〇試合後の記者会見:相馬直樹監督
–まずは試合の総括をお願い致します。
「遠く東京の町田から多くの仲間・同志が集まってくださり、一緒に戦ってくださったことに感謝を申し上げます。その人たちの、そして選手たちのエネルギーが最後に実る形になって良かったです。ゲーム展開は先にセットプレーから取られたことで頭が下がる部分はあったかと思いますが、よくそこで前を向いて自分たちで勝ち点3を目指して戦う中でその結果を出したくれた選手たちに感謝したいと思います。いろいろな細かいことはありますが、よく戦ってくれた選手たち、そして最後まで選手を信じて良かったです。選手たちを褒めてあげたいと思います」
–同点に追いついて、その後も前から圧力をかけることをやめませんでした。また山形は守備的な選手を投入していました。選手交代を含めて、その時間帯の考えを聞かせてください。
「試合の流れの話しですが、山形さんは点を取ってから多少引いた部分があったと思います。それが我々のゴールが生まれた要因だと思っています。我々はドローでも残留を勝ち取れることはできましたが、そこで1-1のまま推移すればどうなるか分かりません。山形さんもプレーオフに入る順位を考えたときに勝ちに行きたいと思っているだろうと考えると、引くのは得策ではありませんでした。そこをどこまで見極めるかでした」
–自力で残留を決めたことへの率直な感想は?
「結果的には自力ではなくても残留できる結果ではありましたが、自力で決めたことに大きな意味があります。選手たちを信じて良かったです。私自身もクラブスタッフも関係者もサポーターの方々もそうですが、選手たちには相当ストレスのかかる1週間だったと思います。それを乗り越えたのはクラブとしても、選手一人ひとりにとっても、大きな糧になると思います。それを他力ではなく、自力で掴んだことに価値があると思っています」
–あらためて選手たちに掛けたい言葉を教えてください。
「ここで話したとおり、ありがとうという一言です。彼らも自分の力を信じて戦ってくれましたし、私自身もピッチに立つ選手たちを信じることしかできなかったので、その期待に応えてくれてありがとうという言葉しかありません」
以上
○モンテディオ山形:木山隆之監督 会見要旨
–まずは試合の総括をお願い致します。
「ホーム最終戦でのセレモニーできちんと話すことを考えていたのですが、試合が試合だったので、だいぶ疲労がありましたから、最後は勢いで終わらせる形になりました。1万2000人弱の方々に集まっていただき、なんとか順位を上げて、ここでプレーオフをできる権利を獲得したかったのですが、それには届きませんでした。この努力してきた1年間の成果を上げるためにプレーオフの権利を勝ち取ることに関してはやり切ったと思います。よくやってくれました。
ここからは3連勝をすればJ1に行けるというハッキリとした戦いをできます。1年の終わりの挨拶をするのは早いので、まずは42試合、サポートいただいたことに感謝を申し上げたいと思います。来週の皆さんの予定は決まったと思うので、皆さんスタジアムに足を運んでください。なんとかJ1に上がれるように頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします」
–交代選手に関して、井出選手、熊本選手をどういった意図で途中から起用したのでしょうか?
「非常に難しいというか、1分ごとの経過は覚えていないです。井出を入れたときは徳島がだいぶリードしていたのは知っていました。現状を考えると、徳島を越えていくのは簡単ではないなと。恐らく井出は1-1で入れたと思います。勝つことは狙いながらも、最低でもこのままボールをコントロールして守備をすること、そして左サイドを破られることもあったので、そこを含めての修正と井出にはすごく難しいタスクを与えましたが、彼ならできると起用しました。
その後に熊本を入れるときには、ある程度を引き分けることを優先しようと。相手も現状を踏まえると、点を取らないといけない状況だったので、押し込まれてセットプレーもあったので、高さを足す選択肢でした。その中で逆転されたことでこれは困ったぞとなった中で見るべき相手は水戸になったので、他力な部分はありましたが、プレーオフ圏は確保するというリスクを冒さない方向に舵を切りました」
以上
▽選手コメント
○下坂晃城選手
–逆転勝利を呼び込む形になった同点ゴールの喜びから聞かせてください。
「素直にうれしいです。勝ち点が欲しい中で結果を勝ち取れたことも良かったですし、試合に出させてもらっている以上は個人の結果も欲しかったので、それを勝ち取れて良かったです。(平戸)太貴から良いボールが来て、どういう軌道か分からなかったのですが、皆が喜んでいたので入ったんだなと分かりました」
–残留を決められたことに対しての喜びの声を聞かせてください。
「今季は勝てないことが多い中で、残り10試合ぐらいからは普段の生活からも大変な思いをしてきました。引き分けも多かったですし、勝利もない状況で、今日もここに来ていない選手たちの思いも感じながらやっていました。選手、ファン・サポーター皆の思いが結果につながったと思います。ファン・サポーターの皆さんにもありがとうございましたという気持ちでいっぱいです」
◯井上裕大選手
–試合前にはどのような話しをされましたか?
