「SVOLME×ZELVIA CUP」スペシャルトーク~大会開催に乗せた社長と隊長の熱き想い~

今年7月、盛況のもと子どもたちのためのサッカー大会『SVOLME×ZELVIA CUP』がスタートしました。

今回、11月27日(日)に第2回が開催されますが、 大会の継続化を記念し、スペシャル対談が実現!!

大会に込められた熱き想いを、どうぞ御高覧ください!

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FC町田ゼルビアに深い関わりを持つ1977年生まれの2人の男–

1人は、プロサッカー選手を経てゼルビアのスクールコーチ兼ゼルビアひろめ隊の隊長でもある酒井良。

もう1人は、ゼルビアのユニフォーム・サプライヤー「SVOLME」(スボルメ)ブランドを持つ株式会社VOLUME代表取締役の渡邉祐二である。

ともに幼い頃から大学までサッカー漬けの毎日を送り、ここに39歳を迎えた。

かつてのサッカー少年は、立場は違えどもお互いにリスペクトし合い、時にはビジネス論を熱く語り、時にはサッカーをつまみに酒を酌み交わす気のおけない友人でもある。

第2回の「SVOLME×ZELVIA CUP」を前に、熱く語り合ってもらった。

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Tシャツと短パンから始まった
SVOLMEとゼルビアの出会い

 

酒井良(以下、酒井):ゼルビアとの出会いっていつなの?

渡邉祐二(以下、渡邉) :確か、ゼルビアが関東リーグでJFLを目指している時、2008年だと思う。ちょうどJFLに上がるタイミングで、友人を介してサプライヤーの提案会があるから来てみれば? と言われて出かけたのが最初かな。

酒井:あー、生意気にもゼルビアが何社かスポーツアパレルを呼んでプレゼンしてもらった時ね(笑)。

渡邉:そう。その時、会社立ち上げて3年目。どんな格好で提案会に行ったらいいかわからなくて、Tシャツと短パンで行ったんだよね(笑)。そしたら、ゼルビアの幹部の方がズラーとスーツで。終わったな、と思った(笑)。

酒井:まだぜんぜんスボルメが知られてない時でしょ?

渡邉 :そう。なのに、なぜかサプライヤーに選んでいただいたの。Tシャツと短パンだったのに(笑)。

酒井:なんでゼルビア?

渡邉:僕は東京生まれの東京育ちのサッカー少年だったから。当時FC町田ってチームは憧れのブランドだったんだよね。

酒井:全国3位になってるし!

渡邉:そう。でも実は僕も中学では、中体連(全国中学校体育大会)の都大会で優勝してるんだよね。だから、中学時代はFC町田と試合がしたい。そして絶対勝ってみせるって思ってた。実際には見たこともなかったけど。だから僕の中の伝説のチーム(笑)。
(※当時、中学のサッカー部とジュニアユースが公式戦で対戦する機会は、高円宮杯ぐらいしかなかった)

酒井:そうなんだよね。町田は当時から少年サッカー王国。でも、その王国も停滞していると思う。もっと少年サッカーから盛り上げないとね。優秀な選手は外に流出しているのが現状だし。本当は町田の中で育てたい。だから、俺の隊長としての役割はデカイと思っているの。ゼルビアもスクールだけじゃなくて、町田全体の少年サッカーへの関わり方も考えていかないといけないね。

渡邉:良はいつからゼルビアにいるんだっけ?

酒井:2006年から。

渡邉:あの頃はみんな熱かったよね。

酒井:うん、熱かった。情熱しかなかった。専用グランドもない。金もない。あるのは情熱だけ(笑)。練習するのは土のグランド。ある日、練習しに行ったら他の団体がいて使えなかった。仕方ないから街灯の下で基礎練だけして帰った。2007年くらいの話だけど。ゼルビアがプロらしく変わったのは、プロの監督である戸塚哲也さんが来てからかな。JFLの1年目、頑張って結果出したけど、ホームスタジアムの規格でJ2に上がれなかった。でもへこたれないで、もう1回頑張って3位。市民が盛り上がってグランドも改修ができた。選手の情熱が政治を動かしたんだよね。結果、J2に上がれた。そんなチームをサプライヤーしてどうだった?

渡邉:やってよかったよ。正直に言うとリスクもあったけど。JFLからJリーグに上がれないという可能性もにあった。でもサッカーって結果も大切だけど、それだけじゃないでしょ。うちの会社の経営理念「スポーツを通じて幸せと健康と提供する」に通じるところでもあるよ。

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教えすぎないことが子供を成長させる

酒井:ところで何歳からサッカーやってたの?

