○試合後の記者会見:相馬直樹監督
–まずは試合の総括をお願い致します。
「非常に良い天気の下での試合となり、ゴールデンウィークのこどもの日ということで、お子さんを含めて、たくさんの方々に足を運んでいただきました。まずはありがとうございましたとお伝えさせてください。そうしたホームゲームに首位である水戸さんを迎えるにあたって、ぜひ叩きたいと思っていたのですが、少し残念な結果になってしまったと思っております。
ゲームの方は前半も後半も立ち上がりの時間帯はある程度、我々らしさを出しながら攻撃・守備ともにできていたと感じています。前半は水戸さんも徹底して、我々の背後を突くようなことや、サイドを変えることを狙ってきている中で、実際にはとても大きなピンチが生まれるわけではないのですが、そこを気にして、少し我々のコンパクトさが失れてしまいました。そうなったことは、いろいろな要因はあるのですが、そういったことが影響したこともあって、前半の途中からなかなか前にボールを運べないような形になってしまったなと思っています。
セカンドボールがなかなかうまく拾えず、苦しい時間帯があったにもかかわらず、よく失点ゼロでロッカールームに帰ってきたなと思っています。後半もう一度としっかりと戦おうという中で、相手がしっかりと深みを取ってきました。そこを怖がらずに、しっかりとボールを動かす中で、後半の立ち上がりは前半の立ち上がりとは違った形で自分たちの形を作れたかなと思います。
実際にフィニッシュに入っていくシーンもたくさん作れましたが、ただやはりそういった場面で決め切らないと、そしてしっかりと押し込めるような展開を作っていかないと、ちょっとしたワンプレーで相手に先制点を奪われてしまいました。実際に失点が少ない水戸さんを相手に、そうした状況を挽回することができなかった。そういうゲームになってしまったかなと感じています。
ただ、選手たちは本当によく戦ってくれたと思っていますが、いざ体をぶつけた時や競り合いの時に実際に水戸さんの方にボールがこぼれることが多かったというのが、今日のゲームの結果にそのまま結びついてしまったと思っています。我々はもっとそこをこだわらないといけないと思っていますし、今、水戸さんが首位である理由を改めて思います。
そのあたりのことは、今日はもう過ぎてしまったことで、もう一度そういうことを見直していきたいですし、守備でも攻撃でもそうなのですが、プラス自分たちが主導権を取りながらやっていくということをもう一度、次のゲームに向けて切り替えてやっていきたいなと思います」
–今日の全体的な印象としては、普段の強みである相手の嫌なことを突くボールが少なかったと感じました。新しいことにチャレンジしているのか、今日は少なかったのかどちらでしょうか?
「相手の嫌なところに入っていくという部分の話をすると、立ち上がりなどはしっかりともう一山超えればという場面を作り出せていました。ただ非常に相手がキックオフの時点からそうなのですが、深みを取っている中で、しっかりと間を取れるのであれば、取っていけば十分ということも当然あります。また先ほどもお話した通り、相手の立ち位置に合わせる時間が長くなって、我々のストロングポイントがうまく出せなくなってしまいました。
背後を取るということは当然ありますが、その中で実際に相当、相手は深さが出ていたと思うので、そこを本当に突くというのはなかなか簡単ではありません。ただ当然、背後を突く動きは必要ですし、だからこそ間が空いてくるわけですが、今日に関してはミドルシュートを打つ意識も実際にあったと思います。
でもそこはしっかりと相手を脅かすようなシュートでなければ、相手も飛び込んでもラインを上げてきてもくれないでしょう。やはりそういったことも踏まえて、また改善が必要なことだと思います。
相手がそういう状況であれば、その中でも自分たちの良さを出すために、逆に背中を取りに行った時は、逆に我々の距離感が遠くなってしまうので、そこは実際に前半で起きていた現象だったかなと思います」
–佐野海舟選手を途中から使われましたが、ビハインドの状況で彼を起用した理由と彼に期待した部分を聞かせてください。
「少し、奥山(政幸)がらしくないボールロストがありました。あの時は1点ビハインドの状況だったと思いますが、当然ですが、相手が守備的になってくる中でこじ開けるにはやはり横のボールであるとか、そういったボールが入ってこないと難しいという状況の中で、海舟はトレーニングでも右足・左足どちらの足であっても、鋭いボールを入れることができていました。実際に今日も1本を入れていると思いますが、そういった期待を含めて起用しました。
