【アカデミー】U-14 フランス遠征レポート|7〜8日目

FRANCE TOUR REPORT
フランス遠征レポート
7〜8日目|バジュー国際大会 開幕

リヨンでの準備を胸に、世界の同世代との真剣勝負へ

FC町田ゼルビアジュニアユースU-14は、5月16日から27日にかけてフランス遠征を実施しています。

5月16日から21日までは、アカデミーパートナーシップを締結しているオリンピック・リヨンの施設をお借りし、チーム強化と大会に向けた調整を行いました。その後、リールへ移動し、バジューで開催される「Tournoi International U14 AS Baisieux」に参加しています。

本日は、遠征7〜8日目の様子をお届けします。


7日目|リヨンを離れ、大会の舞台へ

いよいよ大会開幕の日を迎えました。

この日の朝、選手たちは6日間にわたり朝食を準備してくださったシェフへ感謝を伝え、リヨンをあとにしました。

数日間を過ごしたリヨンでの時間。
OL Academyの施設でのトレーニング、現地選手との交流、スタジアム見学、そして日々の生活。選手たちは多くの刺激を受けながら、大会に向けて準備を積み重ねてきました。

リヨン市内のLYON PART DIEU駅まではバスで移動。
そこからLILLE EUROPE駅まではTGVに乗車し、約3時間をかけてリールへ向かいました。

車窓から流れていくフランスの景色を眺めながら、選手たちはいよいよ始まる国際大会へ気持ちを高めていきました。

LILLE EUROPE駅に到着後は、大会側が用意してくださったバスに乗り、会場へ移動しました。
Baisieuxの街は、リール中心部の都市的な雰囲気とはまた違い、落ち着いた住宅街が広がる閑静な地域です。会場周辺にも穏やかな空気が流れ、家族連れや地元の方々の姿が多く見られました。

到着後はすぐに食堂で昼食。朝の出発が早かったこともあり、選手たちは夜の試合に備えてしっかりと食事をとりました。
食事会場は、6チームほど、約120名が同時に食事をとることができる大きなスペースが用意されています。
また、ゼルビアは大会側のご配慮により、最新施設内のロッカールームの一角を待機場所として使用させていただいています。


会場に到着すると、そこには単なるサッカー大会の会場というだけではない、地域全体で大会を支えているような温かな雰囲気が広がっていました。

大会は多くのボランティアの方々によって運営されており、地元の方々を中心に約150名が無償で協力してくださっているとのこと。各チームには担当のボランティアがつき、水や氷の準備、洗濯など、選手たちが試合に集中できるよう細やかなサポートをしてくださっています。

会場内には、ハンバーガーやサンドイッチなどの軽食に加え、飲み物やおつまみを楽しめるエリアもあり、どこかビアガーデンのような賑わいも感じられました。キックターゲットや簡易アスレチックなど、子どもたちが楽しめるスペースも用意されており、試合を観るだけでなく、子どもから大人まで一日を通して楽しめる空間がつくられていました。

慣れない環境の中でも、運営スタッフやボランティアの方々が笑顔で温かく迎えてくださり、選手たちは安心して大会に臨むことができています。

 

初戦のキックオフは19時45分。
昼食後から試合までは長い待機時間となりました。

選手たちにとっては、コンディション調整の難しい時間となりましたが、これも国際大会ならではの経験です。慣れない環境の中で、どう自分の状態を整えるか。大会は、ピッチに立つ前からすでに始まっていました。

初戦の相手は、開催地域のチームであるAS Baisieux。

地元チームとの対戦ということもあり、試合前から会場には多くの観客が集まりました。家族や地元の方々と思われる応援団は同じTシャツを身にまとい、声をそろえてチームを後押し。ほかの試合とはまた違う、開催地ならではの大きな熱気に包まれました。

ゼルビアU-14にとっては、まさに完全アウェーと言える雰囲気の中での大会初戦。それでも選手たちはその空気にのまれることなく、落ち着いて試合に入りました。

開始3分、早い時間帯に先制点を奪うと、その後もテンポよく得点を重ねていきます。

完全アウェーの空気にのまれるのではなく、自分たちから試合の流れをつかむ。
ピッチの上で一つひとつのプレーを積み重ね、終始安定した試合運びを見せました。

結果は7-0で勝利。

リヨンで積み上げてきた準備を、初戦のピッチでしっかりと表現し、良い形で大会をスタートすることができました。

試合終了後には、地元の観客からゼルビアの選手たちにも温かい拍手が送られました。勝敗を超えて、互いのプレーを称え合うような空気があり、国際大会ならではの素晴らしい雰囲気を感じる時間となりました。

試合後は、そのまま会場で夕食をいただき、ホテルへ戻りました。

長い移動、長い待機時間、そして完全アウェーでの開幕戦。
濃密な一日を終えた選手たちは、翌日の試合に向けて身体を休め、再び次の戦いへ備えます。


8日目|欧州強豪との連戦で感じた差と手応え

大会2日目を迎えました。

大会期間中は、3食すべてが試合会場で用意されるスケジュールとなっています。ホテルを出発した選手たちは、試合会場で朝食をとり、午前中は一昨日までお世話になっていたオリンピック・リヨンの選手たちの試合を観戦しました。

数日前まで同じ施設で時間を過ごしていた選手たちが、今度は大会のピッチで戦っている。
その姿を見つめながら、ゼルビアの選手たちも午後の試合へ向けて静かに準備を進めていきました。

空き時間には、他チームの試合を観戦しながら過ごす時間もありました。世界の同世代がどのような強度で戦い、どのようにゴールへ向かうのか。ピッチの外にいる時間も、選手たちにとっては大切な学びの時間となっています。

