○試合後の記者会見:ランコ ポポヴィッチ監督
–まずは試合の総括をお願い致します。
「非常にタフな戦いになりましたが、やり切るゲームをできました。特に前半に関しては、自分たちでボールを動かしながらチャンスを作れていましたし、水戸さんは栃木と同じく、非常にフィジカルの強いチームでフィジカルだけではリーグの中で一番強いチームだと思っていますが、そういう相手にも十分に戦えました。インテンシティー高く戦ってくるチームに対して、前半は相手にサッカーをさせませんでしたし、自分たちがここまで積み上げてきたものを特に前半は見せることができました。しかもこういった試合で勝ち点3を取れてうれしいです。多くの方々にスタジアムまで足を運んでいただいた試合で、良い内容で結果を得られたことは来年に繋がっていくと思います。もう1つは引退することを決めている井上裕大に対しても、良い結果を残すことができました。今までクラブに大きな貢献をしてきた選手の最後のホームゲームで、全員の力で勝利をもぎ取れたことをうれしく思います」
–ゴールシーンは水本裕貴選手のロングボールから決めた形です。最終ラインからのロングボールでゴールを決めるという形は、今季あまり見られなかったゴールのパターンですが、ゴールシーンについては、どう評価されていますか?
「我々には1つの狙いがありました。水戸の特徴はハイプレスで前からアグレッシブにプレッシャーを掛けに来ますし、自陣での横パスを引っ掛けてショートカウンターを仕掛ける形が彼らのやりたいことだったと思います。今週の準備期間で1つ奥にボールを入れる。前の高さを保ちながらボールを受けることや、相手がプレッシャーを掛けに来たら1つ飛ばしてパスを出すことを意識してトレーニングをしてきたので、それが1つの形になったと思います。もちろん、ミズ(水本)のパスも良かったですし、ジョン チュングンのボールを待っているだけではなく、ボールに寄りながらコントロールするという形も良かったです。また安藤瑞季もしっかりとゴールという形で仕上げてくれました。ゴールを決める形にしてもいろいろな形でのゴールを決めたいですし、複数の形で点を取っていくことはチームの力にもなります。またそれは我々が狙いとする形でもあるので、その点でも良いゴールだったと思います」
–今日はホーム最終戦でした。改めてファン・サポーターの皆様へメッセージをお願い致します。
「足を運んでいただいた皆様には感謝しています。こういった状況で足を運ぶのは簡単ではないと感じています。残念ながらスタジアムまで来られなかった方々に向けても、我々の試合の姿を映像で見ていただくなりして、感謝の意を示せたと思います。我々もまだまだ経験不足な面が多く、若い選手も多いですが、皆様の応援でチームは成長できたと思います。来季にはもっと良い姿を見せ続けていかなければいけないと思っています。また皆様には今まで以上に多くの方々にスタジアムまで足を運んでほしいと思っています」
以上
○水戸ホーリーホック:秋葉忠宏監督 会見要旨
「我々らしくアグレッシブに相手を揺さぶりながら、ゴールに迫ろうとしましたが、やはり町田さんのホーム最終戦であることや、前回対戦で0-4でやられていた悔しさ、そして在籍期間の長い選手がクラブを離れるということで、想いや執念を感じましたし、なんとかそういった選手たちを良い形で送り出そうというような、相手のメンタリティーを感じる試合となりました。我々はそうした町田さんの想いを上回れず、執念やクオリティーを出し切れませんでした。ただ選手たちは最後まで走りましたし、戦いました。なんとかゴールをこじ開けようという気概を見せながら、最後までゴールに迫ったことは誇らしかったですし、選手たちの逞しさや成長を感じました。だからこそ、最後にゴールをこじ開けることや、強引に縦に入れていくこと、そして後半のように前半から早いテンポでボールを動かせれば、それがジャブとなって相手に効いて、後半はもっと相手の足が止まったのかなと。また前半の方が少しテンポがゆっくりになりました。僕がスカウティングの時点で相手のボールの奪う位置を踏まえつつ、ボールの動かし方を話し過ぎたあまり、選手たちが考え過ぎてしまったのかもしれません。相手がいてもうまく強弱を使いながら、相手を食い付かせるような、出し入れをテンポ良くできていれば、よりジャブとなって後半はもっと楽にゴール前まで行けたのかもしれません。そこは改善点です。最後のゴール前での強引さを作るためにも、ピット(アレフ ピットブル)と(中山)仁斗の2トップにしたので、より高さとパワフルさのある選手が前線にいるのだから、強引なクサビやラフなボールを入れれば事故のようなものも起こったのかなと思います。交代選手の特性を捉えて、それに合ったサッカーに変化できれば、相手も手を付けられないような、お互いの良さを生かし合える強いチームになれるのかなと思いますし、そうなれば、ゴールを奪いに行く執念がもっと出てくると思います。次の試合は我々にとってのホーム最終戦が待っているので、琉球相手に気持ちと体を作りながら、準備をしていきたいです」
以上
▽選手コメント
○水本裕貴選手
–ホーム最終戦での勝利、そして2連勝となりました。まずは勝利した喜びの声を聞かせて下さい。
「たくさんの方々がホーム最終戦のスタジアムに足を運んでいただいた中で、気持ちのあるプレーを見せて勝ちたいという想いが強かったです。そうしたチームとしての目標を果たすことができて本当に良かったです」
–チームとしてディフェンスの堅さを発揮できていました。無失点に抑えた守備面を振り返って下さい。
「前半は狙い通りの部分はありましたが、後半は少し後ろに重心が行ったことで難しい状況になりました。それは課題として残りましたが、ゴール前ではしぶとさや粘り強さを見せられたことで無失点に抑えることができたと思います」
○安藤瑞季選手
–まずはホーム最終戦を勝利で飾った喜びの声を聞かせて下さい。
「まだシーズンは2試合残っていますが、ホーム最終戦で勝てたことは本当に良かったです」
–貴重な決勝点となったゴールシーンを振り返って下さい。
「ジョン(チュングン)さんから良いパスが来たので、あとは決めるだけでした。そのような良いパスを出してくれたジョンさんに感謝しています」
–決勝点の前の惜しかったループシュートの場面も振り返って下さい。
「(平戸)太貴さんから良いパスが来て、あとは決めるだけでした。相手GKを抜くのかループシュートを打つかでループシュートを選択したのですが、良いコースにシュートを打つことができませんでした」
–ゴールを決めた後は、ベンチに向かっていきました。なぜそうしたのか、想いの部分を聞かせて下さい。
「今季限りで現役引退を決めた井上裕大さんは僕と同じ大分の出身でチームに加入してからお世話になっていましたし、ゴールを決めたら、絶対に裕大さんの下へ行こうと決めていました」
以上