼゴールに向かう形を作れませんでした。そういった流れはここまでの試合ではなかったことです。また反省点としては、無失点で抑えられている試合が多い中で、球際の激しさや相手がボールを持ち出して来る中での粘りとか、そういった部分の強度が低かったです。これぐらいで守れるんじゃないか。そういった部分が出てしまったと思います。長いシーズン、そういったことはどこかで出るものだと思いますが、これを引きずらないようにしたいと思います。ロッカールームで選手たちには、この9試合で積み重ねてきた試合内容は消えるものではないし、この敗戦を次以降にどう活かすか。そういったことが問われていると伝えたので、しっかりと切り替えて次の試合に臨みたいと思います」
以上
▽選手コメント
○佐野海舟選手
–琉球と戦う上で、まずはチームとして守備の面で特に意識したことを聞かせて下さい。
「琉球はクロスボールからの得点が多く、クロスは警戒していました。まずはそこまでの対応と、クロスを上げられても、慌てずにはね返すことの準備をしてきました。クロスを上げられた場面でも、しっかりとはね返すことができました。それは良かったことだと思います」
–個人として、意識していたことは?
「センターバックが下がったところと、中盤の間にグラウンダーで出されるパスもあると思っていたので、自分としてはいつもよりも守備の時に、ラインを下げるのを早めようとしていました」
–内容の良いゲームをできた中で、中3日でまた次の大宮戦があります。どんな試合を見せたいですか?
「勢いのあるチームを倒せて、自分たちも勢いがあると思うので、そこで隙を見せることなく、相手どうこうではなく、自分たちのサッカーをやっていくことを大事にしたいです。その中で相手と戦う上での対策はありますが、これからもまずは自分たちのサッカーをやることを考えて、プレーしていきたいです」
○長谷川アーリアジャスール選手
–2点目のゴールシーンと3点目に繋がる中島裕希選手へパスを出した場面を振り返って下さい。
「(平戸)太貴がGKと1対1の状況になって、太貴ならば決めるかなと思ったのですが、やはりゴール前で詰めることも狙っていこうと思っている中で、冷静に決めることができました。裕希さんへパスを出した場面は、相手の背後はチームとしても狙っていましたし、裕希さんも良い動き出しをしてくれた中で、裕希さんのスピードを殺さないイメージでパスを出しました。それがゴールという結果に繋がって、僕としてもうれしいです」
–ゴールパフォーマンスについて、解説して下さい。
「長男が恐竜好きで、T.レックスをやってと頼まれていたので、長男のためにやりました。長崎戦でも実はやっていたのですが、その場面をDAZNさんに抜かれていなかったので、今回はちゃんと映るように早めにやりました。息子のリクエストに応えた形です」
–J1とはまた違ったJ2の強度には慣れてきたのでしょうか?
「開幕戦から9試合目ですし、体も順応してきました。球際の部分でもアグレッシブにできてきていると思います。あとは負傷せずに、また連戦ですし、しっかりと準備をして、良いコンディションで戦えるようにしたいです」
以上