○試合後の記者会見:相馬直樹監督
–まずは試合の総括をお願い致します。
「ホームゲームだけではなく、なかなか勝利のない我々をサポートするために、多くの方々に来ていただいて、ありがとうございました。非常に厳しいゲームでしたが、最後まで足を頭を動かして戦うことができるパワーをいただけたことに感謝を申し上げます。ゲームに関しては、立ち上がりの早い良い時間帯に点を取ることができました。ボールを奪ってから素早く前に展開することは話してきた中で、それが出た形でゴールを奪うことができました。前半の30分ぐらいまでは攻撃も守備も我々のペースで進めることができていたと思います。そこで追加点を取ることができれば、もっと大きく試合展開は変わったものになっていたのかなと思います。
ただ前半の終盤、そしてハーフタイムを明けてから、特に最初の15分は山口さんのゲームのリズムでした。その時間帯を粘り強くしのいでいる中で、そこまで相手に決定的なチャンスを作られることは多くなかったですし、ボックスの中に入らせない粘り強い戦いをできたと思います。我々の良い時間帯で点を取れたこと、相手の時間帯で点を取らせなかったことが大きかったです。理想を言えば、相手に押し込まれる中でカウンターで点を取れるのが一番良いのですが、少し苦しい時間帯がある中で1-0という結果を手繰り寄せて本当に良かったと思います。
久しぶりの勝利のため、この会見でどんなことを話していいのか分からない部分はありますが、選手たちが今週の準備からチーム全体で今日ここで、我々が目標としている残留を決めなければいけない立場である中で、そのための勝ち点3を奪いに行こうと、そのための勝ち点3でもありました。
まだ残留が決まったわけではないですが、そのための努力が1つ実ったことに関しては、大きな勝利になったのかなと思っています。また自分たちで勝利を掴むことができたのは、今年は取れそうで取れない、勝てそうで勝てないゲームが続いている中で、今年はもう2試合しかありませんが、取るときに取る、勝つべきときに勝つ、その流れに持っていくきっかけにできる勝利になったんじゃないかと思います。残り2試合をそういうゲームにしていきたいです。またしっかりとした準備と戦いをして、自分たちの手で残留を決めたいと思います」
–後半にドリアン バブンスキー選手を途中から起用しましたが、独力で打開することや時間を使うという意味で効いていました。あの時間帯でドリアン選手に要求したことは?
「後半の15分ぐらいまでの間は山口さんに押し込まれる中で、ドリアンを入れる前に少し試合が落ち着き始めていたのですが、攻撃に移る際に前でポイントを作れませんでした。奪ったボールを自分たちの時間帯にできなかったため、これまでの彼は怪我がちでコンディションが十分ではなかったのですが、かなりコンディションが回復している状況を確認できていたので、ここ最近では一番長い時間の起用となりました。
その中で、1トップに近いような前で時間を作ってもらうような役割を託しましたが、後ろが余裕を持つ時間もできましたし、周りが絡んでフィニッシュまで持ち込むシーンを作れていました。相手の時間帯の中でカウンターを取れれば、もっとチームは強くなりますが、その中で彼がやってくれた役割は大きかったと思っています」
以上
○レノファ山口FC:霜田正浩監督 会見要旨
–まずは試合の総括をお願い致します。
「我々が毎試合課題とする試合の入り方で町田さんの勢いを受ける形となりました。また先に取られた1点を返すことができずに試合が終わってしまいました。こういう課題を乗り越えるためにやることがたくさんあると、そういう課題をあらためて突きつけられる結果となりました」
–前半はバタついたというよりは窮屈になって、ビルドアップがやりづらい状況に見えました。
「開始早々、自分たちの思い通りにできないことは、サッカーであればよくあることです。自分たちが思いどおりにできなくても、相手を思いどおりにさせなければいいわけです。時間が経てば後半のように、落ち着いたゲームができると思っていました。どこで落ち着く展開になるのかなと、思っている中で、あのようなシュートが入ってしまいました。失点の形は相手も狙ってくるだろうという中で、練習もしてきましたし、ミーティングもしてきましたが、それでもやられてしまうということは、徹底が足りなかったのかなと思っています」
以上
▽選手コメント
○奥山政幸選手
–1-0での勝利となりましたが、奥山選手のサイドでの守備が効いていた印象です。
「高井(和馬)選手もそうですし、田中パウロ淳一選手もそうですし、彼らが対面にいる中で自分とセンターバックの間に選手が居るか居ないかでポジショニングがだいぶ変わってきます。結構うちは圧縮した守備をするチームですが、今日のように攻め残りでワイドに残っている場合は、ちょっといつもよりは広めにポジションを取って、自分はボールが入ったときに対応できる間合いはすごい意識して対応していました。いつもよりは寄り過ぎずに、という形でやっていました」
–ずっとホームで勝てていない中で勝ち点3を取れたことに関しては、どう感じていますか?
「単純に嬉しいというか、ホッとしたという気持ちが大きかったです。サポーターの方も喜んでくださっていましたし、バックスタンドが工事中でゴール裏が密集している状況も相まって、いつも以上の盛り上がりだなと思っていました。そういう姿をもっと見たいなと思いました」
○李漢宰選手
–勝利した試合を終えられて、率直な思いはいかがですか?
「勝ったから言えることですが、周囲からの期待もある中で自分がチームを変えるだという気持ちを、このチームが勝てていない状況の中で、それを表現するのは簡単なことではないです。その重圧がなかったと言えば、ウソになります。その中でも冷静さもありましたし、終わり良ければすべて良しではないですが、チームが勝てたことは本当に良かったと思います」
–実際のピッチ上ではどんな声掛けをしてきたのでしょうか?
「前半の最初のようにチームが勢いを持って入れる形で攻撃するのをやりたかったので、まずはそうしようと。その中で間違いなく、我慢をする時間帯があるのですが、今季はその時間帯に我慢することができずに勝ち切れない試合もありました。相手に押し込まれる、もしくはなかなか前に行けない時間帯が長く続いても、集中力と気持ちを切らさずに、厳しい場面では自分が顔を出して、うまくいかないときは周りへの要求も強くなる中で、最後まで戦う姿勢、勝つための声掛けは意識していました。最後はヘロヘロになりながらも、90分間出られるとは思わなかったですが、その中でチームの勝利に貢献できて、本当に良かったです」
○土居柊太選手
–貴重な決勝点となりました。ゴールシーンを振り返ってください。
「あの位置まで入り込んだからこそのゴールでしたし、あの場面で(井上)裕大さんがゴール前に入っていく形の前に(中島)裕希さんが早めのクロスを入れることが実る形となりました。練習でも早いタイミングでクロスボールを入れることは練習をしてきたことだったので、それが出たゴールシーンでした」
–点を取った後は我慢の時間帯が長かったですが、FWとサイドハーフ、それぞれのポジションでどんなことをやろうと考えていましたか?
「FWではファーストDFの部分を意識していました。また相手がはじいた後のセカンドボールを拾うことも意識していました。サイドハーフに入ってからは、相手がワイドにボールを振ってくることが分かっていたので、マサさん(奥山政幸)と連係しながら、攻撃というよりは守備に神経を使うような形になりました。奪った後のカウンターで点を取れれば良かったですが、そこは今後の課題と思っています」
–自分のゴールで勝てたことに対する喜びはいかがですか?
「試合が終わったときはグッとくるものがありました。ファン・サポーターに申し訳ない気持ちがある中で、散々結果を残すと言ってきましたが、それを実現できていませんでした。あらためて点を取れて勝利につながったことが良かったです」
以上