渡邉:田無(現西東京市)で4歳から。田無富士見幼稚園時代。

酒井:へー。俺は相模原だったから、サッカーより野球が盛んで、小学校3年からしか入れなかった。

渡邉:意外と遅いね。サッカー始めるのは、早い方がいいかと思ってたけど。

酒井:そこはセンスの問題じゃない?(笑)

渡邉:笑。僕の入っていた田無富士見FCは幼稚園から自動的に小学生チームへ持ち上がる形式で、けっこう強かったの。地区ではまず負けない。都大会には必ず行ってた。都大会でもベスト4や8になってたから。今考えれば、中学の頃はボトムアップ型の練習してたなあ。自分たちで考えて練習してた。練習試合の対戦相手とかも自分たちから希望出したりして。良はどう?

酒井:俺も同じ。小山グランド(中学生時代の所属小山FCのメイングランド)に夜行って、1つだけ電灯点けてボール蹴ったりね。今のゼルビアのスクールでもそう。何でもかんでも用意しないで、コーンとボールをその辺にポンポンと置くの。俺は端の方で見てる。すると、子供は自分たちでルール決めて練習してる。それが一番楽しそう。しばらくやらせといて、「じゃあ練習するよ」って言うとシュンとなる(笑)子供たちのやる気や発想を大事にしないと。全部大人が用意しちゃダメ。アイデアが大切だね。これは、俺の子供時代の経験が生きてるね。

渡邉:良が子供たちにコーチングする時、心がけていることってあるの?

酒井:教え込まないってことかな。要は考えながらやりましょうってこと。大人はまず考えるところから入るから、大人に教えるときは目的とか理論とかで説明したほうがいいけど、子供は違う。まずは、やらせてみる。あえて教えない。

渡邉:教えすぎている指導者が多いってこと?

酒井:そうだね。例えば「サイドに開け」とか。すると子供は、なんで開くの? ゴールから遠くなるだけじゃない? と思っちゃう。離れた方が得だと思えば、子供は自然に離れるよ。ゴールが狙えるところ行くようになる。最初はみんな団子サッカーだよ。そしてボールがコントロールできるようになれば、顔が上がる。顔が上がればパスがもらえるようになる。そのタイミングを指導者が見てあげるのが大切。「サイドにはたけ」とかも、自分でターンできればゴールが狙えるのにわざわざはたく必要はないよね。ターンできない時にはたくのが普通でしょ。だから、子供に考えさせることが大切だと思うの。

渡邉:そうだよね。試合中ともなれば、コーチに言われてからやっても遅いもんね。

酒井:そう。最近の子供は、親とコーチの顔を交互に見ながらプレーする子が多い。ゴールを見たほうが絶対楽しいのにね。

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ゼルビアを通して社会貢献の場へ
「SVOLME×ZELVIA CUP」

 

酒井:ところで、何でアパレルやろうと思ったの?

渡邉:きっと普通がイヤだったんだろうな(笑)。高校時代から洋服が好きで、パリコレのデザイナーになろうと本気で思ってたんだよ(笑)。だから、大学を卒業したら服飾の専門学校に行こうと思っていた。でも、大学でうっかり1・2年で取ったつもりの一般教養が取れてなくて、まさかの留年。親に学費は自分で出すからって言って、土下座して卒業させてもらった(笑)。それから服飾の専門学校に行って、アパレルの商社に就職。当時は渋谷109のギャル系の洋服を扱っていたんだけど、最初はこんなの洋服じゃないと思ってた(笑)。でも、自分でデザインした服を提案して、オーダーもらったりできるようになって、年間5億円くらい売り上げることができた。4年間勤めて、辞めた。翌月から会社設立準備して2ヶ月後に起業したの。何のあてもなかったのに。今考えると普通じゃないよね。

酒井:勘違いだね(笑)。俺も24歳くらいまで日本代表になれると思ってた(笑)。何でオファーがないんだろう? って。実際やれるつもりでいたし。でもJ1からお呼びがかからなくて、25歳で気づいた(笑)。サッカー選手なんて、現実的に考えたらなかなか選ばない人生だもんね。いい意味で、勘違いしてたんだよね。

渡邉:そう。だから今このポジションにいるのかな。これからは、お互いの経験を活かして、町田を、サッカーを、子供たちを盛り上げたいよね。

酒井:今度の11月27日(日)第2回の「SVOLME×ZELVIA CUP」を開催するじゃない。SVOLMEが協賛してくれてとても嬉しいんだけど、なぜ協賛してくれたの(笑)?

