○試合後の記者会見:相馬直樹監督
–まずは試合の総括をお願い致します。
「天候もあまり思わしくない中でのゲームとなりましたが、スタジアムに入るバス入りのタイミングからサポーターの方々にはすごく良い雰囲気を作ってもらいました。本当にありがとうございました。
それだけに立ち上がりはもったいない試合の入り方をしましたし、前半は腰の引けた姿勢が散見されたことも、申し訳なかったと思います。岡山さんもハードワークや球際の攻防はこだわっているチームと分かっていましたし、少し相手の2トップのパワーに関して、コーチングスタッフから情報を与え過ぎたかなと思っています。その分、ラインが少し深かったですし、こぼれ球が相手に行く回数が多く、少し重心が後ろに掛かった試合になってしまいました。そのあたりのことを含めて、相手が勢いを持ってくる中で逃げ腰になり、我々らしくボールを握ること、背後を突く形を作れなかった前半でした。
後半に向けてはしっかり戦うことだけではなく、ボールを握ること、怖がらずにボールを動かすことをやっていこうと選手たちに伝えました。ところが岡山さんも前半に引き続いて勢いを持って入ってきましたし、少し無駄なファウルも多かったのかなという印象です。自陣で相手にファウルを与えることで自陣から出ていく推進力を出せない後半の15分ぐらいになりました。
ただその時間帯を過ぎてから、選手交代も絡めながら、次第に我々らしく、背後を突くことやボールを動かすことができるようになってきました。少し相手がリードを守りたくなってきたこと、そして岡山さんもスタミナが落ちてきたことで球際のボールが我々のほうに転がるシーンが増えてきました。そういう中でボックス付近や中でボールが行き交う展開を増やせましたが、ラストパスやフィニッシュを含めて、あと一歩の精度が足りませんでした。そのあたりのことは、もう一段、クオリティーやアイディアを上げていく必要があるなと感じました。
今日の試合を通じては、しっかりと戦うという部分を発揮しないと、話にならないということを教えてもらいましたし、再確認するゲームでした。後半はそういったことを修正して、勝ち点1を取るまでに持ち込んだ選手たちには感謝したいと思います。ただ追いついただけではなく、試合はまだ続きますし、勝ち点3にできるように選手たちと顔を上げてやっていきたいと思います」
–結果的に2試合連続で追いついての引き分けという形になっています。後半に点を取れていることを好意的に受け止めているのか。あるいは違った受け止め方をしているのか。どうでしょうか?
「ポジティブな部分は当然あります。相手が守り切りたくなるシチュエーションの中で、点を取り切れていることはポジティブな要素なのかなと思っています。ただ結局はひっくり返すまでに至らないということは、足りないものがあるということです。前節の長崎戦に関しては、2点をリードされているのに、我々のゲームである、という展開でハーフタイムに入りました。ただ今日に関しては、相手のゲームという中での0-1でした。ひっくり返すことはできませんでしたが、追いついたことは評価できるのかなと思っています」
–試合中にも土居選手と中島選手のポジションを頻繁に入れ替える形がありましたが、それはどういった意図だったのですか?