また、会場ではパリ・サンジェルマンに所属する日本人選手といくつか言葉を交わす場面もありました。国やクラブを越えて同じ大会に集まる選手たちとの出会いも、この遠征ならではの経験です。

昼食後は、それぞれがコンディションを整えながら、予選リーグ2試合目へ向かいました。

相手は、オリンピック・リヨン。

リヨンキャンプでお世話になったクラブとの対戦。
親しみを感じる相手でありながら、ピッチに立てば、そこは真剣勝負の場です。

ゼルビアはボールを握り、全員でゴールへ向かおうとしました。
しかし、相手の長い足、粘り強い守備、奪った瞬間の鋭い切り替えにより、思うように前進できない時間が続きます。

一方のOLは、こちらのミスを逃さず、カウンターや一本のロングボールから一気にゴールへ迫ってきました。

21分、自陣でのミスからボールを失うと、強烈なミドルシュートを決められ失点。
その後、ゼルビアも良い連係やボールの動かし方からゴールに迫る場面を作りましたが、相手GKのビッグセーブにも阻まれ、得点を奪うことはできませんでした。

試合は0-1で終了。

強豪OLを相手に、最後まで勝利を目指して戦いましたが、悔しい敗戦となりました。

それでも、世界基準の相手と対峙したからこそ見えたものがありました。
身体の使い方、守備の粘り強さ、ミスを逃さない力、ゴール前での迫力。
リヨンキャンプで感じてきた刺激が、この試合ではさらに現実味を持って選手たちに突きつけられました。

 

少し休息をとった後、チームはミーティングを実施。
OL戦での反省を整理し、次の試合へ向けて確認を行いました。

 

予選リーグ3試合目の相手は、オランダのPSV Eindhoven。

欧州屈指の育成クラブを相手に、再び世界基準への挑戦が始まりました。

試合開始早々、ゼルビアは流れるようなパスワークからゴール前へ侵入。谷岡慶太郎選手がPKを獲得します。自らキッカーを務めると、落ち着いてゴールへ流し込み、先制に成功しました。

しかし、その直後にビルドアップのミスを突かれ、同点に追いつかれます。さらにその1分後、大きな展開からシュートを決められ、逆転を許しました。

一瞬の隙を逃してくれない。
流れをつかみかけた直後に、一気にひっくり返される。

欧州の強豪を相手にした試合では、ほんのわずかな判断やプレーのズレが、そのまま失点につながっていきます。

その後、ゼルビアはシステム変更や選手交代で応戦。GK下田一心選手の好セーブもあり、一進一退の攻防が続きました。

しかし27分、DFラインの背後を取られ失点。
アディショナルタイムには、川島芯音選手が積極的な仕掛けから再びPKを獲得し、自ら決めて1点差に迫りましたが、試合は2-3で終了しました。

OL戦に続き、こちらも悔しい敗戦となりました。

ただ、選手たちは決して下を向くだけではありませんでした。
先制点を奪ったこと。
相手の強度の中でもゴールへ向かったこと。
最後まで1点を取りにいったこと。
悔しさの中にも、確かな手応えがありました。

試合後は会場で夕食をいただき、ホテルへ戻りました。

翌日は、予選リーグの残り3試合が行われます。
一つでも順位を上げるために、この日の反省と経験を次の試合へつなげていきます。


選手コメント

試合後、選手たちはそれぞれに課題と収穫を口にしていました。

谷岡慶太郎選手は、体格の大きい相手に対して、受ける位置や身体の使い方を工夫しながらプレー。相手のプレッシャーが速い中でも、落ちる位置を変えることで前を向ける回数が増えたことに手応えを感じていました。一方で、前を向いた後のタッチミスやボールを失う場面には課題を感じており、自分の持ち味である裏への抜け出しを継続しながら、残りの期間で改善していきたいと振り返りました。

下田一心選手は、初戦とは違うプレススピードを感じたと話しました。1人を抜いても次の相手に奪われる場面が多く、前進するというより横に運ばされる感覚があったとのこと。ビルドアップでは、相手がプレッシャーに来るか来ないかが不規則で、状況によってボールを置く位置を変える重要性を学びました。翌日の試合に向けては、自分の判断に自信を持つこと、味方を思いやったパスやサポートをすること、後悔しないプレーをすることを意識したいと語りました。

小宮山選手は、PSV戦の失点場面を振り返り、誰がフリーになっているのかを把握し、その味方を使うためにどのような体の向きと角度で受けるべきかをもっと考える必要があったと話しました。また守備面では、前線の選手に声をかけ、チーム全体でボールを奪いやすくすることの必要性も感じていました。相手の逆を取るプレーには手応えを感じる一方で、その後のプレー精度には課題が残り、次の試合では改善しながら積極的にチャレンジしたいと振り返りました。

3名のコメントからは、欧州の強豪と向き合ったからこそ感じたリアルな学びが伝わってきます。

相手の身体の大きさ。
プレススピードの速さ。
ボールを受ける位置や身体の向き。
一瞬の判断が結果を左右する緊張感。

それぞれの選手が、ピッチの中で自分の課題と向き合い、次の試合へ向けて何を変えるべきかを考えています。

海外の強度の中でプレーしたからこそ、自分に必要なものがより鮮明になる。
この経験を次の試合にどうつなげるかが、選手たちの成長につながっていきます。

明日も、世界の同世代との真剣勝負が続きます。
この悔しさを力に変え、ゼルビアU-14は次の一戦へ向かいます。