○試合後の記者会見:ランコ ポポヴィッチ監督
–まずは試合の総括をお願い致します。
「選手たちにはよくやったと言いたいと思います。それはなぜか。ゴールを決められないのであれば、決めさせないということをやってくれたからです。チームを成長させていく上で、まだプロセスの段階ですが、ここまでの経験を活かして繋げてくれました。試合終了までゴールを目指して戦えましたし、試合終了のホイッスルを相手の陣地で聞いて終わるというのは、試合の締め方としては非常に良かったことです。ゴールこそなりませんでしたが、CKのチャンスで相手のゴールを脅かしてという試合の終わり方も良かったと思います。これまで出場機会が少なかった選手もしっかりと活躍してくれました。その中でもリュウ(酒井隆介)に関しては、ハイテンポの試合で90分をしっかりと戦ってくれたことに関しては、私自身も驚いています。ステファンに関しても、なぜ彼がここに来たのか。その意義を見せてくれました。また交代で入った3選手(中島裕希、マソビッチ、ドリアン バブンスキー)も特徴を出して、最後までチームのために力を出してくれたと思っています」
–小田逸稀選手が出場停止でいろいろな選択肢がある中で最前線にステファン選手と安藤瑞季選手、そして右サイドハーフに平戸太貴選手を配置しました。そうした配置にした意図を聞かせて下さい。
「ゴールに向かう姿勢や相手に対しても危険なプレーを増やしたいという意図であのような配置にしました。相手の形も3バックですので、瑞季が前に張って3人で見られる状況よりも、2トップにして瑞季のフォローをできるようにすること、さらに相手のサイド攻撃が攻め終わった後のスペースを突いていくために、そういう起用をしました」
–今日も2つのビッグセーブがありました。秋元陽太選手がチーム内で果たしている役割をどう思っていらっしゃいますか?
「試合に出続けているのはそれだけ彼を信頼しているということです。彼はチームが少しうまくいっていない状況や流れが悪いときに盛り上げて、エネルギーを注入する、流れを変えるコーチングをしてくれる能力を持った選手だと思います。ただGKが活躍しないで試合を終えることがチームにとっては一番良いことですが、サッカーという相手あってのスポーツをしている中で、ピンチを防いでくれる選手がいて、止めてくれることは大きなことだと思っています」
–秋元選手は2度のビッグセーブだけではなく、声出しやコーチングも目立っていました。その点についてはどう評価されていますか?
「我々のチームは若い選手が多いですし、ベテラン選手はチームをまとめること、盛り上げる役割があります。ミズ(水本裕貴)や(深津)康太などベテラン選手がいることを幸せに思わなければなりません。今日プレーはしていませんし、ベンチに入れませんでしたが、活を入れたり、チームをまとめたり、ピッチ外の監督という仕事をしてくれている李漢宰の存在も忘れてはいけません。彼の役割も大きいことをこの場を借りて感謝の気持ちを伝えたいです。メディアの皆さんはピッチで起こっていること、目に見えることの評価しかできませんが、我々は毎日トレーニングをしている中で、何が重要なのか、誰がどういう仕事をしているか、しっかりと分かっています。そういった中で彼らの存在は非常に大きいことだと思っています」
以上
○大宮アルディージャ:高木琢也監督会見要旨
「中3日のゲームで、かなり疲労はあると思いますが、短い期間の中でコンディションやリスタートも含めて町田さんとの試合に向けて準備してきたことを選手たちが表現してくれました。勝ち点3という成果には繋がらなかったですが、この試合でやるべきことがチーム全体として整理されて良かったと思います。町田さんの攻撃で一番の特徴は縦にボールが入った時の2人が絡むコンビネーションです。あとは速いカウンターですし、安藤選手、そして今日はサイドハーフでの起用でしたが、平戸選手も絡んだ速い攻撃を出させず、こちらの切り替えも速かったことで相手にやりたいことをやらせなかったと思います。むしろ自分たちの方がやりたいことをできたかなというゲームでした。内容としては良かったと思いますが、勝ち点3を取ることが大事になってくるので、結果という意味では残念ですが、試合内容は良かったと思います」
以上
▽選手コメント
○秋元陽太選手
–難しい試合を0-0で終えました。まずはゲームを振り返って下さい。
「チャンスもありましたし、ピンチもある拮抗した展開の中で、0-0で終えられて良かったなと思います」
–2つのビッグチャンスを止める場面がありました。それぞれを振り返ってください。
「最初のシーン(50分の小島幹敏の決定機)は斜めに入ってくるのが見えて、一度止まってしっかり反応しようとしました。2つ目のシーンは戸島(章)選手の映像を見た中で、我慢してしっかりと弾こうという思いの中でやっていました」
–後ろから見ていてチーム全体の状況はどう見えていましたか?
「奪ったボールをいかに相手ゴールへ向かって直結できるか、というプレーがもう少しあっても良かったのかなと思います。もう少し裏へ抜けてくれたら選択肢が増えたのかなと思います」
○髙江麗央選手
–0-0という結果でしたが、試合を振り返って下さい。
「チームとしては決定機を作られましたが、それ以外はうまくオーガナイズできて、守備の部分では守れました。攻撃では特徴を出せた部分は多かったと思います。ただ個人的には今日の自分のプレーに関しては、質が低かったと思うので、次のゲームでしっかりと改善していきたいです」
–守備から攻撃へ転換する際の相手の切り替えのスピード感は、実際にプレーしている中ではどうでしたか?
「相手の戻りも速かったですが、自分たちがいつもよりは前へのスピードの部分で多少遅かったのかなと思います」
–最近はミドルシュートを打つ場面が減っているかなという印象です。相手にケアされているのか。また別の理由があるのでしょうか。
「個人的に(佐野)海舟とミドルシュートを狙っていこうと話しています。ボールを持つと、ゴールを意識的に見ていますが、左サイドでカットインして中を見ると、ワンパターンで中にすべて入れてしまっています。今日の相手だと、すごい深い位置まで引くことが多かったので、僕たちのポジションも空いていたため、横パスがもう少し欲しかったですし、横パスをあまり受けられなかったです。どんどんミドルを狙おうとしている中で、現状は良い形でボールを受けられていないかなと思います」
以上