○試合後の記者会見:ランコ ポポヴィッチ監督
–まずは試合の総括をお願い致します。
「攻守においてやり切れた試合でした。非常に試合開始から攻守において、インテンシティーも十分にありましたし、集中力に関しても高いものを保ちながら戦い抜けたと思います。前節の山形戦で良いゲームをして、最終的に負けてしまうという試合をしながら、ショックも大きい試合の後でこういう試合を見せられたことに成長を感じます。直近3試合で続けて3失点をして、計9失点という失点の多さもありましたが、その中で素晴らしい試合をしてくれた選手たちを誇りに思っています。5連戦の最後でこうしたハイインテンシティーのゲームをできたこと、我々もリーグの中でローテーションを使わないチームであることを踏まえても、素晴らしい試合をしたと思います。安藤瑞季が帰ってきて、またチームにパワーを吹き込んでくれましたし、彼のアグレッシブなパワーが加わったことも大きかったです。ヴェルディさんに自由にやらせてしまえば危険ですが、相手に嵌らず、狙い所を持って攻守においてプレーできたことに非常に満足しています」
–思ったよりもヴェルディさんにボールを持たれず、持たされ過ぎず、バランス良く戦えていた印象です。守備面で良かった部分は何でしょうか?
「ヴェルディさんとどちらがボールを持つかの競争をすると我々が不利だと思っていました。ボールの持たせ方を考えていました。どこでは持たせても良いけど、どこに入ってきたら、我々が狙うのか。狙いを共有してやれていました。相手は我々を前に食いつかせて、後ろのスペースを使うとか、そういった相手の狙いをケアして、穴を開けなかったことが非常に大きかったです。前半の立ち上がりは相手に対しての守備が嵌まっていない部分も少しありましたが、試合の中で選手たちがうまく修正してくれました。そして守備の仕方も嵌るような形になり、ボールを奪って攻撃する形を作ることができました。若手選手を使いながら、そしてJ2の経験を積んでいない選手たちが先発にもいて、J3でしかプレーしていないような選手もいる中、そういった選手たちが成長した姿を見せてくれていると感じています」
–PKを取った場面は、ボールを保持した中で縦に入れてのスピーディーな攻撃の形でした。あの場面は1つの理想的な形だと思いますが、いかがでしょうか?
「キャンプから目指していたこと、要求していたことがあのシーンにもしっかりと表れていたと感じています。今までもそういったプレーにトライしてきましたが、少しパスが合わなかったり、ズレてしまったり、入れるタイミングが合わないこともありました。パスの出し手と受け手のタイミングも合ってきました。パス自体の精度も上がってきていると思います。もちろん、チームの始動当初よりも攻撃の精度も上がってきていると思います。この試合でも攻撃でパスが繋がらなかったりのミスはありますが、ミス自体のクオリティーが違います。狙う場所やアイディア、トライする場面だったり、ミスの質自体が違ってきていると感じています。選手たちもよりスムーズに、流れるようにプレーできるようになってきました。迷わずに、ボールを持った時の判断がより早くなってきたなという印象を受けています。次に行くためのステップは、ボールを持った時に流れを読んでバランスを取ることです。バランスというのは、緩急のつけ方です。ボールを保持して、いつ縦に早く入れるか。そういった判断をできるのか。その段階に進まなければなりません。大事なのは我々がやってきたことを信じて、そして選手の能力を信じれば、こういう戦いをできるということをあらためて証明できたことです。それはチームにとっても大事なことで、良かったことだと思います」
以上
○東京ヴェルディ:永井秀樹監督 会見要旨
「今日はダービーマッチということで、良いモチベーションで試合に入れましたが、特に前半は我々のハーフウェーラインの越え方が非常にうまくいかなかったです。それが一番の反省点になります。後半、人を代えて立ち位置を変えて、だいぶ改善されて良くはなりましたが、我々本来の距離感、優位性、テンポといった部分が今日に関しては非常にうまくいかなかったことを反省すべき試合だったと正直に思います。選手たちは連戦の疲れがある中、最後の最後まで良くやってくれましたが、まだまだやれる選手たちだと信じています。また今日の試合を振り返って、反省すべきことは反省して、改善して、また次の最後の3連戦に向けて良い準備をしたいと思います。そしてダービーマッチということでたくさんのヴェルディのファン・サポーターの皆様に来ていただいて、我々の勝利のために最後の最後まで後押し、力をくれましたが、勝利で恩返しできなかったことを申し訳なく思います。また今日できなかった恩返しを次のホームゲームでしっかりとできるように、選手たちと最大限の準備をしたいと思います」
以上
▽選手コメント
○佐野海舟選手
–うれしい6試合ぶりの勝利となりました。まずは勝利の喜びの声を聞かせて下さい。
「勝利がなかった中で、それでも見に来てくださっている方々のためにも、必ず勝利を届けたいと思っていました。それができて本当に良かったです」
–個人の出来としても、ここ最近はふがいない試合もある中で、今日の出来は良かったと思います。いかがですか?
「チームも勢いを持って前に行けていたので、その勢いに乗りながら、自分の力をプラスしてプレーできたことが今日のようなプレーに繋がったと思います」
–たとえボールを奪えなくても前を向かせないプレーとか、そういった細かい部分の積み重ねができていた印象です。ご本人としては、いかがですか?
「自分の位置でボールを奪えるのが一番良いことですが、それだけが仕事ではないので、うまく誘導させることや、細かいこと、当たり前のことを徹底してやることができました。それで良い方向に行ったのかなと思います」
○平戸太貴選手
–うれしい6試合ぶりの勝利となりました。まずは勝利の喜びの声を聞かせて下さい。
「本当に勝てない試合が続いていて、ファン・サポーターの皆様に申し訳ないという気持ちがあったので、その中で今日こうしてホームで勝ち切れて良かったです」
–ゴールシーンは冷静にPKを決めました。PKの場面を振り返って下さい。
「相手GKとの駆け引きをしていて、相手が先に動いたので、その中で落ち着いて決めることができて良かったです」
–相手に対するプレッシャーの掛け方のイメージは?
「下げずに前から行く場面と、セットしながらサイドへ追い込むこと、セットをしながらボールを奪うことなど、瑞季とコミュニケーションを取りながら、スイッチを入れて守備をすることができてました。後半はボールを持たれる時間は長かったですが、チームとして対応しながら、自分たちがやりたい守備の形を表現できたという実感があります」
以上