もちろん、もっと攻めに行ってほしかったとか、少し内側に切れ込んだ時に、フィニッシュで終わってほしかったとか、当然そういった部分もありました。もちろん前の選手を代えるという選択肢もある中で、あそこまでボールを運ぶという段階で正直手こずり、手間取っていたところがあったという感じていました。そのため、サイドまでボールが入ってきたあと、最後にゴールをこじ開けるために、ゴール前にボールを入れることも期待をして出てもらいました」
以上
○水戸ホーリーホック:長谷部茂利監督 会見要旨
–まずは試合の総括をお願いい致します。
「前半の立ち上がりに良い入りをしました。町田さんも良い試合の入りをしていて、前から圧力を掛けてくるサッカーをしてきてきましたが、それに対しても我慢強く戦い、拮抗した試合に持ち込めました。後半は良い形で追加点も取れましたし、勝利に値する試合ができました。選手たちは非常に良いプレーを90分間続けてくれました」
–今日の試合は内容も結果も伴う良い試合でした。その中で相手の背後を突く動きを徹底されていました。
「今日の試合は狙いがうまくいった場面が多かったと思いますが、どの試合も常に選手たちには裏と表の提示をしています。ディフェンスラインの背後を突けばバイタルエリアが空きますし、空中戦で攻めるか、地上戦で攻めるかなど、いろいろなことを提示してどちらかを選びなさいと話しています。今日に関しては、背後を突くプレーが何度も良い形でつながりましたし、選手たちのプレーの選択肢や質が良かったなと感じています」
以上
▽選手コメント
○藤井航大選手
–悔しい敗戦となりましたが、試合を振り返っていかがですか?
「水戸さんの裏のボールへの対処や、セカンドボールの執着心など、ウチに対しての対処の仕方で主導権を握られました。またそれが結果にも出てしまったのかなと思います」
–相手FWとの駆け引きも激しい試合でした。
「相手のFWに引っ張られ過ぎないようにしていました。ただ中盤や僕たちの前のゾーンでセカンドボールが相手に収まってしまうと、相手はそこから一気にカウンターに出てくるスピードも早かったです」
–セットプレーの攻防も一つのポイントになりました。
「セットプレーで追加点を取られましたが、あの場面で取られなければ0-1の展開でまだ試合はわからなかったと思います。もちろん、自分がセットプレーで点を取りたいという使命感を持ってやっています」
○土居柊太選手
–けがからの復帰戦で途中出場となりました。どんなことをやろうとピッチに入っていきましたか?
「コーチングスタッフからも話があったのですが、僕が出る時間帯は、セカンドボールをなかなか拾えていませんでしたし、ボールの収まりどころがなかったので、タメを作ってほしいと言われていました。その中でボールをキープしてゴール前に出て行くことを意識していました」
–週中のトレーニングマッチで60分ほど出場して、すぐに実戦復帰となりました。コーチングスタッフからの信頼を感じているのでは?
「信頼してもらっていることはうれしいですが、それ以上に結果を出さないといけないのかなと思っています。自分はアグレッシブなプレーが持ち味なので、与えられた立場の中でやっていきたいです」
–途中からサイドだけではなく、ボランチのポジションに入る時間帯もありました。
「紅白戦でもボランチをやることがあったので、ボランチのイメージができていました。オープンな展開となる中でセカンドボールを拾う状況を作ろうと(井上)裕大さんとコミュニケーションを取りながらできたと思います」
○佐野海舟選手
–ついにプロデビューとなりました。振り返っていかがですか?
「結構長い間、ベンチ入りしていたので、ついに来たぐらいの感じで緊張はありませんでした。一瞬すごいなと思って、観衆の声が聞こえてきたので、少し戸惑いましたが、すぐに試合にすんなりと入っていけました」
–出場時間の中で自分の持ち味は出せましたか?
「あの短い時間の中では出せたのかなと思っています。デビューできたことは通過点なので、それよりもチームの結果がついてくることが一番です。チームを勝たせられるようなプレーをできるようにしていきたいです」
–プロになって感じていることは?
「メンバーに入ることも厳しくて、競争がすごい激しいなと感じていますし、状況判断をしっかりすることが課題です」
以上