「流れの中でいろいろなことがありました。前半から一度入れ替える形を取りました。出し手の問題もありましたが、距離感の問題もあったと思います。そういう中で少し前でポイントを作りたかったという意図がありました。ただ入れ替えたことで良いボールが入ったかというと、そうではなかったり、していました。
中島を中盤に置くときは出し手になれることを期待しています。もともとは受け手となる選手としてやってきましたが、だからこそ、このタイミングでボールが欲しいということも分かりますし、走っている選手に対しては、常に使ってやろうという意識も持ってくれている選手です。ジョン チュングンが入って、パサーである森村が抜けた中で出し手になる役割と、ゴール前にボールを入れてから、ゴール前に入っていくことに期待していました。
また土居という選手は、潰れ合いにも強いですし、実際に今年なんかは、点を取る形が横からのボールを押し込む形が多いので、そういった特徴も発揮できるかなと考えた結果です。1点は取れましたが、ひっくり返す形まで持ち込めなかったので、そこまで持ち込めるようにやっていきたいと思います」
以上
○ファジアーノ岡山:有馬賢二監督 会見要旨
–まずは試合の総括をお願い致します。
「町田さんとは毎回激しいバトルになるという中で選手たちが戦う気持ちを出して、競り合いとセカンドボールの部分でも戦ってくれました。前半からリスタートを含めて、何回かチャンスがある中で2点目を取りたかった。そういうゲームです。当然、サッカーの試合なので、受け身に回る時間もありますし、その時間帯をしのぎ切ることも必要でした。ただ戦う部分などはできているので、これからもベースを上げていくことで勝ち点3が近づくと思います。積み上げはできているので、今後も選手たちと勝つための準備をしていきたいです。またいつもお話ししていることですが、サポーターのみなさんに対しては、ゴール裏で我々のことを励ましてくれていることに感謝しています」
–コンパクトなチームである町田に対して、どんな狙いをもっていたのでしょうか?
「時間とスペースのない中での戦いになると分かっていました。その中でボールを握ったときにいかに彼らのプレッシャーをかいくぐるかを考えていましたし、良い状態でサポートしようということは、特に前半はできていました。逆に後半は裏を取れるけど、幅を使う余裕がなくなったので、それができれば、もう少し厚みのある攻撃を展開できたのかなと思っています」
以上
▽選手コメント
○志村謄選手
–Jリーグ初先発となりました。率直な心境としてはいかがですか?
「素直にうれしかったですね。憧れていたJリーグの舞台ですし、それでスタメンで出られたことはうれしいです。サポーターの声もよく聞こえました」
–ご自分のプレーを振り返ってはいかがですか?
「サイドハーフの選手(仲間隼斗)の上手さは聞いていたのですが、もう少し間合いを詰めることなどをできていれば良かったと思います。課題が残りました」
–試合後、スタンドへ挨拶に回りました。サポーターからの声はいかがでしたか?
「名前を呼んでもらったので、やっぱり試合に出ているのと、出ていないのでは違うんですね。でもやっぱり勝って、サポーターに勝利の報告をしたかったです」
○土居柊太選手
–貴重な同点ゴールとなりました。ゴールシーンを振り返ってください。
「難しいボールだったので、枠を外さないように当てるだけでした。ゴールに流し込んだ形です」
–前半から中島裕希選手とポジションチェンジを頻繁にしていました。ゴールシーンの前はFWのポジションでしたよね?
「監督から言われた形でポジションを入れ替えるようにしていました。ゴールシーンはFWのポジションに居たことが結果的に実った形となりました」
–失点もありましたが、試合の入りと前半に関しては、攻撃陣としてどう捉えていますか?
「前半は球際も含めて負けている部分もありましたし、当たり前のことで負けているようだと前半のような展開になっても仕方がないのかなと思います。ハーフタイムでもう一度やり直そうと入っていったので、点を取った前後の時間帯のような迫力を出せればもっと良かったのかなと思います」
○岡田優希選手
–途中出場で流れを変えてやろうという強い気持ちをもってピッチに立ったのでは?
「何かをしてやろうというよりも、与えられた指示をしっかり整理して、自分の強みや力を最大限に発揮できるコンディションやメンタリティーを整えること。それしか考えていませんでした」
–貴重な同点ゴールとなる土居選手の得点を演出しました。あの場面を振り返ってください。
「ゴールに向かってプレーできるという自分の特徴を発揮できた場面だったと思いますし、今はその回数を増やして、町田のチームスタイルの中でいかに自分を出すか、といったことに取り組んでいます。まだまだ満足はしていないですが、それが少しずつできるようになってきた、その結果の一つなのかなと思います」
–ゴールシーンの前にもシュートまで持ち込む場面がありました。
「ゴール前でどの位置でボールをもっても決められる自信はあるのですが、もう少し体重が乗っかれば、という色々な反省点はあります。決められるチャンスでした」
以上