「ミーティングで相馬監督から、リーグ戦じゃない。プレーオフ、決勝戦みたいな試合になると思うからという話しがありました。まさしくそういう、勝つか負けるかという戦いになるなと自分も思っていました。最後にみんなで笑って終われるように気持ちを出してプレーしようと話しました」
–前半の内容を振り返っていかがですか。
「相手は思っている以上にロングボールが多かったです。1タッチで裏というシンプルな攻撃が多かったので、どちらかがふわっとしたときにやられる展開になる感じがありました。前半の最後には危ないシーンがありましたけれど、0-0で終われたことは自分たちにとって大きかったです」
–後半早々にセットプレーから先制されました。
「今年は立ち上がりにやられるシーンが多かったので、悪いところが出てしまったなと思いました。ただ時間はあったので、切り替えてやればいけるという想いもありました」
–79分にセットプレーから追いつきました。
「(平戸)太貴はフリーキックから良いボールが上がっていましたし、頭に当たるシーンも多かったです。いつか良い場面が来れば良いなと思っていたので、セットプレーから追いつくことができて良かったです」
–畳み掛けて89分に勝ち越しました。
「攻撃にまたパワーが入りましたし、後ろは冷静にやろうと話しをしていました。良い形で2点目を取れて、勝って終われて良かったです」
–サポーターに向けてメッセージをお願いします。
「勝てない中でブーイングを受けたこともありますけれど、声援は自分たちのパワーにずっとなっていました。来てくれた人はもちろんですけど、DAZNで応援してくれた人もいると思うので、最後に皆さんと喜びを共有できたことは本当に良かったです。ありがとうございました」
〇平戸太貴選手
–試合前はどんな気持ちでしたか?
「他力ではなくて自分たちで勝って残留をしっかり決める、なんとしても勝つんだとこの試合に臨みました」
–後半最初の失点からどう切り替えましたか?
「前半途中までは自分たちの形、攻撃を出せていました。その中で後半に入ってやられた時間帯が早かった。同点でも勝ち点を取れれば(残留が決まる)というところもあったので、それほどみんな落ちないで切り替えて1点を奪おうと話しながらプレーしていました。崩れることなく戦えたと思います」
–ドリアン選手、ロメロ選手の投入もあって、攻めに転じました。その時間帯はピッチ内でどう感じていましたか?
「相手は先制点を取って、前に出てくるよりは守備に重きを置く少し下がる形になっていました。ドリアンのところでポイントを作って収まる回数も多かったですし、収まったあとにサイドが出て攻撃する形も作れていました。絶対チャンスは来るだろうなというのは感じていました。セットプレーも何本か取って、自分自身も良いボールを蹴れていました。1点は取るチャンスが絶対に来るだろうなと思っていました」
–平戸選手のコーナーキックが同点ゴールのアシストにつながりました。
「ニアのちょっと後ろくらいだと思うんですけれど、あそこを狙おうと今週ずっと練習していた形でした。自分も良いボールを蹴れていましたし、中にもしっかり入ってきてくれた。それが上手く合わさった形かなと思います」
–その後、2点目も奪いに行きましたね。
「点を取って、自分たちが守りに入ってしまったら、なかなか前に出るのがきつくなると思いました。そこまでやることを変えず、チームとして戦って前に出ていくところはしっかり出ていって守るところは守る形を、勝つために続けていこうと思っていました。守りに入らずやり続けることが大事というのは、ゲーム前もゲーム中も選手で話していました。そこは共通認識を持って戦うことができたと思います」
–残留を自力で決めた感想はいかがですか?
「最後の10試合くらいは残留争いをずっとしていて、プレッシャーのある苦しい日々でしたけれど、最後に何とか自分たちで残留を掴み取れたことは本当に良かったです。ただ勝たなければいけないという状況では無くても関係なく、今日のように戦わなければいけないなと思いました」
◯中島裕希選手
–どんな思いで試合に臨みましたか?
「自分たちで勝って残留を決めたいと強く思っていました」
–後半の早い時間帯に先制をされましたが逆転することができました。振り返っていかがですか?
「1点を取られたときも同点にできるという思いで、あまりネガティブには考えていませんでした。90分を通して自分たちの時間もあれば、相手の時間もある。最後は追いかける強い気持ちで2点を取れました」
–ドリアン選手、ロメロ選手が投入された後の変化はどうですか?
「二人とも攻撃にアクセントを付けられる選手なので、チャンスはできるかなと考えていました」
–残留を決めた感想はいかがですか?
「痺れました。また来年J1にチャレンジできることを嬉しく感じています」
–サポーターへのメッセージをお願いします。
「どんなときでもついてきてくれたサポーターに感謝しています。来年しっかり恩返しできるように頑張りたいと思っています」
〇ロメロ フランク選手
–どんな気持ちでピッチに入りましたか?
「ずっとこの1週間、チャンスが来てゴールすることをイメージしていました。絶対に自分が決めてやるとアップからずっと考えていました。強い気持ちで出て、それが結果につながったと思います。監督にも10分か15分くらい、チャンスは有るから決めてこいと言われていました。本当に決められてよかったです」
–逆転となるゴールは、ドリアン選手のボールに合わせたゴールでした。
「シュートを打つのかなと思ったのですが、相手が滑ったときにドリアンが上手くパスしてくれました。自分も信じてそこに走って、あと入れるだけでしたね」
–ロッカーへ引き上げるときはドリアンと肩を組んで喜び合っていましたが、どんなことを話されていたのですか?
「二人で昨日からずっと出たら結果を残そうと言っていた。アシストをしてくれたので彼に感謝を伝えていました」
–怪我明けで難しい状況だったとは思いますが、1本目のコーナーキックもロメロ選手の力強い仕掛けからでした。
「ああいうところが自分の強みなので、なるべくコーナーキックでチャンスを作れるようにやっていました。実際にコーナーキックになってそこから点につながったので良かったです」
–残留を自力で決めた感想はいかがでしょうか?
「嬉しいですね。本当に喜んでいます。怪我したときには今シーズンは終わりと言われていました。でも本当に信じてよかった。出られたことが奇跡だと思います。自分もちょっと諦めていたんですけれど、出場できたことに感謝します」
–今季は9得点でチーム内得点王です。振り返っていかがでしょうか?
「キャリアハイです。素直に嬉しいですね。二桁まであと1点だったんですけれど怪我で。でもこういった形で点を決めて残留を決められて本当に良かったです。ホッとしました」
以上