○試合後の記者会見:ランコ ポポヴィッチ監督
–まずは試合の総括をお願い致します。
「こうして試合が終わっても、選手たちは躍動してくれたという喜びを感じて、少々興奮状態でいます。残念ながら前半は最初の入りで一瞬の隙を突かれてしまったことは課題ですし、前半は良いシチュエーションと悪い時間帯の2つの顔を見せてしまいました。そこが前半のスコアの差となって表れました。ただ後半に関しては素晴らしいゲームを見せてくれました。こういう試合を勝ちに繋げていくことが何よりも大事ですし、結果を出せなかったことは残念ですが、オートマチックに、そして少しでも時間とスペースを与えると危険な攻撃をしてくる相手に対して、前半に決められたチャンスぐらいに相手の枠内シュートを抑えたことは評価できることだと思います。我々としては、やはり数多くのチャンスを作ったので、決めていく決定力を上げていかないといけないと思っています。今日のゴールに関しては、2点を決めていたはずなのに、1点しか入っていませんでした。あとで映像を見返しますが、クリーンなゴールだったと思います。レフェリーの判定がウチに有利な時も不利な時もあるでしょうけど、均等な基準で吹いてほしいなという思いはあります。勝ち点に直接関わるレフェリングだったので、しっかりと見ていただいて、改善する部分は改善してほしいとは思いますが、ともにレベルアップをしていこうという話です」
–いつも以上に安藤瑞季選手に対してのリアクションが大きかった印象ですが、それは彼の今日の活躍を称賛してのものか。もしくは普段と変わらないリアクションだったのでしょうか?
「瑞季への反応だったり、彼との関わり方はまったく変わらないですね。ただ今日もチームのためにあれだけ走って戦って貢献してくれたことが、ご褒美としてPKの獲得やゴールを決めることに繋がりました。あのPKを蹴る場面でPKを外していたら、私がかなり怒ることを瑞季は分かっているはずなのに、他の選手に譲らずに自分でPKを蹴ったというのは、勇気を持った強いメンタルの持ち主だと思います。その上でPKを決めたことは、素晴らしかったと思いますよ」
–試合の入りの部分は少しフワッと入った印象ですが、監督の目にはどのように映っていましたか?
「私も試合の入りの部分で集中力が欠けていたということは感じました。選手たちには常々話していますが、試合が始まってからやる気を入れるスイッチは存在しないと。ロッカルームから集中力を高めてメンタルと気持ちを整えることをやろうと言い続けています。そして気持ちのスイッチを切るのはシャワールームでしようということを伝えています。我々全員が集中して100%の力を出し切らないと、勝ち点を取れないと思っています。選手たちには常々そういったことを話して試合に入っていったのですが、試合の最初は残念ながら集中力が足らなかったと言えると思います」
–後半のスタートから起用したマソビッチ選手に対して、期待したことやプレーの評価を聞かせて下さい。
「試合から遠ざかっていたので、難しかったと思いますが、今日の試合はジョン チュングンかマソビッチかどちらを先発させるかを考えていました。ゲームから遠ざかっている部分もありますが、悪くはなかったと思います。こういった試合展開で1点のビハインドを背負いながら、ハイテンポでインテンシティーの高い試合で後半からピッチに入って自分の力を見せることは、ゲームから遠ざかっている選手が表現するのはなかなか難しいと思います。ただ決定的なチャンスに顔を出せたこと、そしてアレンがPKを取る場面に関われました。決めるか決めないか。その仕事を果たすチャンスは何回かあったと思いますし、それは足りなかったことですが、流れの中でのプレーに関しては良いものを見せてくれたと思います」
以上
○ギラヴァンツ北九州:小林伸二監督 会見要旨
「前節の東京V戦は、立ち上がりは良くて点を取れなかったことを考えると、立ち上がりに良い形を作れましたし、相手がプレッシャーを掛けてくる中でも、相手陣地までボールを運ぶということはうまくいったことで早めに点を取れました。ただ早めに点を取れたことで難しい状況になりましたし、2点目を取れれば良かったのですが、なかなかそういう形にはなりませんでした。序盤のボールの持ち出しで相手の2トップのプレスを掛けに来る関係性が変わるのを見抜いて、ポジションを取れるようになったことでうまくボールを運べるようになりました。2点目を取りたかったですが、取れなかったのが事実で、勝つのは難しいなとあらためて思いますが、サッカーはこういうものです。2連敗をしている中で勝ち点1を持ち帰れることは悪くはありません。これを次の福岡とのダービーに繋げていきたいですし、収穫があったと言えると思います」
以上
▽選手コメント
○水本裕貴選手
–1-1という悔しい結果でしたが、試合全体を振り返ってどんな印象をお持ちですか?
「早い時間帯に先制されても、自分たちにもチャンスがあったので、勝ちたかったというのが本音です」
–先に点を取られる展開の中で、ピッチ内ではどんな声を掛け合っていましたか?
「相手のボールの動かし方はなかなか的が絞りづらい状況でしたが、中盤でボールカットからのショートカウンターを仕掛けるチャンスは前半から作れていました。(安藤)瑞季のヘッドや(平戸)太貴も1対1のチャンスを作れていたので、これ以上追加点は与えないように、という話はしていました」
–試合の入りがフワとしていた印象ですが、実際のピッチ上ではどうだったのでしょうか?
「実際に失点をしていますし、立ち上がりは良くなかったです。相手に隙を見せて先に失点をすればゲームが難しくなります。入りの部分は次節以降の修正点です」
○安藤瑞季選手
–PKは自ら蹴ると自己申告したのですか?
「(平戸)太貴さんが信頼はされていますし、蹴る予定でしたが、自分で決める自信があったので、譲ってもらう形になりました。絶対に決めてやると思って蹴りました」
–コースはおそらく真ん中だったと思います。勇気のいるプレーだったのでは?
「チップキックをしようと思っている中、GKが先に動いてくれたのが見えたので、冷静に決めることができました」
–PKを決めた後、ポポヴィッチ監督の下へ行きました。どんな思いだったのですか?
「やっと点を決められたので、喜びを分かち合いに行きました。すごくうれしかったです」
–交代でピッチを退く時も、サポーターから大きな拍手で迎えられました。それを聞いた時の気持ちはいかがでしたか?
「ファン・サポーターの方々も一緒に戦ってくれました。声も出せない状況の中、拍手で迎えてくれてすごくうれしかったです。タオルで自分の名前が見えるとうれしいですし、一緒に戦っている感があって良いですね」
以上