渡邉:サプライヤーとして、恩返しがしたいってことがきっかけなんだ。今後ゼルビアがもっと発展していくためには、子供たちに好かれることが重要だと思うんだ。もちろんSVOLMEもね。この「SVOLME×ZELVIA CUP」を足かがりにして、ゼルビアがもっと盛り上がってくれると嬉しいね。

酒井:「SVOLME×ZELVIA CUP」は、小学1・2年生が対象の5人制のミニサッカー大会で、出場は無料だし、MVPやMIP、優勝チームなどにはSVOLMEから豪華商品も出る。さらには今回から、現役のゼルビア選手も呼んで一緒にボールを蹴ったりもできる。小学1・2年生の時期って、試合も少ないし、いい経験になるんじゃないかな。それに日本人って、サッカーの試合ってなるとキッチリやりすぎるでしょう。グランドはこう、ユニフォームはこうとか。でもそうすると人数の少ないチームは出られなかったりするし、お金もかかる。だから最初はハードルをうんと下げて、そのぶんサッカーというものを楽しんでもらおうと。でも、キッチリ優勝チームは選ぶよ、スポーツに勝ち負けは当然だからね(笑)。

渡邉:お父さんお母さんも一緒に楽しんでほしいよね。もしかしたら、子供たちの最初のサッカーの試合が、この「SVOLME×ZELVIA CUP」かもしれないし。将来、日本代表の選手が「SVOLME×ZELVIA CUP」の出場選手だったりしたら最高(笑)。

酒井:そりゃいいね(笑)。今度の第2回大会は、第1回大会から場所を意図的に変えたんだ。そうすることで色々なチームが参加しやすくなるから。将来的には町田の全域でやりたいね。野津田の天然芝でもやりたいし。子供たちが楽しんで体を動かしてくれるといいね。ただ、何度も言うけど勝つチームは1つだけだよ(笑)。

渡邉:うん、人生は勝ってばかりじゃないからね。さらには、この大会がきっかけで、スポンサー対抗だったり、おじさんたちのフットサル大会だったりできると嬉しいね。町田市民でもゼルビアに諸手を挙げて賛成の人ばかりじゃないでしょ? 試合があると渋滞するとか。野津田公園が使いづらいとかね。だから、サッカーに興味がない人でも参加できるようなイベントになるといいね。そういった面で、プロ野球なんて参考になるよね。野球を見に行く人たちって、ある種、球場に子供と一緒に遊びに行く的なノリがあるじゃない。子供が楽しめれば大人も楽しいよ。

酒井:そうだね、ヨーロッパのスタジアムなんかは、レストラン、ジム、BARとかあって複合施設だからね。今のゼルビーランドも、大人は飲んで食って、子供は遊んでっていうのを目指しているんだけど、もっともっと楽しめるよう努力しないとね。「SVOLME×ZELVIA CUP」もそうなるといいね。子供たちはサッカー大会、大人はランニングやヨガとかもできて、家族で楽しめるとかね。自然な形でサッカーが生活の一部にあれば最高。

渡邉:そうだね。ぜひ「SVOLME×ZELVIA CUP」が、少しでもいいから町田に貢献して欲しい。子供たちがゼルビアを大好きになること。大人もね。夢は大きく持って、お互いに頑張ろう。SVOLMEもでき得る限り応援します。

 

渡邉祐二
株式会社VOLUME 代表取締役 【https://www.svolme.net/
1977年東京都西東京市生まれ。幼稚園から田無富士見FCでサッカーを始める。田無少年サッカークラブ、田無第三中学校、國學院久我山高等学校、國學院大學とサッカーを続ける。ポジションは主にボランチ、サイドバック。大学卒業後は文化服装学院を経てアパレルの商社に4年勤務後独立、株式会社VOLUMEを設立。サッカー、フットサルのアパレルを中心にしたSVOLMEブランドで人気を博す。現在はランニングの分野にも進出。将来はオールスポーツのアパレルブランドを目指す。経営理念は「スポーツを通じて健康と幸せを提供する」。

酒井良
NPO法人アスレチッククラブ町田 ゼルビアひろめ隊隊長、ゼルビアサッカースクールコーチ
1977年神奈川県相模原市生まれ。小学3年生の時に大野台SCでサッカーを始める。小山SC(FC町田)、桐光学園高等学校、東京農業大学でサッカーを続け、2000年湘南ベルマーレ入り、以降、モンテディオ山形、沖縄かりゆしFC、ザスパ草津を経て2006年FC町田ゼルビア入り。ポジションはMF、フォワード。
2012年退団。2016年にはJFA公認A級コーチライセンスを取得。飾らない口調とわかりやすいコーチングで人気。趣味は愛犬ラブラドール2頭の散歩とキャンプ。ただいま2度目の新婚を謳歌中。

○文・撮影/那田時広
愛媛県出身、町田在住18年。息子の少年サッカーチーム入団(大蔵FC)をきっかけに、町田のサッカーに興味を持つ。2011年からゼルビア観戦。現在は酒井隊長がコーチをする、アンチエジングサッカー教室にほぼ毎月通う。酒井隊長からは、「口の悪い良い人」と言われるが、気にはしていない。2015年、某出版社から独立し、現在フリーランス。

 

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